新たな芝を経験することにした - 現職への感謝を添えて🌸 -
タイトルからは分かりづらいが、
この記事は、私が初めて転職活動したのでその時の思いを残しておこうと思って書く長編ポエムだ。
ちなみに見出し画像は、ブリュッセルのサンカントネール公園で撮った芝生。綺麗だった。
現職はどうだったか
もともと働いていた会社は日本だけで2万人いる大きな外資IT企業で、
安定という意味ではピカイチだった。
最近やっと慣れてきたエンジニアと言う職種に、
ITコンサルタント(世間での用語だと多分SE)から変更して挑戦できたのも、職種は違えど同じ会社だからこそだっただろう。
大企業ということもあって社内には本当にいろんなプロジェクトがあったので、やりたいと言えば基本できない事はあまりなかった。
逆にやりたいと言わなければ一生降ってはこないし昇進もしないが、
主張をし理由がもっともだと認められれば、それかなりの確率で希望が通るのは本当にすごい企業だと思っていたし、
そういう合理的なところが気に入っていた。(そうではないところもある。)
長時間労働が起こりがちな環境ではあったが、
仕事が好きで扶養家族もいない私には、そこは問題ではなかった。
職種を変えてからは私が今まで出会った中で最もマッチする上司や良き先輩に恵まれていた。
なぜ転職しようと思ったか
それでも転職したいと思ったのは、こう感じたからだ。
ここから先、2つ目を中心に書こうと思う。
ここでいうピラミッド構造は、厳密な定義は違うかもしれないが、
元請け、一次請け、二次請け、三次請けという構造を指して話している。
現職は元請けにあたり、開発は自社で行わずに外注することが多かった。
部署の中には、その構造に同じく課題を感じて、独自に動いているところもあった。
実際私がいた部署もそういう珍しい部署であり、その点でもとても恵まれていたと思う。
ただ、やはりプロジェクトメンバー全員がそういう思考なわけではないし、やりたくてもできない実態というのもあった。
(特にマネジメント陣がここを理解できてないともう致命的だと思っている)
この環境で働く中で、私にとって重要なことはいつしか
今自分がやっていることが楽しいかどうかより、
自分がやったことが、世の中にどれだけ貢献できているか(良いプロダクトを世の中にリリースできているか)
になっていた。
面接で、とある企業の社長さんと話していて気づいたことだが
例えばこういう状態でも、自分がやりたいことができているのだから、満足しているという人もいるだろう。
ふむふむ確かに。
新しい物好きな人にとっては離れ難いかもしれない。
私も新しいものをどんどん使ってみたいし、
今回転職先を選ぶにあたって、それが可能な環境かどうかも軸の1つになっている。
でも、私にとって何より重要なことは
最終的にやったことがユーザーのためになっているか
だった。
とある人との出会い
これは、現職でのとあるプロジェクトで出会った人に強く影響されている。
そのプロジェクトで私は初めてエンジニアっぽい仕事をした。
ちなみにその時の記念すべきコード(Swift)の詳細は忘れたが、一部なんとなく覚えている。
var myArticle: [String] = [String]()
func getArticle() {
// 何かしらで取得する
for i in article {
myArticle.append(i)
}
}
まあこんな感じだった気がする。
これを見た上司に言われたのは、
「クラスはどこいった。。!?」
だった。
それを聞いた私は、
「?????(いやクラスってなに。。。!?)」
勘違いされた方もいるかもしれないが、これはサンプルで書いたコードではない。
紛れもなくプロダクトコードであり、インデントも含め私が初めて書いたコードの1ファイルの全容だ。
クラス内にある一部の処理でもなく、本当に1ファイルの全容だ。
上司やメンバーにはさぞ警戒されていたことだろう。
今考えても、そんな状態でよく私をエンジニアのロールとしてプロジェクトに入れてくださったな、と感謝の気持ちでいっぱいだ。
当時「まだあなたはEngineer Candidateだ」と言われたのは、
当時も納得だったが、今でも納得だ。
今はCandidateの状態は抜け出せたのではと思っている。
話を戻すと、
そこで私は何度も言われた・聞いたセリフがあった。
もちろん、コードレベルの指摘もたくさんしてくださったのだが、
とにかく、ユーザーへの影響を意識した発言が非常に多かった。
私にはそれが印象的だった。
エンジニアの前にやっていた仕事は、コードを書くことではなかったが、
コードという詳細は全く見ない代わりに、
その要件がどのようにユーザーに影響を与えるのかを考える機会はたくさんあった。
お客さんと直接話すロールだったので、
自然とお客さんが気になることを自分も意識していた結果だった。
にもかかわらず、私が例の質問を上司にされたとき思ったことは
