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根幹治療の感染予防に必須の「ラバーダム防湿法」ってどんな器具を使うの?

歯医者さんに関連する言葉で「ラバーダム防湿法」という言葉、聞いたことありますか?聞いたことがない方が多いかもしれません。このラバーダム防湿法は、とてもすぐれた歯科治療法の一つなんです。

根管まで達した虫歯に対し、歯をできる限り残すために行う治療が「根管治療」です。根管治療にはより精密な治療や、感染予防が重要となります。根の治療(根管治療)における感染予防の際に必ず使用するのが「ラバーダム」です。

あまりなじみがないかもしれない「ラバーダム防湿法」について基礎知識を解説します。

ラバーダム防湿法とは?

ラバーダム防湿法とは、治療する歯以外を、ゴム製のシートでマスクのように覆い「かぶせることで、口の中の細菌や、唾液に含まれる細菌が治療する歯の部位に流れ込むのを防ぐことで、感染しにくくするための方法です。

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特に、炎症してしまい、細菌に侵食されてしまった歯髄という歯の神経を抜いて、きれいに清掃し、後に消毒をして再感染を防ぐ「根管治療」において、大いに有効といわれています。

日本ではまだ一部の歯科医院でしか行われていませんが、欧米では導入率が非常に高くなっています。自費診療がメインであることも影響しているかもしれませんね。

ラバーダム防湿で使う器具

このラバーダム防湿では、どのような器具が使用されるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

■ラバーダム
ゴム製のシートです。薄い膜のようなもので、穴を開けて使用します。患者さんの口を覆います。

■クランプ
治療する歯の周りを囲むようにして、ラバーダムを固定するための金具です。バネ上になっていて、金属の金具を歯に挟むようにして使用します。形は一つではなく、治療する歯によって選び分けられます。

■フレーム
ラバーダムの膜をピンと張り巡らせるための金属や樹脂の枠です。

ラバーダム防湿は自由診療が多い

根幹治療には感染予防が重要のためラバーダムは必ず使われるべきと考えますが、保険診療では使用されず、多くが自由診療で行われています。当院もラバーダムを使用した根幹治療の短期集中治療は自由診療となっています。

ラバーダムを使用しないということは、細菌に汚染された環境で手術を行うのと同じことを意味します。これでは、手術は成功しても、再発リスクが非常に高いです。根の治療は、もともと細菌がいなかった場所にアプローチするという点で、外科手術と非常に似ています。ですので、根の治療のためには、必ず手術室の環境を作った上で、治療に臨みます。

何度も再発した歯に関しましては、再発を繰り返すごとに、残念ながら治癒率は低下してしまいます。イニシャルトリートメント(最初に神経を治療する時)の確実性がその後の再発リスクに関わってきます。
確実に治療したい、生涯コストを考えるのであれば、ラバーダム防湿による根幹治療を検討していただきたいです。

しかし、自費診療となることが多いため注意が必要です。費用は歯科医院によって大きく異なるため、必ず事前に確認してから治療を受けるのをおすすめします。


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