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『14』をつけた魔法使い#10

ジュニはケンゴに、たくさん要求をして来ました。
要求とは、お願いです。

「下ばかり見ていないで顔を上げなさい。」
「困ったからといって、ボールを後に下げてばかりではダメだ。」
「もっと、自信を持ってプレーをしないといけない。」
「ボールを持っているだけでは、ゴールは生まれない。」

サッカーはボールを足で扱うスポーツです。
手を使うのはスローインの時だけです。
なので、足でボールを扱えるのは大切な事です。
ジュニも子供の時から、ボールを蹴っていたので、
ボールを足で扱うのがとても上手でした。
でも、彼は日本の選手に不満がありました。
確かに、みんなボールを扱うは上手い。
でも、いくらボールを大事に持っていても、
試合に勝つ事は出来ない。
試合に勝つためにはゴールしないといけないんだ。

なのでジュニはケンゴにたくさん要求をしたのです。
「試合の時は私のことを探しなさい。」
「私を見つけたら、素早く、私にボールを渡しなさい。」
「私にボールを渡したら、どんなボールでもゴールするから。」

ケンゴは言われた通り、試合の時はいつもジュニを見ていました。
でも、いくら足の速いジュニでも、
相手の選手に囲まれていては点を取ることはできないな、
そう思ってパスを出しませんでした。

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