Kamoi

言葉が表現し得ること、または言語と言語のあいだに横たわる空白、人と社会と言語など、言語…

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言葉が表現し得ること、または言語と言語のあいだに横たわる空白、人と社会と言語など、言語に纏わることに幅広く関心があります。

マガジン

  • A Bright Blue

    日常に見ている色。きりりと澄んで輝いているような水色を言葉にして、日常を綴ってみました。

  • Silver-black

    日常の脇。奥とも先とも後とも深くとも地下とも呼べる場所。黒は暗闇を体現しているだけではなく、人間と不可分な孤独がもたらす、すっと冴えた鋭利な知も有しています。黒が光るとき、そこから見える言葉を紡いでいます。

  • A Keen Red

    日常に見ている色。鋭く鋭敏で知的な赤を添える世界、日常をそんな切り口で言語に置き換えてみました。

  • A Pale Pink

    日常に見ている色。淡くやわらかなピンク色のような、もふもふした日常を言葉にして綴ってみました。

  • ひとつの美しい調べに寄せて

    主に近現代の小説を読みながら、作中人物たちになにを思い、なにを伝えたくなったのか。作品ひとつにつき、登場人物ひとりに宛てて、手紙をしたためました。不定期更新です。

最近の記事

感情に納得するための判断をやめること

感情が揺れ動くと、それに理由を与えたくなる。 特に、否定的な感情であるとその傾向が強い。 感情を、湧き上がるそのままにしておくのは座りが悪いということももちろんあるが、 別の機会に似たような感情の動きがある場合も少なくないので、その場合の対処を予めしておきたいという気持ちの現れでもある。 けれどこの、感情に納得するというのは難しいことで、 納得のいくためには、何かしらの理由を与え、判断する必要に迫られる。 判断というのは基準がなければできないものだけれど、 この際の判断基準

    • 感情から発する言葉の不気味さ

      他者に向かって投げられた言葉のなかで、 前提が自分の主観的な感情にのみ立脚している、 その感情を表現するためだけに紡がれる言葉、 そういうものに違和感と嫌悪を抱きます。 好きだから、なにを言ってもいい、 嫌いだから、どんなに傷つけてもいい、 そんなわけはないのだけれど、 実際的な場面でそのことをきちんと理解して、 そのうえで自分の言葉を扱おうとする人は、あまり多くないなあと体感しています。 自ら発する言葉が感情を煽るから、 言葉の連鎖が止まらなくなり過剰になる。 この悪循環

      • 「愛と健康と美しさ」と相容れない合理主義

        先日読んだ新聞記事と、たまたま読んでいたドストエフスキーの『悪霊』が自分のなかで絡まりあって、思うことがありました。 今日はそのことについて書こうと思います。 先日読んだ記事はこちらです(途中までしか読めないと思いますがご了承ください)。 事件そのものは被告に殺人の罪を問うているので、なんら疑問はありません。 ただその周辺状況を見たときに感じたのは、醜いのは誰か、ということでした。 わたしは美しく在ること、美しく生きることを自分の中心に据えて生きてきました。 いわば哲学、

        • 春の匂い

          春だなあ、と思いました。昼間、外を歩いていて。 春だなあと思わせる匂いがしました。 でもそれは、無論まだ咲かない春の花の香りではないし、 新入学の児童が歩いているという、景色の変化にはもちろんまだ早く、視覚的な刺激が与えられ助長されたというのでもないし、 ではこの感覚はなんだろう、と考えてみました。 気温が上がった、という空気の変化。いまのところそれだけ。 それがどうして嗅覚を刺激するのだろう。 そういえば、冬のはじまりの時にも似たような、 冬のはじまりの匂いだ、というもの

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          はじめまして

          はじめまして、通信制大学の文学部に在籍しているKamoi(かもい)です。 私はSNSが苦手で、アカウントすら開設しておらず、普段、動画もテレビも見ずに過ごしていて、世間の動向にとっても疎いです。 (そのせいで、年末に久しぶりに見た音楽番組のなか、演者が扱う今年のニュースがさっぱり理解できず、家族に解説してもらいました。普段一緒に過ごしているはずの家族が、それらを理解していることにも驚かされました。世事に置いていかれているのは私だけだったのか……!) そこで、なぜSNSを利

          はじめまして