「えっ。だってそれ仕様書に書いてない・・・」
これは私が見落としをしていたというわけではなく、
どんなに目をかっぽじって見ても本当に仕様書に書いていなかった。
当時コードを書く人というのは、
仕様書に書いてあることを忠実に実装できる人
という認識だった。
逆にいうと、仕様書に書いてないことは実装しない、という認識だった。
だって仕様書に書いていないんだから、と。
ただその上司の認識は、当時の私のそれとは完全に違った。
仕様書に書いてあるかどうか、はおいといて、
これはユーザーに良い体験をもたらすか
それが上司が常に気にかけていたことだったと思う。
(本人に聞いたわけではないので、あくまで私の推測ではあるのだが)
その時の経験はとても今に活きていて、
あれ以降どんなロールでプロジェクトに入っていても、私の中で変わらない大きな基準になったことは間違いない。
もちろん現在でもまだまだこの意識が足りないなと実感することは多く、まだ完全にできているとは口が裂けても言えない。
これ以外にもメンバーとのコミュニケーションやプロジェクトの回し方など、参考になることが本当に多くここでは書き切れない。
この上司と仕事をしたのはたった4ヶ月ではあったが、
間違いなく私の仕事の価値観に大きな影響を与えた期間だった。
ちなみに補足しておくと、どんなにコードが汚くても動いていればいいと思っているわけではない。
その出会いと今回の転職の関係
と過去の思い出を振り返るのはこれくらいにして、
なぜこれが転職と繋がっているのかという話に戻る。
結論をいうと、
少なくとも現職のピラミッド構造でプロダクト開発を回していては、
ユーザーに良い体験をもたらすことが難しい
と思ったからだ。
私はロールこそ違えど、少なくとも3年はこのピラミッドでプロジェクトに関わってきた。
そんな中で、プロジェクトを進めていると、
プロダクトのクオリティとスピードが圧倒的に不足していると感じるようになった。
まあピラミッド構造ということから考えても、当然の結果ではあったかもしれない。
しかも深くなればなるほど、ステークホルダーは増えていくので、
は増えていく。
現職ではそこまで深いピラミッド構造ではなかったが、
2階層程度であっても、上記のようなことは十分発生していた。
それ以上となると、もう想像にかたくない。
そんなわけで、私はこの構造からいい加減抜けたいと思うようになった。
かつ、そのようなこの構造を良しとしているこの会社から抜けたいと思うようになった。
前者の理由だけであればおそらく辞める必要はなかっただろう。
でも個人的には、後者がある限りやはりそのような考えに慣れきっている人と仕事をすることは避けられないと思っている。
明確によしとしているわけではないが、現状そうであるのだから仕方ない・・・改善されるのに何年かかるかもわからないし。
ただピラミッドであってもうまくやる方法もあるのかもしれない。
今回は私の観測範囲内での話でしかないのだが、そういう例があればぜひ体験してみたい!
転職先について
では話を変えまして、
次に私がいくことになる企業について、書く。
転職はエージェントを介して行っていたが
そんな中ノーコードプラットフォームを開発している企業を紹介いただいた。
ノーコードと言う言葉自体は知っていた。
でも初めてそれを聞いたとき、エンジニアの敵じゃないかと思った。
ノーコードで開発ができるようになってしまえば、
元の会社でやっていたようなアプリケーション開発のプロジェクトが少なくなってしまい、エンジニアの仕事が減ってしまうのではないかと単純に思ったんだ。
でも、転職活動をしていく中でノーコードプラットフォームを開発しているエンジニアもいるんだ、と気づいた。
当たり前のことなんだけどそれに全然気づいてなくて、
自分がまさかこのプラットフォームを作る側に回れるとは夢にも思っていなかった。
しかもよくよく考えてみるとノーコードプラットフォームを作ることは、
私の転職したい理由に合致するんじゃないかと思った。
私もまだ経験が浅いので、まだまだいろんな方からご意見いただきたいが、
プロダクトは、開発したいと言う思いやアイディアがある方が作るのが一番やりたいことを実現できるのではないかと思っている。
ただ日本企業の中での問題の一つは、「思いはあるが技術がない」ではないかと思った。
もちろんそれ以外にもアプリ自体のコンセプトや、
それを実際にどうやって認知させ興味を持たせて使ってもらうところまでいくか、というような技術以外の課題もあるだろう。
事実、私はその類を考えるのが苦手で、個人開発がなかなか進まない理由でもある。
ただIT企業でエンジニアよりの仕事に関わってきている立場から見ると、
やはり技術と言うのは非技術者からすると一つの壁なのではないかと思うようになった。
であればそれをお手伝いする側にいればいいじゃないか、というのが
ノーコードプラットフォームに興味を持った理由だ。
ゲージのリセットに過ぎない?
