産後パパ育休は、家庭も仕事もハッピーになれる良い仕組み
2022年12月に第2子となる長女が産まれたので、育休を取得しました。
今回は、2022年10月に新しく施行された「産後パパ育休」を取得してみたので、利用体験をまとめておきたいと思います。
育休期間は約2ヶ月で、12月上旬〜1月末で取得しました。
この仕組みを使えば、体力勝負にはなりますが、仕事をしながらでも育児参加できます。
仕事の調整など大変な部分は大きいですが、育児は1人に負担がかかると目に見えないところで歪が生まれて、大きなストレスになります。
もっとこの仕組みの利用が広がり、ママだけにかかる負担がもっと減ればいいのになと思っています。
この記事を見て、奥さんから旦那さんへ育休をすすめたり、育休の取得で迷っている男性の後押しになれば嬉しいです。
産後パパ育休とは?
まずは、今までの育休と何が違うのか説明していきます。
通常の育休(男性)
通常の育休は【休業】のため、休業中に就業することは原則不可です。
新しい「産後パパ育休」(2022年10月施行)
「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、
・父親が通常の「育児休業制度」に加えて別で取得できるもので、
・取得可能期間は【子の出生後8週間以内に4週間まで、分割して2回取得できる】
という内容です。
産後パパ育休は労働者が合意した範囲で、休業中に就業できることが大きなポイントです。(労使協定を締結している場合に限る)
ただし、就業できる日数は【休業期間の所定労働日・所定労働時間の半分まで】となっています。
「産後パパ育休」は、仕事をしながら育児休業も使えるのが大きなポイントです。
通常の育休は収入も下がり、仕事をすべてストップしなければいけません。
しかし、「産後パパ育休」なら収入も補いつつ、育児に参加できるのでママの負担を大きく減らすことができるのではないかと思います。
我が家の家事&育児内容
まずは、我が家の家事育児をどのように分担していたのか、内容をご紹介したいと思います。
我が家は年少の息子と新生児の娘を含む4人家族です。
息子は妹の誕生によってイヤイヤの絶頂期と赤ちゃん返りが爆発…。
赤ちゃんへの反応が凄まじく、嫉妬して叫ぶ、怒るなどの行動がエスカレートしている状況でした。
そんな状況だったので、家事育児分担を工夫してみました。
我が家の家事&育児の内容
役割分担
それぞれのライフスタイルや得意不得意分野に合わせて、家事&育児を分担しています。
同スキルが理想だが、現実的には無理
我が家は普段から気付いた方がやる分担をしています。片方に偏ってしまうタスクもあるので、見直さないとな…とは思いますが、同じことができるとバランスよく家事も育児も対応できると思います。
しかし、私は料理は苦手ですし、赤ちゃんのお風呂は授乳と一連のセットになっているので、介在しにくいことから妻に任せていました。
その分、基本的な育児や家事はやりつつも、外への買い出しをする、嫉妬して騒いでいる上の息子の相手をすべて引き受けるなど、それぞれだからできることを活かすように工夫しました。
産後パパ育休を使って良かった事
育児:妻の体調回復が早くなる
1番工夫した点は"妻の睡眠時間"を確保する事です。
普段の生活でも寝不足気味になるとイライラしたり、些細なことでも八つ当たりしてしまったり、あまり良いことがありませんよね。
(妻談:「息子の時、睡眠不足でキレまくっててすまんな」)
特に新生児の時期、出産直後のママは身体が限界です。
そんな状態でも昼夜問わず、寝不足状態で頻回授乳をしなければならない。
こんな過酷な状態では体力も十分に回復できませんし、イライラすることが増えるので、ちょっとしたことでもケンカになってしまうかもしれません。(なりました)
お互いに社会と家庭に必要なことを行っているのに、片方に負担が大きいと歪が生まれてしまいます。ここを無くすことで、家族が気持ちよく生活ができるようになるのでは?と考えました。
そこで工夫したのが、妻に"睡眠時間"を確保してもらうことです。
まずは、夜間のミルクは私が対応し、妻にはゆっくり寝てもらい、体調を整えることを優先してもらいました。睡眠時間を確保することで、寝不足からくる疲れやストレスも減りますし、体の回復も早いと思います。
夜ふかしした翌日の寝不足のダメージ、みなさん経験あるので分かるのではないでしょうか…
出産直後のママの身体は、交通事故にあったのと同じくらいのダメージを受けています。
男性からみるとイメージしにくいかと思いますが、一例としてはこんな状態です。
授乳で胸が張って横向きで寝れないくらい痛い
縫った所が痛くて座れない(帝王切開の場合は起き上がることすら難しいそう…)
出血が止まらない
骨盤が開いて歩くのが不安定
入院中は全身痛い状態でお世話をしていたので、肩腰首全てがバッキバキにいたい
全身の浮腫みがひどい
妻は退院後に日常生活に支障が出るくらいの腰痛になった
など…
考えただけでも辛いですよね….
