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『14』をつけた魔法使い#18

お菓子カップの決勝戦、
結局、「川崎F」は1点も取る事が出来ませんでした。
選手たちは頑張り、
サポーターもいつも以上に応援の声をあげたのに。

試合の後は、すぐに表彰式が始まりました。
「川崎F」も表彰されます。
準優勝の表彰です。
選手たちは並んで銀色のメダルを
首から掛けてもらいます。
そして、そのまま優勝チームの表彰が始まります。
目の前で、優勝したチームが金のメダルを掛けてもらい、
優勝カップを掲げています。
ケンゴは、ただその光景を眺めていました。

そのままチームメイトは、
応援してもらったサポーターの所に向かいました。
銀色のメダルを下げた自分たち。
1点も取れなかったチームは、
きっと、ブーイングを浴びる事になる。
ケンゴは覚悟をしていました。
でも、スタンドから聞こえて来たのは拍手です。
「よく頑張ったぞ」
「顔を上げろ」
「来年こそ優勝するぞ」
そんな声も聞こえてきます。
中には泣いている人もいます。

「カワサキ」の街からわざわざ来て、
試合が始まる前からずっと応援してくれた人たちを、
ボクは、ボクたちは泣かせてしまった。
ケンゴの心の中で、悔しい気持ちと、
申し訳ない気持ちが広がっていきました。

この人たちが喜ぶ姿を見たい。
カップを掲げる姿を見せたい。

泣きながら手を振るケンゴの耳に、
チームを応援する歌声が響いていました。


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