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アメリカの賃金伸び率が下がらない、金利と株価は?

アメリカの5月の賃金上昇率は4.1パーセントとなりました。インフレ率2パーセントが目標ですので、賃金上昇率は生産性改善を含めて3パーセント程度に収まることが望ましいのですが、4パーセント台から下がってきていません。

賃金上昇率が高いと、インフレを持続・再燃させる可能性が強いので米連邦準備理事会(FRB)の政策に影響を与えると考えられます。

FRBとしてはインフレ率が2パーセントに収まることを目指しているので、4パーセントの賃金上昇率ではインフレ再燃が心配され、利下げに踏み切れない可能性が高まります。米政策金利が高止まりすると、ドル円は150円台が維持されやすくなります。また、アメリカの不動産業界などお金を借りている側に負荷がかかります。

ただし、雇用が増え賃金が上昇しているアメリカ経済は、金利が高止まりしているのに減速しておらず、好調が続いているという点も忘れてはならないでしょう。

過去のアメリカのインフレはしばしば設備投資の過熱で起こり、金利引き上げで冷やせたのですが、今回の賃金上昇とインフレが収まるタイミングは景気の上下動と関連が薄れています。ですから、金利が高いと株価が下がりやすいという心理状態にもなりにくいようです。

また、「マグニフィセント・セブン(壮大な7銘柄)」などと呼ばれる巨大IT企業などの主要銘柄は、金利に敏感ではないので、金利と株価指数の関連が薄くなっています。アメリカは、しばらく好景気、インフレ懸念、金利高、ドルと株式の堅調が続きそうです。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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