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紹介したいnote記事「わたしの旅」
冬月剣太郎 猫詩人🐈さんの「わたしの旅」という記事を紹介します。
わたしは
昨日より今日
わたしらしくなれているだろうか
わたしは
わたしになりたい
わたしは
わたしなのに
よくわたしを裏切る
ときにわたしは
わたしを殺そうとする
わたしは
わたしが恐い
それでも
わたしは
わたしを信じて
わたしをめざして旅をする
詩の中で「わたし」が14回登場します。
「わたしは昨日より今日、わたしらしくなれているだろうか」
詠み手は自分自身を客観的に見ています。自分の「理想の姿」があって、そこに到達するまで日々努力を続けてきたのだろうと推測出来ます。向上心があり、真面目で努力家なのでしょう。
「わたしはわたしになりたい」
詠み手にとっての「理想のわたし」はどんな人間なのでしょうか? 他人から「あなたは素晴らしい」と認めてもらえる人間でしょうか? それとも、自分が自分を認める事が出来る地点に到達する事を望むのでしょうか?
「わたしはわたしなのに、よくわたしを裏切る」
裏切られるのは信じるからです。「お前ならきっと、成りたい自分に成れる」と信じるからこそ、期待に応えない自分に対して苛立っています。
「ときにわたしは、わたしを殺そうとする」
殺そうとするという言葉には、強い否定の意味が込められています。それほどまでに強い苛立ちがあります。
「わたしは、わたしが恐い」
自分ではない自分が発動したかのように思い、恐怖を感じたのでしょう。
「それでもわたしは、わたしを信じて、わたしをめざして旅をする」
他人に何と言われようとも、自分だけは己を信じるという強い決意を感じます。何度も己を不信しそうになる自分自身を鼓舞する詩であり、そんな自分を応援したい詠み手の心情が伝わってきます。
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