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支払いまで美しく。上質なお客さま体験を生み出すテクノロジー 「Payレス」システム

近年、大々的なキャッシュバックキャンペーンで話題となったキャッシュレスサービス。PayPay、LINE Pay、楽天Payなどなど、様々なサービスが乱立しています(ところで……普段からキャッシュレス派ですか? 私はいまだにQRコード決済タイプを使えていません)。

そんな個人の感想はさておき、今回ご紹介するのは「Payレス」という日本初のお会計システム。キャッシュレスでもなく、Payがレスしてしまうとはどういうこと? そんな疑問を解消するため、「Payレス」システムを導入する美容室『PiNCH南青山店』の代表、ヨシダアキヒロさんに「Payレス」のユーザーメリットや、実際の支払い方法についてお話を伺いました。

退店までお財布も携帯も出さない「Payレス」システム

「PiNCH南青山店」で行われる「Payレス」は、事前に支払い方法を登録して来店すると、メニューを選んだ時点でお支払いが自動で完了するというシステム。施術後の「お会計タイム」がレスされるということのようです。実際に、登録までのステップを試してみました!

使い方

①LINEで美容室「PiNCH」公式アカウントを友だち追加

友だち追加すると、早速「Payレスのはじめかた」が送られてきます。メニュー真ん中の「カード管理」から、お客さま情報を登録するようです。

②「カード管理」画面に移ったら、下部の「利用を始める」を押します。   

③メールアドレス・お名前・支払い元のカード番号を入力し、登録ボタンを押せば完了!

④下部メニューの「使い方」を押すと、登録後の利用方法が示されます。予約が済めば、来店。施術前のカウンセリングでメニューと金額を確認したら、お支払いはその時点で完了。施術後はすぐに退店できます。

「Payレス」最大のユーザーメリットは「自分が美しくなることだけを考え、最高の気分のまま美容室を出られること」。お客さまが現実に引き戻される瞬間をなるべく減らし、ずっと最高の気分でいてほしい。そんな願いを長年抱いていた「PiNCH」代表のヨシダさんと、その願いを実現するテクノロジーを持つ株式会社FIXER取締役、中尾公一さんの出会いがきっかけで生まれた「Payレス」システム。

ここからは、お二人が中心となってシステムを生み出すまでの経緯や詳しいユーザーメリット、さらに美容業界にとって「Payレス」の何が画期的なのかもお話しいただきました。

「Payレス」はかつてないお客さま体験を実現できる一手段

――まず「Payレス」の実現に向けて動き出すきっかけについて教えてください。

ヨシダアキヒロさん(以下ヨシダさん):美容師として、お客さまには「来店から退店まで特別な時間を味わってほしい」という思いを長年持っていました。施術の合間のちょっとした待ち時間や、お会計までの待ち時間、お会計にかかる時間。素晴らしい美容室で憧れの美容師さんに施術してもらっても、そのうれしさが待つたびに損なわれるような感覚が高校生の頃からあったんです。

特に、大手美容室だと担当者が1対1で対応できないことで待ち時間が増え、美容室を出る時間が読めずに次の予定に遅れたり、せっかくキレイになれたのにその直後には予定を入れられないというお客さまの声も耳にしていました。それは、お客さまだけでなく美容室にとってもマイナス。ネガティブ要因をできるだけ省ければ、美容室で過ごす時間が、さらに上質なお客さま体験になるのではないかと感じていました。

テクノロジーの活用で、理想を現実にするチャレンジが始まる

――「Payレス」システムの開発はどんな形で進められましたか?

ヨシダさん:私が代表を務める美容室「PiNCH赤坂店」でのお客さまとの出会いがきっかけで始まりました。そのお客さまが、今回システムを一緒につくってくれた株式会社FIXERの中尾さん(写真右)です。

定期的に通ってくださる中尾さんに「美容室での時間はいつも非日常であってほしい!」と私が思いを熱く語ってしまい(笑)。いつしか深い話をするようになりました。

オープンから2年半が経った頃、中尾さんが「ヨシダさんが常に挑戦を続けている姿を見てきました。ヨシダさんが求める『最高のお客さま体験』は、自社の技術を使えば実現できるかもしれない」と話してくれたんです。FIXERという会社は「Technology to FIX your challenges-あなたのチャレンジをテクノロジーで成就させる」という理念を持っているそうで、そこからFIXERの社員の方々とも話し合い、「支払い」という行為自体をテクノロジーの力で消したのが『Payレス』という技術です。あくまでお客さま体験を向上するための一手段なので、「Payレス」の次の一手も考えています。

テクノロジーの活用は、美容業界のサービスを確実に高められる

――テクノロジーを活用することで、どのような変化が期待できますか?

ヨシダさん:お客さまは「自分のことを考え、今までで一番美しくなること」だけに、美容師は「お客さまに集中し、最高のお客さま体験を感じてもらうこと」だけにフォーカスできる環境が生まれると思います。

美容師はお客さまに向き合って「つくること」、その表現を「見せること」に関して長けていますが、時代を先取りし、美容室の運営体制にまで変革を加えることは少なかったと思います。予約サイトでスケジュール管理が楽になったくらいの進歩で、他業界の方とお話しすると、美容業界がいかにIT技術を活かしきれていないか痛感します。

「Payレス」はお客さまの満足度を高めるためのシステムですが、運営側にもメリットがあります。細かなことですが、美容師が受付スタッフに施術メニューを伝える手間もなくなり、会計時間も不要。売上データやお客さま情報の管理も楽ですし、レジ締めもいらない。働く時間のすべてをお客さまのために割けるんです。

――「Payレス」システムのように、IT技術の活用でよりよい世界を目指すことを「デジタルトランスフォーメーション(DX)」というそうですが、DXを進めることで、どんな未来を実現したいですか?

ヨシダさん:細かな手続きで幸せな気持ちが醒めることなく、お客さまが明るい気持ちで過ごせる未来をつくりたいです。テクノロジーの活かせる場面はまだまだたくさんあります。たとえば、「Payレス」的な仕組みが飲食店で使われてもいいと思うんです。「あぁ楽しかった。美味しかったね」の後にくる会計の時間って微妙ですよね。割り勘でも細かなお金がなくてまごついたり、役職で傾斜つけて払ってもらったりすると「あ、なんかごちそうさまです」みたいになる(苦笑)。単純に楽しかった時間から、そういう微妙な時間を省ける仕組みだと思います。

これまでも「PiNCH」は24時間365日完全予約制で営業するなど、お客さまの満足度を高めるための挑戦を続けてきました。これからも、テクノロジーの力を使った新たなビジネスモデルを多くの美容師さんや経営者に広め、美容業界もお客さまも幸せにするための挑戦を続けていきたいですね。


PiNCH南青山店(東京都港区)

代表:ヨシダアキヒロ

創業:2016年

店舗数:直営2店舗

スタッフ数:4名

所在地:東京都港区南青山6−4−9 サンミヤザキ1F

電話:03-3409-1168

H P:

PiNCH南青山 https://pinchaoyama.tokyo/

PiNCH赤坂 https://www.pinch.tokyo/


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