【治療家が知られたくない事実】プラセボ効果とはいったい？
プラセボ効果＝『偽薬効果』
つまり、何の効果も見込めない薬＝偽薬を飲んでも、当人が痛みを改善してくれる薬だと認識していれば、本当に痛みが改善する効果のことを指します。
（痛みだけではなく気分やパフォーマンスにも影響を与える）
この記事では、プラセボ効果のメカニズムを理解してもらい、またプラセボ効果への理解がいかにしてあなたのヘルスケアに役立つのかを検討していきたいと思います。
プラセボ効果の正体｜痛みと脳
私たちが痛みを感じた時は、大抵その該当部位に何か不具合が、例えば炎症や血流不足や筋緊張などが引き起こされていると考えますよね⁉
この解釈は半分は間違っています。
というのも、私たちが感じる痛みの感覚は、ちょうどテレビの音量が大き過ぎればリモコンでボリュームを下げるように、脳によって痛みの強弱の評価がコントロールされているんですね。
（＝痛みの下降性抑制系）
プラセボ効果はこれを利用します。
これは脳内の扁桃体や前帯状皮質、前頭前皮質などに、エンドルフィンやエンケファリンが分泌され、延髄内にある痛みのON/OFF細胞に影響を与えることで機能します。
プラセボ効果の引き金①｜注意・集中
ではプラセボ効果を引き起こす引き金や要因は何なのでしょうか？
一つ目は［注意・集中］のレベルです。
例えば上司のつまらない話しや退屈な講演を聞いている時は、肩こったな～とか、疲れたな～って感じますよね。
一方で楽しい女子会やパーティをしていると、あるいは仕事やテレビゲームに熱中していると、そういった痛みや不快感は感じません。
つまり外部の情報や対象に注意が向いていると、痛みの評価は下がり、反対に自分の内側に向いていると痛みの評価は上がるんですね。
プラセボ効果の引き金②｜不安感・不快感
プラセボ効果に深く関わる2つ目の要因がこちら。
［不安感・不快感］などのネガティブな気分や感情です。
私たちはネガティブな気分の時には痛みの評価が上がるので、より強く痛みを感じることになります。
反対に、安心したりリラックスすると痛みの評価は下がり、痛みの感覚は軽減します。
これは精神安定剤を飲むと慢性疼痛が軽減するという報告があったり、気分障害を患っている患者は、そうでない人に比べて慢性疼痛を訴える傾向が強いことから示されています。
多くの人が治療院で施術を受ければ（内容がどうであれ）、安心感やリラックス感は得られるはず。
痛みが軽減したと感じるのは、治療の効果？それともプラセボ効果？
プラセボ効果を理解して得られた２つの教訓
ではプラセボ効果について理解することでどういった教訓を得られたでしょうか？
一つ目は、今抱える慢性的な痛みの根本解決に向けて正しい戦略を練ることができるようになります。
なぜなら、プラセボ効果というその場しのぎの魔法を考慮しながら治療効果を分析できるようになるからです。
二つ目は、美容・健康の情報を取捨選択する能力です。
現代の情報カオス社会において、この能力は必要不可欠とも言えます。
『私は○○の方法で改善できました！』
こういった情報を目にした時に、それってプラセボ効果じゃない？と疑うことで、深い洞察力が発揮され、根拠を要求する道が開けるでしょう！
まとめ&ラストメッセージ
いかがでしたでしょう？
（もし質問や相談などがあれば気軽にコメ欄に打ち込んで下さい😙）
プラセボ効果がもたらす魔法の効力は、想像以上に絶大です。
怪しげな気功や非科学的な療法で痛みが軽減する理由や、よそよそしい新人整体師より堂々としたベテラン整体師の方が治療効果が高い理由の一部を、このプラセボ効果で説明することは可能です。
（病は気からの科学的な説明とも言える！）
というより、全ての施術的な介入やサプリメントの主観的な効果の実感に、プラセボ効果は必ず影響をもたらしているでしょう。
（もちろん私の施術も！）
それが故に、専門機関や大学が行う実験や権威ある科学誌に載るような研究では、プラセボ効果の影響を極力無くすようなプロトコルで結果を観察するのがスタンダードです。（DBT=ダブルブラインドテスト）
したがって今回の話しで私が最も皆さんに喚起したいことは、次の一言に尽きます。
『一人一人が科学者のように考えて行動しよう！』
では皆さんの健闘を祈っております！
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