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今更、天塵を読む。

どうも、かめちゃんと申します🐢

この度は、とある事情で今更ですがenza版シャニマスのコミュの1つ。ノクチルの「天塵」を読んでいこうと言うものです。

読んでいこう、なので濃厚な感想が捻り出せているかはわかりません。
読んでみただけですのでご承知おきを。

あと当然、ネタバレは含みます。
シャニアニやライブにも触れるので、シャニアニやライブ視聴された後に読んでくださると嬉しいです。(ネタバレはしたくないので)。

それでは。
いざ、尋常に。


ハウ・スーン・イズ・ナ→ウ

How soon is now?
"今にも"ってどのくらいすぐなの?

回想。
視点は円香。幼き日の場面。透が親の実家に帰省するため暫しの別れ。3人は表現は違えど寂しいという感情をのぞかせる。

現在地点。Pとの車内での円香。
デビュー前の時点。

かつて、こんなこと言い出した浅倉透。
突拍子もない、自然体な透らしいセリフ。

過去
現在

円香は結果的に透について行くけれど、ビジョンがあるわけじゃない。
前者は旅行、後者はアイドルとして。ものは違えど、4人の関係性が窺えます。

ノクチルの""。それはどこなのか。

そういえば、シャニマスは""をモチーフにすることが多い中で、""をテーマにするってのは差異を感じる。
海も空も広くて青い。
空は高いけど、海は深い。
空は希望、海はロマン。
このモチーフの違いは今になって改めて感じたかもしれない。

ここ、シャニアニでは「デビュー」となっていた記憶があるので、若干表現は違いましたが、概ね全体的に元の通りに再現されていたわけですね。


屋上

屋上で練習する小糸。円香がそれに付き添い、透は...

何をまた自由な...
ここ、シャニアニだと映像になった分わかりやすかったですね。円香の説明的なセリフを簡略化しても映像だと伝わる。

初仕事が決まり、それぞれの反応の違いが描写されます。

小糸は、自分と3人の差を感じて、漠然と不案を感じる。

透と雛菜は比較的楽観。小糸と円香に比べて、未来の話をします。例としてパリが挙げられますが、雛菜の発言。
ここからどのくらいかかるんだろう〜?」には物理的な距離だけでなく、時間的意味合いつまり、1話のHow soon is now?もかかっているような印象でした。
印象的だったのは、パリを思い描く2人の後に海の描写を描いたこと。私個人的には日本からパリって、やっぱり空路なんですよ。ましてや283プロですから。それを海、まだ底知れぬ旅の始まり(先の言葉に合わせるならロマン)のような印象も感じました。

円香はーー
仕事の具体的な内容。この時点での彼女は、アイドルに対して情熱を燃やしているというよりも、大事な幼馴染に悲しい思いをさせたくないという心境のように思います。自分を主語にしているようで、思い描くのは3人の姿。彼女のシニカルだけど、人想いな所が窺えます。

やはり円香(たち)にとって、浅倉透が特別な存在であることが窺えます。透はいつだって船頭だったのだと思います。浅倉透が動いたら円香たちも動く。一種の依存的な関係でもあるのかもしれません。それが幼馴染の強い縁なのか。


視界1

主に小糸に主眼が置かれたパート。
特に雛菜と小糸の"動機"が描かれているように思います。

雛菜の動機は"楽しい"かどうか。
みんなとアイドルをするのが楽しいからやっている。そのために棍を詰めるのは、この時点では"楽しい"のとは少し違うのかも。

小糸は仕事だからこそ、手を抜いてはいけないし、ましてや自分の至らなさを感じているからこそ努力をしなければと思っている。

その甲斐あって、楽曲のパフォーマンスはお墨付きをもらえる水準に達します。
互いに喜ぶメンバーたち。

ここで、小糸がなぜ頑張るのかが少しわかります。
小糸は"みんな"でいるのが大事。

これが小糸が、"船長"浅倉透に着いて行く動機。透が動けば円香も雛菜も動く。"みんな"でいるのが大事な小糸はそこが居場所だからこそ、自分も置いていかれないように着いて行く。これもまた依存でもあり、縁なんでしょうな。


アンプラグド

アンプのプラグを差し込まない、つまり電力を使用しない楽器の演奏。

初仕事である配信番組に向かうPとノクチル。
前から思ってたけど、この世界はTVよりも配信のインパクトの方が大きいのか?こっちでいうとabemaとかになるのかな、配信にしてはしっかりしたセットやスタッフ。

楽屋挨拶は軽くあしらわれるノクチル。洗礼を浴びる、というかこれは相手が悪かった...

緊張する小糸。
言葉では強がるものの、初仕事ということでかなりガチガチになっています。

そのままリハーサルに入るものの、サビにも入らず終了。

しかもDからは音源被せを知らされる始末。
Pが先に聞いていたのとは話がまるで違う。

小糸が主張しますが、虚しく。
相手方は元からその想定だったということでした。

ここで引き合いに出されるアンティーカ。
業界内の評価の高さがうかがえますが、ノクチルはデビューということでその対比が色濃い。

シャニアニではスタッフ組んでなかったとかはなかったと思うので削られた感じですね。確かにこれがあるのとないのとで印象がかなり変わります。


そして番組スタート。
透だけにフォーカスを当てたMC、でも透の回答には主導権はない。

透はメンバーにも焦点を当てようと試みますが不発。
話の深まりも特にないまま、ライブに入ります。

透はメンバーに語りかけます。
"いつも通り"。円香と雛菜も応じます。

そしてそこからの描写は、雛菜が語り手となって状況が明らかになる。

透たちの"いつも通り"の結果は、歌わない。
いや、歌ってはいたか。蛍のやつ。
雛菜時点では「熱唱」なのでなかなかシュールでしょう。配信には音がどこまで乗ってたんですかね。マイク絞ってるから流石に入らないか。

