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世界株価の不調の原因は金利政策の不透明感

2021年末比でNYダウ(ダウ工業株30種平均)は18パーセント、日経平均は10パーセント下落しています(6月17日現在)。

NYダウは2020年末より少しだけ下の水準ですので、今年に入ってから今までの下落で、ほぼ2021年の上昇分がなくなった計算です。

しかし、アメリカ経済は2021年の成長を失ったわけではありません。コロナ禍でのトランプ前政権の大型の財政出動で、2021年からのアメリカの消費はおおきく拡大しました。しかも小売売上高の成長の勢いは衰えるどころか増しています。これまでのところ米国経済が悪くなった兆しは出ていません。

今、株式市場は、2つの心配を抱えています。ひとつは、政策金利の正常化を目的にコロナ前の2018年の2.5パーセントの水準に戻すのは良いとして、それを超える利上げによって、自動車ローンや住宅ローンの伸びが鈍り、消費が傷んでしまうことへの心配です。

確かに現時点では自動車や住宅販売は金利上昇前の駆け込みの反動で下がっています。しかし、今後は、金利が上昇しても給与や働き手の増加で回復するとみています。消費者はお金を借りすぎていませんし、貯蓄も残っています。

もうひとつは、巣ごもり需要が一巡して、インターネット関連企業などの収益がどうなるかわからないという心配です。こちらは、今後7月、10月、来年1月の決算発表シーズンに企業の収益の安定が確認されることで解消するとみています。

心配が解消されるにはしばらく時間がかかると思いますが、アメリカがリーマン・ショック前の健全な経済に戻る一歩となると見ています。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113

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