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いくつかの点鬼簿

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幽明の世界を隔てた懐かしい顔、お世話になったかた、そんな人々への哀惜をつづります。
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記事一覧

まぼろしの海

(2024/12/31記)  暮れも押し迫った12月28日、所用で香川県を訪れた。  小豆島の土庄へ渡…

五百旗頭真先生の訃報

(2024/03/07記)  Tさんからメールが届いたのは、そろそろ床に就こうかという〇時四四分だ…

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著者を仲立ちにした連帯感

(2023/03/08記)  ある著者から、これまで自分が発表してきた論考をまとめ、一冊の本にした…

文明史家・野田宣雄が見通した未来

(20220210記)  優れた歴史家の文章を読んでいると、ときおり不思議な既視感にとらわれるこ…

戦争よりも本がいい

(20200216記)  昨年(二〇一九年)八月三十日、ドイツ文学者・エッセイストとして多くの読…

大山の麓にて

(2012/08/19記)  初めてお誘いいただいてからほぼ十年。ようやく鳥取県伯耆町を訪れた。…

岡本呻也という人

(2016/05/18記)  一九九七年末のことだったと記憶する。文藝春秋の田中裕士さんに「メディアの若手が集まる会を作るから来ないか」と誘っていただいた。ありがとうございます、と返事をしながら、僕はそこに参加しようとしなかった。  当時、僕は文藝春秋の特派記者として働いていたが、契約はまもなく切れようとしていた。猪瀬直樹さんの事務所を辞めてからというもの、文春に拾ってもらうまで、フリーライターの看板を掲げながら、じつは警備員のアルバイトで食いつなぐ日々だった。契約が切れ

井田真木子さんのこと

(2005/01/22記)  月刊文藝春秋の特派記者だった吉田茂人さんの独立記念パーティで、会場を…