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紹介したいnote記事「時の影」

長野充宏さんの「時の影」という記事を紹介します。

今はすぐに 古くなり
それでも人は 振り返り

振り返りながらも 前に進む
まだ何も 見えないのに

未来に 期待はしている
いつ終わるかわからない
未来にも関わらず

みんな 長生きできたら
誰も 死ぬ人がいなかったら
いいのにね

すべてのものは 消えていく
人間も 花たちも この星も
いつか消える運命なんだ

そう僕らは居なくなるんだ
いつかいなくなるんだ

そして
ただ風だけが吹いて
青空だけが続いた空の下に

生き物たちの足跡を残して

時の影|長野充宏 (note.com)

 表題は「時の影」です。時間に影があるのでしょうか? 長野さんは「時が流れた事で影が生じたように見えた」のかも知れません。

 「時の流れ」には形はありませんが、もし形があるのなら、そこに確かにあったという形跡を遺すだろうと。それを影と表現したのでしょう。

「今はすぐに 古くなり、それでも人は 振り返り、振り返りながらも 前に進む。まだ何も 見えないのに」

 私もすぐに過去を振り返ってしまいます。昨日の事を「ああ、あんな事を言わなければ良かった」と何度後悔した事でしょう。

「未来に 期待はしている。いつ終わるかわからない未来にも関わらず」

 「いつ終わるかわからない未来」と言う表現が良いですね。未来の事をそんな風に考えた事はありませんでした。

「みんな 長生きできたら、誰も 死ぬ人がいなかったらいいのにね」

 自分と何ら関わりのない人でも、誰かが亡くなったニュースを聞くと胸が痛くなります。その人の無念や、残された遺族の悲しみが想像出来るからでしょうね。

「すべてのものは 消えていく。人間も 花たちも この星も、いつか消える運命なんだ。そう僕らは居なくなるんだ。いつかいなくなるんだ」

 誰か大切な人を亡くされたのかも知れません。「形あるものが無くなるのは当然の事なのだから気にするな」と、自分に言い聞かせているように思えます。

「そして、ただ風だけが吹いて、青空だけが続いた空の下に、生き物たちの足跡を残して」

 最後の文章は、生き物が全ていなくなった地球を想像しているのでしょうか。このまま異常気象が続き、地殻変動などで壊滅的な状態になれば、起こり得る地球の未来なのかも知れません。

 だからこそ、今を懸命に生きようとする作者の生のエネルギーを感じます。

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