見出し画像

【詩】雨上がりを超えていく時間

梅雨の
さらさらとした雨は
去っていった

夏の空は見えず
どんよりとした雲
水不足のからだ

僕は呼吸をしているが
水の中にいるようで
生きているのだろうか

ぶくぶく
ぶくぶく
泡を吐く

水のなかの退屈な現実
一回転してみる
二回転してみる

あの空に幽体離脱して
また現実に戻ってくる
そして無限大のあくび

生きようと
思わなくても
自動的に
生かされる
日本という国

生きるとは
結局は生かされている
としか言えないだろう

僕は自力以上に
他力の壮大さに圧倒され
おっとっとっと
よろめきながら
いくつもの次元に
溶けていくように
そこにいるだけ