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舞台アサルトリリィ新章

舞台「アサルトリリィ・新章」サングリーズル編『種の最果ての地で』/大島近海ネスト調査隊編『金瘡小草の咲く時』


今年は舞台版アサルトリリィを見るため、初めて劇場に足を運ぶなどしたが、去る12月23日に見に行ったこの舞台は、今年のエンターテインメントの集大成と言っていいかもしれない。

今回の舞台は開幕するまで2時間余りで2本立ての別の劇を上演すると思っていたが、サングリーズルと調査隊、2つのレギオンの物語を同時並行で進めるものだった。そして、ファン間でTwitterアカウントが原作者本人ではないかと噂されるわれらが一柳隊の二川二水との仲が取り沙汰されてきた山梨日羽梨が出演する面々から、濃厚ひばふみ展開を期待していたけど、いい意味で期待を裏切られた。これだから舞台鑑賞はやめられない。

何と言っても、本作のハイライトは長谷部冬佳と甲の花こと山口千尋の愛憎渦巻く死闘である。千尋は後にサングリーズルを結成する近藤貞花と幼なじみであり、一緒にレギオンを結成することを誓い合った仲だったが、ヒュージとの戦いの中で命を落としたとされる。その後貞花は冬佳をはじめとした仲間とサングリーズルを結成するが、本作において千尋が生きていた(正確にはG.E.H.E.N.A.によって生かされていた)ことが発覚する。甲の花たる千尋は仲間を率いてサングリーズルを襲撃するが、とりわけ貞花と仲睦まじい冬佳への憎悪をむき出しにした。

そこで飛び出したフレーズが「薄汚い女狐」(by千尋)「死んでも誰かになんて渡さない」(by冬佳)といったもの。「儚くも美しく戦う少女たちの物語」という謳い文句を標榜する作品の台詞とは到底思えなかった(褒め言葉)。互いに憎悪の炎を燃え上がらせての鍔迫り合いが展開される。これが劇場で、客席の眼前で繰り広げられるのだから、臨場感が半端ない。

リリィたちの武器であるCHARMは、同志であるはずのリリィに向けることを想定していない。このような展開は、学び舎を異にするリリィたちの一致団結した共闘を旨とするアサルトリリィとしては異例の作品とも言える。

それにしてもアサルトリリィは1月~2月の御台場女学校編もそうだったが、ソシャゲであるラスバレとストーリーを連動させてコンテンツ全体のライブ感を演出するのが上手い。

2023年、アサルトリリィにおいてはソシャゲやライブイベントを続けつつ計4作の舞台劇が上演された。そして、そのどれもが高いクオリティと熱気を保っている。アサルトリリィは2024年も目が離せない、波に乗ったコンテンツであり続けることは必至だろう。

風の噂によると、5月に本作の続編の上演を予定しているとのことで待ち遠しい。

取り留めのない雑感

・船田純、二川二水を信頼しすぎ。じゃなきゃ調査隊のメンバーには抜擢しない。二川ァ!
・覚醒した楓、二水たちの危機を間一髪で払い除ける。百合ヶ丘の至宝という異名は伊達じゃない
・ラスバレに続き不本意ながらも(?)共闘する俺たちの相澤一葉と松村優珂ぁ
・同じ鞍馬山ラボにいたこともあり、仲良くなった燈と鞠萠
・「白薔薇姫」と「白薔薇の騎士」という二つ名が似合いすぎな来夢と聖恋

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