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8月の読書記録

今月は能・狂言について基本的なところを学ぼうといくつか読みました。
それから、イタリア・ルネサンスの三大巨匠のひとりラファエロ・サンツィオについて改めて学び直し中で、蔵書から初歩的な内容のものを再読。
さらに、9月から再開する「coursera」の予習として北欧神話についての本など。


多くは西洋美術史を学ぶ中で関心と必要性から手に取ったものですが、
広く浅く広げて、徐々に深くしていきたい西洋中心に芸術全体を理解するための気長な読書リストです。

読み終わった本

お能の見方

白洲正子による文章に能楽写真の第一人者・吉越立雄の舞台写真。お能について入門的知識を得るというよりは白洲正子の語り口で能の世界を垣間見る、というような印象でした。幼時より能を習い処女作が『お能』という著者であり、古美術をはじめ日本の美に造詣が深く、その生き方に私淑したい一人のファンとしては語りのひとつひとつが興味深くてこれからも時に見返したい本でした。

マンガでわかる能•狂言

これは入門としておすすめ!全体をザックリかつ要点をかいつまんで知りたい、という最初の一冊にピッタリなのでは。イラストもかわいい。

陰翳礼讃

谷崎潤一郎の文章に添えられた写真も美しい。積読本のひとつでしたが能について綴られてもいるので今回読了。

芸術新潮

芸術新潮の2冊は図書館で借りたバックナンバー。

2012年12月号は、観阿弥生誕680年世阿弥生誕650年記念号。カラー写真満載で楽しめます。

2019年4月号は梅原猛緊急追悼特集号。哲学者という認識くらいでしたが「スーパー歌舞伎」の原作執筆者であったとは初めて知りました!ん〜知らないことだらけ。

名画を見る眼

ラファエロの《小椅子の聖母》について解説があり、今さらながらの積読本解消。三田哲学会哲学・別冊で「○」がついているので「絶対読んでおいてね」という基本書ですかね。
ところでこの本では「ラファエルロ」となっていて、他の本では「ラファエッロ」とかもある。一体正解は?となるが、最新の文献での表記に従うのがいいのだろう。

ラファエッロ

はい、こちらは「ラファエッロ」ですね。イタリア語っぽいのはこれかな?アンリ・フォションは好きだ〜。なぜかわからないけど。で、この本はフォションのラファエロへの愛が止まらない〜賞賛の嵐って感じ。ラファエロ贔屓がすごい。詩的な文体?にちょっとついていけない部分もありつつ積読本解消。

RAPHAEL ラファエロ

TASCHENニュー・ベーシック・アート・シリーズは画家の代表的な作品とともにそれに付随する素描も掲載されていたり、入門的な画集にはあまり掲載されない、けれど重要な作品についての解説もあったりと小さいながらもあなどれない。
ほぼ中古品を必要にしたがって集めているのだけど、これもしばらく蔵書として保管しておくことになりそう。

北欧の神話

まずカバーになっているスウェーデン国立歴史博物館所蔵の十二世紀のタペストリーがかわいすぎる。現物見てみたいなー。この一冊じゃ足りないけれど、最初の一冊として選んだのは正解。

読んでいる本

システィーナ礼拝堂を読む

先月読んだ『ラファエロ 作品と時代を読む』の執筆陣によって最初に刊行されたのがこの文献。各章を現役バリバリの研究者たちが最新の研究を用いながら検証、持論を展開するもので一般書と論文をつなげる橋渡し的な役割としての一冊。
裏付けをとりながら付箋貼りまくりで読むタイプの本なので、なかなか進まずまだ序章まで。システィーナ礼拝堂の描かれた盛期ルネサンス時代は一応私が研究対象とした時代なので取りこぼさず学ぶつもりで精読中!知的好奇心を刺激する良書です!

モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん 修復家・岩井希久子の仕事

またまた積読解消。失敗が許されない繊細さを必要とされる仕事、という印象が修復。日本では日陰の存在、という感じがあるけれど名画に欠くべからざる存在。その仕事を知ることは絵画そのものを知ることでもあるよね。
卒論で扱った作品はある時点で板からカンヴァスに移されたものだったのだけれど、そんな時に作品の裏側に記載された事柄から来歴が判明したりする。修復作業によって研究が前進するというのはよくあることなのですよね。その新発見の第一目撃者になるというスリルと名誉にあずかるっていうのも醍醐味なのでしょうか。

北欧神話と伝説

西洋史学習におけるカタカナ・アレルギー発症しそう。北欧言語になじみがないからカタカナでつっかえる事象多発。むーーー。耐えるのだ。

以上が今月の読書でした。

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