マガジンのカバー画像

愛書家の楽園にて

14
丸善ジュンク堂書店(池袋、名古屋、京都、福岡)と有志の出版関係者が協力して選書する企画棚「愛書家の楽園」。2017年に参加して以来、お手伝いしてきた企画に寄稿した文章を掲載します。
運営しているクリエイター

記事一覧

アメリカよ、君はいずこへ…

(2024/04/10記)  2024年は、近年まれに見る世界的選挙イヤーです。  1月の台湾を皮切り…

さまよう権威主義、うつろう民主主義

(2023/12/06記)  第二次世界大戦が終わった一九四五年から、おおよそ一九八〇年代末までの…

7

日本の近代を可視化する旅

(2023/06/10記)  ユーラシア大陸の西と東、という違いはありますが、ロシアによるウクライ…

文明史家・野田宣雄が見通した未来

(20220210記)  優れた歴史家の文章を読んでいると、ときおり不思議な既視感にとらわれるこ…

日本国憲法 施行75年目の現在地

(2022/04/17記)  みなさんは「不磨の大典」という言葉をご存じでしょうか。  これは一八…

ホモ・サピエンス・プリントス

(2020/10/17記)  東京都文京区に、ちょっとユニークな博物館がオープンしたのは二〇〇〇年…

ダークツーリズムへの誘い

(2020/08/11記)  非常事態宣言こそ解除されましたが、息苦しい毎日が続きます。  想像以上に過酷だったコロナ禍とステイホーム。旅行や出張どころか、日々の通勤通学、買い物といった気軽な外出さえままならない。正直、こんな事態を経験する日が来るとは、夢想だにしていませんでした。  逼塞を余儀なくされた読書人の間では、カミユの『ペスト』(新潮文庫:八二五円)がずいぶん読まれました。石弘之さんの『感染症の世界史』(角川ソフィア文庫:一一八八円)や速水融さんの『日本を襲っ

戦争よりも本がいい

(20200216記)  昨年(二〇一九年)八月三十日、ドイツ文学者・エッセイストとして多くの読…

ローマ教皇がやってくる!

(2020/01/20記)  今回のフェアの開催期間中である一一月二三日から二六日まで、ローマ教皇…

舟を読む

(2019/05/23記)  三浦しをんさんの『舟を編む』(光文社文庫・六七〇円)はお読みになりま…

あえて旅行の荷物をふやす

(20190311記)  旅の荷物は少ないに限る。  アルバイトとバックパッキングに明け暮れた学…

手紙を書きましょう

(20180512記)  慶應文学部の名物教授だった池田弥三郎さんは、『手紙のたのしみ』(文春文…

戦争と外交と日本人の気分

(2018/01/11記)  なんだかスゴい勢いで世の中が動いてますね。  誰がどう動かしてるのか…

歴史化する「現代」をめぐって

(2017/06/12記)  うっかりすると「冷戦の頃って、なんだかんだ言いつつ世界は安定していたなぁ」などと呟きたくなる、世界情勢の不安定ぶりです。  前身のEC以来、一九五〇年代から一貫して「ひとつのヨーロッパ」を目指していたはずのEUは、各国で民族主義の高揚と対峙を迫られ、イギリスの離脱決定に激しく動揺しています。  アメリカでは誰もが予想だにしなかったトランプ氏が大統領に当選。国内のイデオロギー的分裂を広げています。ISによるテロは止まず、中東ではシリアを挟んで