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学会・研究大会のこれから
(2024/06/24記)
この週末参加した日本比較政治学会で、ちょっと驚くような発表がありました。
来年以降、研究大会を対面とリモートの交互開催にするというのです。
最初は「えー」と思いました。しかしよくよく考えると、中小規模の学会の今後を占う上で、これは大英断となるかも知れません。
コンベンション方式でない大会は主催・開催校に大きな負担をかけます。数百人単位の会員の受け入れ、会
『国際経済と冷戦の変容』の読みかた
(2024/05/28記)
いまどき「カーター・ドクトリン」と言われて「あぁ、アレね!」と膝を打つ人はいないでしょう(苦笑)。
カーター・ドクトリンとは、1980年1月23日、当時の米国大統領ジミー・カーターが一般教書演説のなかで宣言した外交政策のことで、「ペルシャ湾における米国の死活的利益(national interests)を守るため、同地域を掌握しようとする外部勢力の試みは、必要と
15年かかりました。
(2024/04/16記)
来月、再来月と叢書の新刊が続く。15年かかったが、ついに10冊を迎えることになる。
学生時代から恋い焦がれ、目指し続けた中央公論社の「叢書国際環境」に冊数で並ぶ。
水本義彦、多湖淳、待鳥聡史、春名展生、白鳥潤一郎、若月秀和、高橋和宏、東島雅昌…。よくぞこれほどの書き手が筆を寄せてくれたものだと思う。
いまだにどれを読んでも面白い。編集者冥利に尽きる。
アメリカよ、君はいずこへ…
(2024/04/10記)
2024年は、近年まれに見る世界的選挙イヤーです。
1月の台湾を皮切りにインドネシア(2月)、ロシア(3月)、メキシコ(6月)が総統・大統領選を迎え、韓国(4月)、インド(5月)、EU(6月)では国や地域の舵取りに影響を与えるであろう国政選挙が行われます(日本でも秋口に総選挙の可能性があります)。
なかでも国際社会の趨勢を大きく左右する可能性が高いのが、11
五百旗頭真先生の訃報
(2024/03/07記)
Tさんからメールが届いたのは、そろそろ床に就こうかという〇時四四分だった。しかし件名が「訃報」となっていたため全身に緊張が走り、瞬時に覚醒した。
Tさんと私の共通の知人に不幸があったとしても、こんな時間にわざわざ連絡をしてくるほど重要な人物は限られるからだ。
悪い予感は当たる。それは五百旗頭真先生の逝去を伝える第一報だった。
まさか、と思った。最後にお目