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かめれもんのうたまとめ

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これまでnoteに公開してきた詩群をここに紹介しておきます。
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#自由詩

【詩】そこそこ大丈夫

「そこそこ大丈夫です」 と言った 相手の人は 少し苦笑いをした そこそこ大丈夫なのだから そこそこ大丈夫だと 言うしかない もちろん 「ものすごく元気です!」 と言うことも可能かもしれないが おそらく 相手は引く ただ相手が それほど好きではない人の場合 それはそれで正解かもしれない 先ほどの発言も大丈夫かもしれない 現状何も問題なし

【詩】千年経っても青春

この高台からは 遠いようで近い 海を 何度も何度も 見つめられます 見つめる瞳の 奥は サンシャインのよう オルゴールのように 永遠とも 思われる 万華鏡 浅瀬に打ち寄せる 健気な波 高く高く 空を飛ぶ かもめよ わたしたちの居場所 知っていますか 主人公は問いかける そこには 希望しかないと 錯覚をする 第3者もいる しかし 海の近くに 森の気配は 存在している 日頃の雨や獣たちの 幾千年 蓄積された ダム湖の水のような エネルギー 当然そこにあるのに 見過ごされ

【詩】闘うことについて

オリンピックでも 甲子園でも いじめでも みんな何かと戦っている 2024年8月夏 戦うとは ほんとうは 自分との闘い そんな声も ありふれた言葉と化しているかもしれない 現在の夏は 精神論とか 通用しない ただ 自分との闘いの先に 身近な家族 観客 国民の熱狂 が存在する 熱く 燃え上がれ 今年の夏 すべてが 熱狂で共鳴 ビビ美 バイブレーション! ドン 一生 目の前 この一瞬 精神論を 太古の昔に 忘れ去り 怒りの代わりに 愛をぶつけろ

【詩】しっかりちゃん

しっかりちゃんと がんばって しっかり評価 されることも 日常にはあるんだな 僕は がんばって生きても 世の中は自分のことを 評価することないのでは? と疑ったこともありました けれど 評価されることも あるんですね びっくりですよ 陰ばかりについ引き寄せられて 夏の暑さの中熱いテレビの前で 戦闘態勢になってしまうことも あるけれど 陽は陽で しっかり石みたいな固さで 夏の日向に黙ってたたずんでいることも あるんですね 僕は日常の焼け野原で 太陽が いつもと変わらず昇

【詩】雨上がりを超えていく時間

梅雨の さらさらとした雨は 去っていった 夏の空は見えず どんよりとした雲 水不足のからだ 僕は呼吸をしているが 水の中にいるようで 生きているのだろうか ぶくぶく ぶくぶく 泡を吐く 水のなかの退屈な現実 一回転してみる 二回転してみる あの空に幽体離脱して また現実に戻ってくる そして無限大のあくび 生きようと 思わなくても 自動的に 生かされる 日本という国 生きるとは 結局は生かされている としか言えないだろう 僕は自力以上に 他力の壮大さに圧倒され

【詩】言葉が届く世界

言葉が届く世界 詩人たちの希望 言葉が届く それは 人々に 愛がとどく ということ 夕空に 相手がいない キャッチボールのように うたえがき 虹の放物線 言葉よ とどけ 言葉よとどいて 詩人たちの声は 空に 反響する 愛のある言葉は 夕凪のように やさしく きらめきながら 愛のない言葉は 枯葉のように しずかに ゆらめきながら 言葉はうつくしい しかし 言葉よりも あの夕空に どうしたら勝てる というのか 言葉には重力がある 自然には重力がない 言葉は自然か

【詩】日常に侵入してくるユーモア

とある休日の よく晴れた日 車の扉を閉める 「バンッ!」 という音が 遠くに聞こえた 唐突に 「ババンババンバンバンッ♪」 という音が鳴ってもよさそうだな という妄想がふくらむ 映像も音と連動して動いていたら 何かのMVができるかもしれない というさらなる追及的妄想 反すうの鎮静化を試みて詩

【詩】ロケットパンチを受けても大丈夫

パンチ パンチ パンチ はあっ はあっ うう へっ てめえのパンチなんか ニセモノのロケットパンチだ 痛くはないが 少しかゆいぜ どうしてくれんだよ ははっ それに比べて あのロケットを見てごらんよ 宇宙規模の蒼天に カウントダウンまでされてよ 深紅の炎を垂直に バーニングしまくっているぜ おまけにテレビでは 中継もされ ドラマにもなり 社会的反響は大きいみたいよ お前のロケットパンチなんか 湿ってらあ 料亭に出てくるおしぼりみたいなもの

【詩】ダイナミックそれ僕恐竜

ダイナミックそれ僕恐竜 影に隠れて 地球に今も 住んでいる お母さんはね 月に住んでる お父さんはね 星に住んでる 月がきらきらしている時 星々は遠くでまたたいて 僕はゆっくり 街の影を歩いていくよ ぴかぴか ひゅおー ゴーゴー ガタンゴトン ザーザー ザザザ さびしくない のっしのっし きらきらきら ほら僕ダイナミック恐竜 おわり。