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FRBが利上げを止めるには?

米連邦準備理事会(FRB)が、インフレが勢いを失ったと判断するカギとなる指標は、賃金上昇率でしょう。現在5パーセントを超えているこの指標が3パーセントより下に向かっていくことをFRBは望んでいるとみます。タイミングは難しいですが、来年1−3月には可能性が高まるとみています。

物価、小売売上高、雇用者数などの指標もすでに少しずつですが横ばいとなりつつあります。賃金上昇率が落ち着いてくれば、FRBは政策金利を上げることを止めるでしょう。その後、物価上昇率が2パーセント程度に落ち着くことが見通せるようになれば、政策金利を下げるかもしれません。

もっとも物価が落ちつく時までに、FRBがどれほど政策金利を上げているのか、現時点ではよくわかりません。市場では4パーセントまで引き上げるとの予想が強まっています。政策金利は2.5パーセント程度が経済に中立と考えられますので、インフレが収まれば、政策金利は2.5パーセント程度まで引き下げられることになるでしょう。

物価や金利が今後長い間上昇し続ける可能性は低いです。世界的なコロナ禍からの正常化で、海運・陸運や生産現場も正常化しています。コロナ対策の一時金も使い尽くされる日が来るでしょう。結果として、物価や賃金の上昇が今のペースで続くとは思えません。もちろんFRBの利上げも物価を抑える効果があります。

今のインフレの状況で平均的な企業は販売価格を上げるので、来年1−3月に金利が落ち着くと思われる頃には、企業の収益への信頼感が増してくるでしょう。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113

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