このような全身状態に加え、赤ちゃんの全身状態を確認し、オムツを変え、授乳をしなければなりません。
妻から産後の身体の変化について話を聞いたり、痛みで辛そうにしている表情から、改めて自分だったら耐えられるのか?そんな事を考えていて、育児タスクはもちろんですが、特に睡眠時間を確保してあげると全体的に回復がよくなるのではと考えました。
一方、私はその分夜ふかしをすることで、眠いし、お昼寝タイムを設けないと1日が辛い日々でした。
でも、妊娠中〜産後の体調の辛さに比べたら全然マシだと思うので、育児をやることが育休ではなく、体調を気遣い配慮することが本当に意味での育休なのだと実感しています。
仕事①:大きな穴を空けなくて良い
通常の育休だと1~2ヶ月仕事を中断することになるので、引き継ぎが発生します。
私は育休+パパ産後育休だったので、前半の1ヶ月は仕事を完全にお休みして、出産準備と出産後の諸々の対応に当たっていました。そして、年明けの1月からパパ産後育休ということで、仕事と育児の両立をスタートしました。
1月ということもあり、私の会社では予算策定や3月からの来年度に向けた戦略立案など、重要事項を決めるタイミングでした。
私は社内DX組織の室長をしているので、この期間休んでしまうと、戦略や予算の話ができず、戦略立案ができなくなってしまうので、パパ産後育休がピッタリでした。
今回は1日4~5時間で休みの日を作りながら育休を取得しましたが、実務時間は短くとも、意思決定ができるので仕事を滞留させることなく進めることができたのではと思っています。
仕事内容は各職業や職場で異なりますが、どの仕事でも全部止めると復帰後の頭の回転や、引き継がれた方にも負担がかかります。
産後パパ育休なら、仕事の内容は分担を見直すことで両立が可能になり、全体の負担も減っていくができますので、とても良い仕組みではないでしょうか。
仕事②:メンバーがレベルアップする
私は社内DX部門の責任者をしているので、育休のときに権限移譲を行い、各部門の管理職に1つ上の業務を任せることにしました。
通常、仕事の中で1つ上の事をやろうという気持ちはあるものの
自分の業務に追われてなかなか視座を上げる事ができないメンバーもいると思います。そういったメンバーが実践する機会を作るために、大きな職務を任せてみようと思いました。
私の業務の場合、通常の育休だと他部署の裁量者に業務や権限が横スライドするだけになっていたことでしょう。
しかし、職場と繋がっているので、フォローをすることも出来ます。敢えて、自分の業務をメンバーに任せることで育成要素として活用して、自らもオンラインでフォローが可能になるので挑戦をさせてみました。
その結果、各自が経営視点や予算管理、プロジェクトマネジメントなどのワンランク上の業務を進んで実行することが出来ました。プレゼンなどにも挑戦してもらったので、大きなスキル向上が見込めています。
パパ産後育休で大変だった事
メリットもありますが、育児と仕事の両立にはデメリットもありました。
自分の睡眠時間がない
今回の育休は妻の睡眠時間確保を目的としていたので、自分が睡眠時間を削る必要がありました。夜はこんなスケジュールで乗り越えていました。
「ある1日の例」
この日はおしっこ率が高い日でしたね。
ぴよログというアプリでお互いに何を行っていたのか行動記録を残していましたが、とても便利です。
※日中が混合だが、夜間授乳を私が対応することで「夜はミルクだけにしよう」と妻と話し合いました。
22時に妻と息子が寝た後も、娘は比較的起きていることが多かったので、常に様子を見ながら過ごしていました。
授乳は3時間おきなので、次の授乳までに泣くことがあれば、おむつを変えたり、抱っこしてあやすなどを行います。
3時間の授乳インターバルで寝てくれるかどうかが大事なので、常に時間を計算をしていました。4時に寝ても翌朝は息子の登園準備〜保育園送りがあるので、長く寝ることが出来ない状態でした。
その結果、睡眠時間が少なくなっていきました。
仕事をどうやって両立したのか?
寝不足の中、仕事を両立したやり方をまとめたいと思います。
育休中なのに働いているという謎の状況なので、周りに見えるルールが必要だと思いました。
工夫した仕事ルール
予め就業する予定日をカレンダーに記載
1日の仕事は4時間まで
参加時間の長いMTGは途中抜けなどで時間調整
slackなどのオンラインツールで面倒だけど言語化を行う
メンバーに当事者意識を持てるように権限移譲してしまう
自分の睡眠時間を確保するために、お昼寝タイムを設けた
このようなルールを設けて、他部署のメンバーが「今依頼をしてもいいのか?」をわかりやすくしてみました。
業務時間は当初の予定よりも大きくなりましたが、すべてオンラインで対応することができ、コミュニケーション方法が課題となることもありませんでした。
準備をしっかりしておけば、周りも配慮してくれるので
途中離席したり、家庭のタスクをこなせるような柔軟な時間設計がポイントだと思いました。
最後に
産後パパ育休の体験についてまとめてみました。
1人の力では到底実現できず、会社の方がや関係各所のメンバーの多大なご協力があって成り立っています。感謝する気持ちは忘れないようにしたいなと考えています。
出産後の女性は非常に疲れており、重症の病人だと思った方が良いと思います。
妻は妊娠中も夜寝れないと何度も起きており、さらに産後の体調も合わせた状況を考えると、数ヶ月の仕事よりも大事な事があると思いました。
仕事を抜けられない方も多いと思います。
産後パパ育休なら、仕事を止めなくても調整次第で取得することがでると思いました。
仕事を言い訳にしている方も多いですが(あまり大きな声では言えませんが…)、ぜひ、奥さんの体調に気を遣って家事・育児・仕事を調整していける世の中になればいいなと思っています。
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