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信じるものとは?「海と毒薬」

戦争が人間をくるわせるのか


現在でも
考えるべき
とても深く難しい問題です。


実際に起こった事件を題材にした
小説「海と毒薬」。


戦争の中、
多くの犠牲者がでているために
人の死とはなにかが
あいまいになっていく様が描かれています。


主人公である勝呂は、私に言います。

「仕方ないからねぇ。
 あの時だってどうにも仕方がなかったのだが、 
 これからだって自信がない。
 これからもおなじような境遇におかれたら
 僕はやはり、アレをやってしまうかもしれない・・・
 アレをねえ」


勝呂以外に手術に立ち会った
他の人物の
それぞれの思いや運命を綴った手記も
描かれています。


私たち日本人の多くは
無宗教であるがゆえに
今でもなお雰囲気や世の中に
流されやすいところがあります。


常に
何が正しく、何が悪いのかという
自分の芯を常にもって


問いかけながら
生きる必要があるのかもしれません。


神を信じているであろう
橋本先生の妻のヒルダさん
という白人女性がいます。


敵国日本人である入院患者の下着を洗い、
ビスケットをくばって
自分の意思で
精力的に行動をしていました。


時代には逆らうことができなかったと
言い切ることができるのか、


では、勝呂はどうすべきであったのか...


読み終えても
消化しきれずに考えてしまう
一冊です。

#遠藤周作

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