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宇宙に行くことは地球を知ること、という本を読んだ話。衛生軌道上には今日もクルマが浮んでいるらしい。

前に買った話は書いたが、読んだ話である。

特に気になった処は3つ。
・宇宙開発の光と陰
・当事者研究という言葉
・民間企業の持つスタイリッシュさ

1.宇宙開発の光と陰

宇宙の話をすると、
やはり、明るい希望あふれる未来の話を想像しがちだが、
当然、陰の部分、失敗や事故の話も出てくる。
野口さんも失敗の話は知っておいて欲しいと語っている。
スペースシャトル計画では2度の大きな事故で、
14名の宇宙飛行士の命が失われている。
しかも、2度目の事故は宇宙でのミッションが済み、
地球への帰還の途中、
あと15分で着陸というショッキングなものだった。
事故で亡くなった方と野口さんは知り合いで、
親しく交流のあった方もいたそうだ。
友人の命を奪ったものと同じ乗り物で、
宇宙へ行って帰ってくる、
考えたくもない状況だ。
事故から2年経ち、安全性も確認されたとはいえ、
事故った機体と同じ基本設計の乗り物で
打ち上げられるのだ。
野口さんはそれでもシャトル搭乗を希望し、
それを家族に理解してもらった上で、
ミッションに臨んだのだ。
家族に理解してもらう、これがすごいところだ。
お父さんは仕事だから行くのだと言い切らず、
奥様は元より、幼い子供にもきちんと説明したそうだ。
家族の誰かが反対したり、理解を得られなかったら、
スペースシャトルには乗らないつもりでした、
と言う野口さんの言葉は重い。

2.当事者研究という言葉

宇宙飛行士の多くはその偉業から英雄扱いをされるが、
帰還した後、実社会に適応出来ずに悩む人も多いと聞く。
それは成功したスポーツ選手のエピソードとして時々聞く、
燃え尽き症候群みたいなものらしい。
小学校、中学校で県内一位。
スポーツ特待生で高校、大学と進み、
オリンピックでメダルを獲る事だけを目標に努力する。
メダリストと騒がれている時は良いが、
いざメダルを手にしても、
競技以外の事をして来なかった人間に出来る仕事は少ない。
世界と戦って来た人間に、
ワードやエクセルをマスターした達成感があるのか、
確かに疑問である。
それらをきちんと科学的に研究することを
当事者研究と呼ぶらしい。
もちろん研究だけでなく、
その後のアフターケアに生かす事が目的だが。

3.民間企業の持つスタイリッシュさ

私の中で、宇宙開発の中で意外に気になっていたのは、
宇宙へ行くのって野暮ったいって事だった。
よく出てくるNASAの宇宙服ってもっさりしている。
まあ、過酷な環境で生きて行くためのには
仕方ないのかも知れないが、
あれは自分で着るのではなく、
他人に2人がかりで着せてもらうものだそうだ。
ところが、スペースXが打ち上げる
クールドラゴン(スペースシャトルに変わとなるモノの名称)の
発表で登場した宇宙飛行士たちの
イデタチの颯爽としている事といったら、
きちんと採寸された服に、
3Dプリンタで成形されたヘルメット
なのだそうだ。
アニメで見る宇宙服とか、何とかスーツってこっちだろう。

実はスペースXの出資者は、
あのステラという自動車会社のCEOだったりもする。
彼の考えの一番はスタイリッシュさ。
カッコ悪いモノが売れるか!なのだ。
それは確かに新しい考えだった。
NASA=宇宙開発機構=野暮ったい
そういうものだと思っていたが、
民間の宇宙=ビジネス、という考えでは、
野暮ったいはむしろ敵なのだ。
300万円を自分で払って、
身動きもろくに取れない服を着てでないと乗れない乗り物と、
カッコイイヘルメットに、
旅客機で言ったらビジネスクラスのシートの座り心地、
清潔で洗練されたデザインの乗り物、
乗るならどっちという話なのだ。

だからなのか、スペースXが最初のテストの打ち上げで、
宇宙に打ち上げたのは人口衛生ではなく『テスラ』だそうだ。
衛生軌道にクルマがいるのだ。
きちんと監視されて、今どこの上空にいるのか分かるらしいが、
まぁ、大変な広告看板だこと。




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