市場の不安定さの先にある政策
新型コロナウイルスの感染拡大が続き、市場が落ち着きません。今後市場を落ち着かせる要因としては、世界の工場として供給を担う中国での生産の正常化です。次に、日米欧で買い物や外食が正常化し需要が戻ることです。いずれも、まず各地域で感染拡大が落ち着く必要があり、経済的にな予想はできません。市場のブレの大きさは市場からの政策の催促といえそうです。まず感染予防措置として学校の一斉休校などが始まりました。経済面では米国で金融緩和が行われました。米国の雇用は予想より強く、経済はいまのところ順調で、今回の利下げは予防的かつ機動的対応でした。ただし、まだ市場が金利の再引き下げを催促する状況が続きそうです。一方日銀も政策余地が小さいなどといわれますが、世界経済への懸念が強まり105円を割れて円高がさらに進むと政策発動の可能性が高まります。マイナス金利の深堀りは後回しにして、まずはETF買い付けの前倒しが予想されます。保有債券の価格が上昇していますから、ETFの損失を気にして介入しないということはないと考えます。その後、補正予算など財政拡大が予想されます。しかし、まずは感染拡大の勢いが止まることが市場を落ち着かせる条件で、当面政策の効果は経済の底割れを防止することでしょう。市場の落ち着きに時間がかかるとしても、米国の需要を中心に、経済のトレンドは変わっていないと考えています。
〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
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