百貨店で値切る外国人観光客の件 / 1インバウンドとして見た日本(1)
ご無沙汰しております。Kametaroでございます。
2023年8月以来、8か月ぶりに日本へ一時帰国してまいりました。桜が満開になり、暑くもなく、寒くもないベストシーズンの日本。折しも34年ぶりの超円安水準ということで、街は外国人観光客に溢れておりました。
そんな外国人観光客を見ていると色々と思うことがあります。折しも、今日下記の記事を読んで改めて思いました。ウチの常識はヨソの非常識なのです。
一例としてスマホ決済一本勝負、現金ゼロで来日しスマホ故障した悲劇の中国人観光客についての記事をご紹介します。
海外旅行にはトラベラーズチェックを持って行った・・という世代の方からすれば信じられないと思いますが巨大ガラパゴスの中国、自国の常識はヨソでもデファクトスタンダードだと思われる方もいらっしゃるでしょう。
「フェンスに囲まれガードマンが警備する場所に行けば、いい思いができると思った」と供述 とありますが、他に訳し方はなかったのでしょうか。
本記事では私も1インバウンドとして見た、日本を訪れる外国人観光客とその取り巻く環境への所感をシェアしたいと思います。
どうぞお付き合いください。
「あなたの売上も達成できるのだ、上司に値引の可否を交渉しろ」
とある百貨店の旅行かばんのコーナーにて。
欧米人と思しき外国人観光客が販売員さんと絶賛交渉中でございました。そのやり取りは以下の通りです。
「見ろ!このWebの価格を。店頭価格より2割安いではないか!ということは、2割引きが社としてできるということだろう!?価格を併せろ!」
「あいむそーりー、あいきゃんと(申し訳ございません、できません)」
「わかったぞ、あなたに値引する権限がないのだな!なら、今すぐあなたの上司に決裁を仰げ!交渉しろ!」
「あいむそーりー、あいきゃんと」
「何故だ!?あなたにとっても、店にとっても売上になるのだぞ!?プライスマッチングは合理的な判断だろう、値引きをしろ!」
しばらくして別の販売員がミスター・あいむそーりーに話しかけると・・
「あなたは彼の上司だな!見ろ!このWebの価格を(以下略)」
私としては「お疲れ様です」以外の言葉がありませんが、ここだけでも思うことは多々あります。
あいむそーりーは止めよう
日本語で考えて英語で話す・・というのが一般的な日本語話者の英語での会話だと思います。また丁寧な対応をするのが基本となっている百貨店の店頭で働かれる販売員さんは
「申し訳ございません、いたしかねます」
「恐れ入りますが、そういった対応はしておりません」
を直訳して「あいむそーりー(以下略」なのだと察します。
しかしながら、どうにもこのやり取りを見ていて、弱気な対応であるように見えてしまいました。交渉の余地があるように見えるのです。
毅然と断る、ということが難しいのだろうなぁと察せられます。
外国人観光客への「あいむそーりー」は他の場所でも多々見受けられました。かく言う私も恐らくかつては言っていたでしょう。
今なら「I'm afraid・・・」くらいで済ませるでしょうか。
「申し訳ございません」ではなく「恐れ入りますが」「お気の毒ですが」「残念ですが」くらいでしょうか。
今後、これが減ってくれれば逆にコミュニケーションが円滑になるようにすら思いました。
そもそも申し訳なくないだろう
日本語であっても、全く話してが申し訳なくないシチュエーションで「申し訳ございません」発言が多いのでは?とも思います。
私がとある手続きで書類不備があった際も
「申し訳ございません」と言われました。
何故申し訳ないのか全く意味が分かりませんでした。むしろ何も考えずに「申し訳ございません」って言ってませんか?と逆にモヤモヤが残る始末。
一般的に接客基本用語は8つ前後と思います。
「いらっしゃいませ」
「少々お待ちくださいませ」
「大変お待たせいたしました」
「はい、かしこまりました」
「恐れ入りますが」
「申し訳ございません」
「ありがとうございます」
「また、どうぞお越しくださいませ」
くらいでしょうか。実に日本的です。
異なる文化圏、言語、思考の考え方でこれを当てはめることによるミスコミュニケーションが百貨店でくりひろげられる値引き交渉の根っこにあるように思います。
しかし同時に使い手も何も考えずマニュアル的に接客基本用語を使っているように思います。もちろん苦情・クレームは大変なのですが、営業マンとしては自分の言葉でコミュニケーションすることを基本にしたいものです。
だからこそ、日本の店頭から「あいむそーりー」が消えることを願ってやみません。
今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。
1インバウンドから見た日本、何記事か書いてみたいと思います。宜しければ引き続きお付き合いください!
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