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元宮は依子の言葉を的確に訳してくれているようだった。けれど話は一向に前に進まない。何度…
翌朝、依子と雷三に服と靴が与えられた。依子にはコットンのTシャツとジャージのズボン。雷…
それからのことを依子は言葉で表すことができない。 すべては高速で行われ、依子の意見を…
二人が話していると男性が目を覚ました。赤ん坊の泣き声に身をよじり、依子の方に目をむけた…
いつのまにか、うとうとと眠っていた。目を覚ましたのは、床が小さく揺れたからだった。 …
異形は人間たちの保護区の近くまで依子と雷三を送ってくれた。異形が保護区の扉を指差すと二…
港の場所はすぐにわかった。赤かった通路が唐突にオレンジの敷物に切り替わった。 その先へ駆けこもうとした依子を、通路の脇に立っていた銀色の服を着た異形がそっと押しとどめた。その様子からして、どうやら警備員のようだ。 何度も警備員の手をすり抜けようとしたが無駄だった。 「この先に人間がいるでしょう? そこへ行きたいだけなの!」 異形が人間の言葉を理解してくれるわけもなく、依子はオレンジの通路から追い出されつづけた。 依子は少し離れたベンチによじ登ると、膝を抱えてオ
子供達が閉じ込められていた部屋の扉は大きく開け放たれ、中には何も残っていなかった。二人…
明るくなるとすぐに二人は出発した。点に見えていたものは徐々に大きくなり、人工物らしいこ…
いつもの通りスイミーが庭で依子と雷三を籠から出したちょうどその時、塀に穴が開き、大人の…
一度外に出てしまってからは弾みがついたようで、依子はびくびくと身をすくめながらも散歩に…
小さな異形はどうやら子供のようだった。 日に何度も金の籠をのぞきに来ては、目を細め、…
雷三の遺体はすぐに使用人によってどこかへ運ばれていった。 壁の血もあとかたも無くなる…
舞台に立ち口を開ければ勝手に喉から第九が流れ出る。そうやってどれくらいの月日が経ったのか、短かった依子の髪は背中まで届くようになっていた。 依子はその髪を三つ編みにして肩から前に垂らした。そうすると舞台を見ている異形の目が依子に集まるようになった。部屋に戻って観察してみると、他の人は皆、髪は伸び放題、男性はヒゲも伸び放題でまるで毛玉のようになっていた。 翌日の舞台では依子は三つ編みを両肩に、お下げにして垂らしてみた。その翌日は布の切れはしを使ってポニーテールにしてみ