【詩歌の栞+α】夏雲の生まれた日の問い。「最初の質問/長田弘」
昨日、「なぞなぞ大事典」を読んで、問うこと、答えることについて考えさせられました。
質問、というと、思い浮かぶ詩。長田弘さんの「最初の質問」
私が持っているのは、いせひでこさんがイラストを描いている絵本です。
この詩で問われていることに、ひとつひとつに答えていこうとすると、立ち止まり、悩み、考えてしまいます。
いつも同じ答えになる質問と、その時々で変わる質問と、毎回悩んで答えの見つからない質問があります。
いつも同じ、と思っていた質問
「問いと答えと、今あなたにとって必要なのはどっちですか。」
この質問への私の答はいつも「答」でした。
どうして、なぜ、と、自分の中で消化しきれない思いがいつも渦巻いていて、それへの答を探しあぐねているからです。
しかし、今、古今東西のの「なぞなぞ」、先人たちが問続け、答え続けた蓄積を前にして、私に必要なものは「問」なのかもしれない、と思っています。答えが見つからないのなら問い方を変えなければいけないのかもしれない、と。
そして、自分で「変わらない」と思っていたことも変わるのだということに清々しい驚きを感じました。
今日、降りみ降らずみの空模様の中、やや遠方に出かけました。出先での仕事を終えた昼下がりの帰り道、休憩にコンビニエンスストアに寄りました。
車を降りてこわばった体を伸ばしながら、ふと、そういえば「今日あなたは空を見上げましたか」という質問があったな、と思い出して空を見上げました。
夏雲。
いつの間にか晴れて暑いな、と思っていたのですが、羽化したての夏雲がもこもこと浮かんでいました。
真夏の入道雲のような固さはまだなくて、ふわふわの部分が残っているところが初々しいのです。
梅雨の灰色空の向こうで、夏雲は出番を待っていたのだな、とこれが辛い炎暑の始まりと分かっていても、その訪れを喜ぶ気持ちがわいてきました。
その時々で答えの変わるこの質問の代表格、「あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか」という質問の今日の答は「生まれたての夏雲を見つけた日」となりました。