見出し画像

『14』をつけた魔法使い#22

南アフリカで行われたワールドカップは、
ケンゴにとっては初めて参加する大会でしたが、
アフリカという、
南の大陸で行われる初めての大会でもあったので、
独特の雰囲気のある大会でもありました。
観客はブブゼラという大きな笛を鳴らし、
その大きな音は、選手や監督の声が聞こえないほどでした。

この大会で日本代表は1次リーグを勝ち抜け、
トーナメントに進みました。
ここまでの試合で、エイジはずっと先発で出場していました。
ケンゴはずっとベンチで出場を待っていました。

トーナメントのその試合は、
両チームが得点を出来ず、延長戦になりました。
延長戦になってオカダ監督はケンゴとタマダを呼びました。
得点を取るために、監督は二人を送り出したのです。

出場したケンゴは不思議な体験をしました。
それは初めてのワールドカップのせいだったのかもしれません。
動いているはずのボールが、止まって見えたのです。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?