ここでちょっとネガティブなことを考える。
こんな感じのツイートが盛り上がっているのを、とあるコミュニティーで見た。
それは確かにその通りなのかもしれないと思った。
例えば素人の私が思う単純な比較で言えば、
もともとの会社は受託開発の会社であり、転職先の会社は自社開発をしている会社だ。
今は受託開発という環境に慣れてしまい、それに対する不満が募っている状況なので自社開発がとても羨ましく見えたりする。
でもこれは単純に”隣の芝は青い"現象だと思われる。
それでも転職しようと思ったのは、
たとえ隣の隣の芝は青い現象だとしても、隣の芝を経験してみないことにはいつまでたっても隣の芝は青く見えたまま
だと思ったからだ。
本当に青い芝だったのか、実は青く見せているだけだったのか、
そういうところは実際に経験してみないとわからない。
人間不信な性格かもしれないが、実際にどうだったのかを人から聞いたり、ネットで調べたりすることも大事だが、
やはり自分がその環境に入ってしまうのが一番と分かりやすいと思っている。
個人的にエンジニアと言う職種はいろんな芝を経験しやすい職種だと思っているので、
積極的にいろんな芝を経験していきたいと思っている。
ここで言う芝と言うのは、単純に会社と言う意味ではなく、もっと大きく環境と言う意味だ。
なので芝を変えると言うのは、単純に転職するということだけを意味するのではなく、社内で異動するというようなレベルのことも含んでいる。
そういう意味では私が芝を変えるのは、今回が初めてではない。
もともとITコンサルタントとして会社に入社したが、エンジニアに変更した。
これも芝を変え方の一つだ。
現職への感謝
最後に、4年間私に関わってきてくれた方々には大変感謝をしている。🌸
私はとても臆病かつ慎重な性格ではあるが、投資をしてくれたことによって挑戦できたことがたくさんある。
でなければ今私はエンジニアをやっていない。
ずっと入社した時のITコンサルタントのままモヤモヤを抱えて過ごしていたかもしれない。
なので本当に元の会社には感謝している。
特に一番最後の上司は、最初にも書いたが今まで出会った中で最も自分にマッチすると感じた方だった。
彼に出会っていなければ、確実にもう2年早く転職していた。
常に新しいことへの挑戦に物怖じせずに楽しんで突き進む彼の姿勢にはとても刺激をもらった。
また丁寧な言葉遣いというか、言葉選びが非常に丁寧というべきか、そういうところもとても私に合っていた。
気にしすぎかもしれないけど、私は書き言葉も話し言葉も言葉選びは慎重に行いたいタイプ。名探偵コナンくんが劇場で言ってた「言葉は刃物なんだ」は本当にそう思います。
1on1でも、「心理的安全性というのはこういうことか」というのを初めて感じることができ、精神的にも安定した期間を過ごすことができた。
何度も言うが、感謝している。
だが今回は、新たに一歩踏み出してみようと思い、こうやって長々と書いてみた。
偉そうに述べる割に実力が伴っていないことは自覚しているので、
頭でっかちな内容になったかもしれない。
でもそれはきっと誰にもであるフェーズで、
実力は後からついてくると思って、頑張ろうと思う。
このポエムを書いてみて
長くなってしまったが、転職と言う方法で芝を変えるのは今回が初めてだったので、当時の思いを残しておこうと思った。
話はそれるが、
初めての転職活動は大学生時代の就職活動と比べ物にならないくらい楽しく、同時にとても勉強になったので、それを記事として残した。
ただ自分の経験を書くのではなく、自分の経験を元に自分の考えを書くことは、いろんなものが飛んできそうで苦手だ。
今回は書きたい欲に負けたこと、あと「まあ間違ってもいいじゃないか」という諦めの精神で書いてみた。
文字に起こすことは自分がストレスレスに生きていくための手段なので、
書いて良かったと思うのであった。まる。
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