絶賛、公開中!

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お世話になっています、神春です。

平成ゲーム業界の隅『哀酷物語』が公開され、そろそろ1ヶ月となります。
業界の隅に転がる人の怒り憎しみ怨み、そして哀しさ・・・
ゲーム業界に限らず、このような哀しくも酷な話は他の業界の隅にありますよ、という広告関係、IT関係、旅行業界等々の方からのご感想もいただきました。
また、これ、ウチの会社のこと?ひょっとしたら、以前いた会社の話?とも聞かれました。
で、いろいろと質問もあったので、ちょっとお答えを。

Q:勝森について
A:あの時代、勝森のような経営者は多かったです。
とにかく人の気持ちや想いを利用して、気持ち良くなろうとして、それが出来ないと踏み潰すんです。あ、気持ちよくなっても、結局、潰しちゃうか。
根本的に殿様王様ご主人様でいたい人です。
ただ、勝森は直球だったけど、同じ殿様王様ご主人様気質でも、変化球を投げる経営者もいて、これは、非常に厄介でした。
変化球を投げる経営者は、なぜか、社内の人間関係の分断を謀ろうとして、それだと会社全体の力が弱まるだろうと思うんだけど、とにかく社員同士をケンカさせ派閥を作らせようとする。
で、その派閥争いに巻き込まれる社員たちもケンカ状態になり、関係する外部のソフトハウスやフリーまで影響し、人間関係が悪くなるわけです。
この変化球を投げるゲーム会社の経営者の話は、後に書きたいと思ってます。
あ、もちろん、潰れましたよ、そのメーカー。

Q:沼村について
A:沼村さんは、ほんと、憎めない人で、個人的には良い友人の1人だと、今も思っています。
彼は元々、コンピューター関係とコンシューマーゲームの雑誌編集者だったんです。
当時、ゲームに点数をつける雑誌の編集も携わっていて、出会ってすぐにケンカしたんです。こっちからふっかけました。
私が作ったゲームの点数が低いのは、まあ、仕方がないのかもしれないけど、明らかにプレイしていないのが多かった。そこで、沼村さんと連日連夜、ケンカしてた。
彼はレビューには関係していなかったけど、私の怒りに真っ向からぶつかってきました。もっとも、ほとんどが、言い訳でしたが。
で、ある時、いつものように酒を飲んでケンカしてると、
彼は「レビューの方向性が途中から変な方向に進んだ」って言った。
レビューする編集者が、ふんぞり返るようになったって。
で、いろいろと、当時の内情を語ってくれた。
それを聞いて、キレて手が出そうになった。というか、村沼さんの胸倉を掴んだんです。
でも、それは編集者もそうだけどメーカー側の問題もあるわけで、
結局、それも原因の一つとして、平成ゲーム業界は次第に衰退していったと思ってます。
村沼さんは、基本、嘘がつけない男なんで、そこが一番の魅力だった。騙そうとかそういうの一切ない人。
そして、常に情が優先する。
解決能力は低いけど、困っている人を見ると、まずは声をかける人。
そしてクリエイターに120%の力を発揮して欲しいと純粋に本当に思っている。
もちろん、成功したクリエイターを利用しようとするんだけど、それが正直なんです。彼は彼なりの城が欲しかったんだろうけど、その城を彼1人では作れないと理解していたと思います。1人の天才だけではゲームが作れないのを分かっていたと思います。
ほんと、憎めない人なんです。

Q:床に散らばったお札を拾った時の気持ちを、もうちょっと詳しく教えて
A:勝森が札をバラまいた瞬間は何が起きたのか分からなかったです。
で、放り投げた札は、舞うというよりも、豆まきの豆のようにビャーって札が床に向かって飛んだんです。
でもって、自分の足元に数枚の札が飛んできて、それを見て、ああ、万札だ、と。勝森が放り投げたのはなんだ、と。
某玩具会社に在籍してた頃、ゴミ箱に入っていようが財布に入っていようが金は金。その金は自分を含め誰かの役に立てるはずだ、というのを徹底的に叩き込まれてたから、本能的に咄嗟に拾ったです。
拾っている時は、お金に困っているグラフィッカーらの顔が浮かんだです。
で、村沼さんがキレて勝森に飛び掛かろうとしたので、それだと金が拾えないと思い止めたです。
で、拾い終わった時、会議室の椅子を放り投げてやろうと思ったけど、
村沼さんのリアルな怒り顔を見た時に、自分は冷静にならないと危ないと思ったです。
村沼さんは身長190センチ体重90キロぐらいの巨体で筋肉質だったから、暴れると洒落にならんと思ったです。
勝森が自分らに向かって「コジキ!コジキ!」と罵った時、というか、実は何を叫んでいるのか分からなかったです。
村沼さんが勝森に向かって「コジキだと!」と言ったので、ああ、コジキって罵られたのかと理解したです。
今回、書いてて思ったのですが、あの時、勝森は、まさか、私が札を拾うとは思っていなかったんじゃないかな?と。ガチでケンカになると思っていたんじゃないかと思います。
それで、奴もパニくって罵ったんじゃないかな、と。
あ、勝森は柔道の有段者でした。

というわけで、まだ他にもいろんな質問が来たのですが、長くなるので、また、改めて。
未読な方は、ぜひとも、一読ください。
ゲームを創るという夢と希望を持った人の哀しさを知ってもらえれば、と。
あ、第3章に出てくる稲荷山君も、のちに凄いことになりますが、
これも、改めてご紹介します。

#ゲーム業界 #クソゲー #ゲーム #小説 #物語

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