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無口な鴨が好き

お散歩が人間たちにとって当たり前のことになってきました。

お気に入りのお散歩コースは見つかりましたか?

わたしには、最近ほぼ毎日足を運んでいる公園があります。

特に ”ここへ行く” と決めていないのに、なぜか向かってしまうんです!と言いたいくらい、強い決意とともにその公園に向かっています。


理由は池が良い。非常に良い池なんです。池、大好き。ゆらゆら揺れる水面を見ながら歩ける歩道が、池を囲むように整備されています。

そこへ本とちょっとしたおやつと珈琲を持って赴き、池に向かって設置されたお気に入りのベンチに腰掛ける。お気に入りの理由は、そのベンチが唯一、座った状態で足をまっすぐ伸ばしたときに池を囲む柵に足をぴったりと乗せられるからです。

行儀が悪いのは分かっていますが、行儀悪いことを時々しないと息が詰まるので、良しとしています。


読書の時間も至福ですが、一番好きなのは池を泳ぐ “鴨” です。

鴨は本当におしゃれ。茶と白と紺。茶と白と黒と緑。とか、シックでつくづくおしゃれだなと見とれてしまいます。

そして、鴨は無口。鳩みたいにずっとクルックークルックー言ってないところが良い。

無口に涼しい様子で、でも気取った感じもなく、スーイスイと泳ぐ。大した事をしている雰囲気はないのに、後ろには大胆に大きく ”ハの字” に広がっていく模様を描いている。そして、やっぱり無口。

ひとりで無口に過ごしている自分と重ねてみたりして、妙に親近感を抱いたりもしてしまう。生まれ変わったら鴨になるのもいいな。

なんて思っていたら。

「んぐわぁ!んぐわぁ!んぐわぁ!」とすごい勢いで、しかもダミ声で何かが鳴きました。

まさかと思ったら、鴨だったんです。

ギャップ!!

鴨、そうだったんか。

結構、主張強いんだな、おまえ・・・。

と、わたしは勝手に鴨に距離を感じてしまったのです。


そんなこともありましたが、鴨は今日もおしゃれで、基本的に無口で、嫌みのないスマートな動きは変わらず健在。

相手の良い所を見て付き合うのは得意なので、そんな感じでやっていけそうです。


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