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新作『東アジアのさようならにまつわる妙な人々』①

ひっそりと、今年やる新作の情報が公開されている。

いつものように新作について書いていこうと思う。けれどもいつものようにすぐに書かなくなると思うので、月一くらいの頻度でやる。。
本当は前の作品(イミグレ怪談)についての所感も書いたほうがいいのだろうけど、なんだか書けない。『イミグレ怪談』は9月頭に久留米で公演をするし、来年以降の上演機会も探っているところだから、たぶんそのうち、(まとめ以外の)何かを書くかもしれない。。。

新作は試演であること

タイトルは日本語で、『東アジアのさようならにまつわる妙な人々』という。今回は(試演)となっている。
というのも、来月7月の中頃のブラジル・サンパウロ公演に、『バルパライソの長い坂をくだる話』に出てもらったエドゥアルドが、
9月中旬の那覇公演に、『イミグレ怪談』に出てもらった上門さんが、
9月末と10月1日の長崎公演に、『カオカオクラブ・オンライン(.mp4)』に出てもらった森岡さんが、
出演することになるのだが、同タイトルであるものの内容は変わる予定で、来年以降どこかで3人が集い、おそらくさらに人数は増え、都市も増え、ひとつのまとまった作品として発表したいと考えているからだ。今回はその前哨戦と呼べることもあり、試演とした。
企画のくわしい概要は、コンセプトページに書いてあるのでそちらをぜひ読んでいただけるとうれしいです。

どんな作品になるか?

ぼくの好きな作家で、ロベルト・ボラーニョというチリで生まれた作家がいるのだが、といってもボラーニョなら全部読んでいる! みたいなことはなく、何作か読んだだけなのだが……と思って、改めて調べてみると最後まで読んだ作品はなんと一作もなくて驚愕した。。好きなどと言ってはいけない。。
ということで、ぼくが最近になってようやく初めて、最後まで読んだことになったボラーニョの本が、『アメリカ大陸のナチ文学』というもので、
ようするに新作(のタイトル)はこの本の影響を受けている。

どういう本かというとリンク先の説明文を読んでもらえれば早いが、
「19世紀から21世紀まで、アメリカ大陸に生まれ育ち、どこかずれた右翼的作家・詩人たちの人生と作品を集めた架空の〈作家列伝〉。本書に登場する30人は、それぞれ生没年を付され、文学事典さながら長短さまざまに紹介される。」という感じで、この本を買ったのはたぶんもう7年くらい前なんじゃないかと思うが、当時はその辞典感にすぐ眠たくなり全然読めなかったのが、なぜだか今のタイミングで一気に読んだのだった。
きっと新作の内容もこの本に影響を受けたものになるにちがいない。いま考えているのは、3箇所で3人のダンサーor俳優が、ひとりあたり3役くらいを演じることになるんじゃないかなということ。合計9役の架空の人物が、話したり動いたりする。そんなイメージで、内容をのんびり考えている。
日は迫っているのにそんなふうにしているのは、特にサンパウロ公演は、これからサンパウロに向かい、エドゥアルドとああだこうだ言いながら作る予定だからだ。サンパウロ公演ではセリフはない予定で、そのかわりなんらかのかたちで文字を記すことになるだろう。字幕か前説かあるいは配布する文章かなにかで。
今後はサンパウロまでの旅のことや、現地での体験などについて、できれば、書いていこうと思う。

次回に続く

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