もうすぐ春節(旧正月)、おさえておきたい海外の祝祭日
2024年2月9日、当記事を書いている日は旧暦の大晦日です。
2024年は辰年ということで龍大好きな中華圏の人々はひときわ盛り上がっておられる気がしております。
旧暦(太陰暦)のお正月、いわゆる旧正月は春節と呼ばれ、中華圏では連休に入る国が多いです。日本でも「旧正月の民族大移動」「中国人観光客爆買い」等々で認知度が上がっているトピックだと思います。
旧暦の進行は365日ではありませんので、毎年春節の日と連休期間が変わります。春節期間を連休にしている国と地域は、実はかなり多いです。
中国・台湾・香港・マカオだけでなく、韓国・ベトナム・シンガポール・インドネシアも春節期間が程度の差はあるものの連休になります。
つまり、ビジネス視点では春節期間は中国人観光客だけでなく幅広い国の観光客をターゲットとできるチャンスなのです。
逆にレジャー視点では、春節に海外を訪れると、該当国が連休期間であればその地のビジネスが止まっていたり、ホテル等が割高だったりするのです。海外生活をしている私が、ゴールデンウィークに日本に帰るという発想は無い、と言えばわかっていただきやすいと思います。
本日は我々のビジネス・レジャー双方の観点から、おさえておきたい海外の祝祭日をご紹介したいと思います。どうぞお付き合いください。
〇年末年始
元日(1月1日)は多くの国が祝日指定をしていますが、連休である、という国はほとんどありません。欧米やグレーターチャイナはほとんどの場合1月2日から稼働します。
年末年始に手を休めて連休を取る、日本の方が珍しいのです。
グレーターチャイナは旧正月に軸足を置いているからか、さほど年末年始を重視していません。
私は中国で働いていますが1月1日に「あけましておめでとうございます!」と言っても薄いリアクションしか返ってきません。
ここは体感的に分かっておられる方が多いと思うので、さらっと流します。
〇旧正月(春節)
本日の主役、旧正月(春節)です。
国によっては時差によって朔の時間がずれるので、該当日がずれる!ことがあるようですが、一旦中国基準で2025年以降の春節をご紹介します。
2025年1月29日
2026年2月17日
2027年2月6日
2028年1月26日
2029年2月13日
上記が、旧暦、中国標準時(+8)でのお正月の日になります。
春節の連休は厄介でして、中国では連休カレンダーが発表されるのが遅いのです。早くて9,10月。遅くて11月です。カレンダー屋はたまったものではありません。
中国本土は旧正月当日を起点として7連休程度、ベトナムは旧正月当日前後の7連休程度、香港・台湾・シンガポール・韓国は3~5連休になります。
このあたりの地域はほとんど連休になっていると言っても過言ではなく、毎年日程をチェックしておいた方が良いと思います。
〇メーデー / ゴールデンウィーク
日本はゴールデンウィーク、曜日進行によって3~5連休になります、ということは本記事を読まれている日本語話者の方にとっては常識だと思います。
日本のゴールデンウィークは5月3日、4日、5日の3祝日が中心になりますが、5月初頭に連休が入る国は日本だけではありません。そのキーワードはメーデー、5月1日です。
タイ・韓国は民間企業が休みになりますし、シンガポール・インドネシアでも祝日です。中国本土では5月1日を起点とし、5連休を取る例が多いです。思い切りゴールデンウィークと被っています。
〇中秋節 / 中国国慶節
中秋節とは、旧暦8月15日、いわゆる15夜に行われるグレーターチャイナの行事です。旧暦なので日が前後し、場合によっては後述する中国国慶節と合体し大型連休を形成することがあります。
2024年の場合は中国本土では9月15日~17日が3連休になっています。当日9月17日は台湾でも祝日、韓国は9月16日~18日が3連休です。このあたり、日本でもハッピーマンデーがらみの3連休に当たることが多いので注意が必要です。
より注意が必要なのは中国国慶節(主に10月1日を起点とする7連休)です。前述したように中秋節と合体し8連休を形成することもあります。これは中国本土の祝日ですから、中国・香港・マカオ以外ほとんど関係ありません。
〇感謝祭 / クリスマス
米国の最も重要な祝祭日は感謝祭(11月第4木曜日)でしょう。帰省して家族とターキーを食べる・・という習慣は流石に減っているようですが、感謝祭当日はビジネスはほとんどクローズ、街は非常に静かです。
クリスマス当日の12月25日はさらに町が静まり返っています。このあたりはホリデーシーズンと呼ばれ、連休を取るビジネスマンも多いです。
20年以上前ですが、日本にフランスのスーパー、カルフールが進出した際、カルフールから派遣された重役がクリスマス休暇で帰国し、クリスマス商戦で殺伐としていた現場から総スカンを食らった・・というエピソードを小耳にはさんだことがあります。
キリスト教国だけでなく、シンガポール・インドネシアなどイスラム教国でも祝日なのが面白いところです。このあたりは連休ではないですし、遊びに行くにしてもクリスマスを忘れる人は日本語話者では少ないでしょうから、さらっと流しておきます。
〇番外 - ラマダーン
ラマダーンは、イスラム歴の第9月を指します。
この期間、ムスリム(イスラム教徒)は身を清める為に日中(日の出から日没まで)の飲食を控える習慣があります。
イスラム歴は太陰暦以上に厄介でして、年中期間が変わっていきます。夏から冬まで、いつでも該当する可能性があるのです。
2024年は3月22日から4月20日までです。この期間、イスラム文化圏に旅をすると(国によりますが)異教徒が日中飲食をするとジトっと冷たい目で見られる・・ということがあるでしょう。いい気分ではありません。
かつて私が通っていた語学学校のクラスメイトに、トルコ人とイラン人がいましたが、彼らは日が暮れると水を飲むために授業を中座していました。夏だったので物凄く大変そうでした。
トルコ人の方は暗くなると水を飲んでいたので、イラン人に
「君も行かないの?」と尋ねると、
「僕は日没時間が完全にすぎないと飲まないようにしているんだよ」と言われました。厳格度は人によって違うようです。
ラマダーン期間中の、ムスリム相手の商売というのはどのようなものでしょうね。国や信仰の厳格度によって異なるとは思いますが、頭に入れておいて損は無いと思います。
今日もお付き合いいただきありがとうございました!
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