円香は表情ひとつ変えないし、雛菜も透に呼応している。
結果、唯一真面目にパフォーマンスしていた小糸にカメラをスイッチすることになるのです。

完全に放送事故。
いやぁ、ロックですよ。アンプラグドなパフォーマンスでした。

これ、シャニアニの時は登場人物それぞれの正義を感じたんですよ。
ノクチルサイドから見ているから悪に見えた番組側も、計算できない新人をある程度に見せるための演出として口パクだったり、透にフォーカスを当てることで引きを作った。MCも透に主導権を渡すよりも、司会が持つことで不透明な方に流れないようにしていた。

で、コミュを見てみると、番組側はスタッフを用意していないということが見えてきたり。
となると、当初のPとの打ち合わせから急遽ではなく、そういう想定で企画が進んでいたことになります。
正義がないわけじゃないけど、そうなるとより番組側の悪質さがあるような印象になりました。


視界2

ここもまた小糸の視点を軸に物語が進みます。

ノクチルの行いの良し悪しは、ロックとは評したものの、決して褒められる行いではなかったですね。
シャニアニ時はもっと賞賛あってもいいだろと思いましたが、この番組に出ていた他のアイドルたちにも同じ疑いがかけられてしまう。自分たちの正義を通した結果、それが誰かの夢を壊してしまう。番組側はともかく、同じ舞台に立っていた人たちをも巻き込むという点では、確かにその人たちのファンたちに不安を抱かせることにもなりますから、新人のノクチルに対しては批判が多くなるのは頷けました。

目的地が見えないまま走り出した船。

騒動を経て、動き出した時計がまた止まってしまったかのような静寂に不安や戸惑いがあったのだろうと思います。

円香は口では知られてすらいないのだから、と言うけれどその反響を把握しています。

自分たちがしたこととはいえ、彼女たちはまだ高校生。
自分が高校生だった頃を思い返した時、自分の行いの全てが正しいものだったと言える人はどれくらいいるでしょうか。
たとえ正しかったとして、全ての行いに責任を持てていた人がどれくらいいたでしょうか。
わかっていても難しいこともある。

Pも悩みます。
私たちが感じたのと同じように、彼もノクチルの魅力を感じつつも、それをどのように形容して仕事に繋げて行くべきか。

場面変わって河川敷。
小糸の努力を見ていた円香。

やはり、小糸は"みんな"が大事。
"みんな"に自分も居たい。
円香は自分にも迷いがあることを自覚しつつ、小糸を受け止めます。

言葉の裏に不安が窺えました。
走り出したノクチル。シャニアニではざっくりここまでを1話に詰めたわけですね。


視界3

自主練に励むメンバーたち。
そんな中、雛菜だけが早々にレッスンを終えて帰宅。透が自主練を終えて帰宅すると、雛菜がいたのでした。
ネイルをしながら会話する2人。

雛菜の一言。
透はまぁ、色々思いを巡らせてはいたのでしょうが、多くを語りはしません。

雛菜もちゃんとアイドルを楽しんでいる。
やはり、雛菜の行動の動機には"楽しい"がある。

彼女たちもまた、ネットの評判を知ってはいたようです。ただそこまで気にはしていない様子。この年頃ですごいわ。

思えば、やはりノクチルも評価される方向性ではなかっただけで、一生懸命ではありました。
本当に方向性の問題だった。
でもそれを誤れば、結果としてその視界に映るものでしか評価されない。プロセスは視界に入らないから。

Pもまた、売り込みをかける現場でさまざまな意見をぶつけられます。
"売り物"としての安全性。その覚悟。供給過多の世界において、そこに身を置くのであれば確かに確実性があるものを選びたいというのはリスクマネジメントとして至極当然です。

ただ、それは商品というモノ的消費思考。
アイドルという個と触れ合うPだからこそ、プロセスを知っているからこその想いが強いですね。
現実と理想の狭間で。


主に円香の視点で描かれたパート。

ノクチルに仕事が入りそうだというP。
ただ、そのまま受け入れるかどうか、受け入れるにしても理由が必要になる、と。

理由。それはやはりすごく重要な要素です。
なぜなら、それがないと行き先がわからなくなるから。

ノクチルは、それがはっきりとあるユニットではなく。アイドルは手段。それがアイドルである必要性はこの時点では見えていないように思います。

小糸はまさしくその典型であり、"みんな"でいるための手段がアイドル。
何か4人でいる理由が欲しい。

円香はこう返します。

でも、小糸は透が、冒頭の帰省の時のように遠くに行ってしまうだろうと。
それは多分円香も雛菜も頭にないわけではなかったと思います。

雛菜も小糸も、だからこそ透を追いかける。
雛菜は"楽しい"があるから、小糸は"みんな"を守るため。

透はわかんないって言う。
でも、多分透にしか見えてないものがある。

円香は経験的に、直感的にそれを知っています。

じゃあ円香は。

樋口円香の心境。
浅倉透へのこだわり。


ハング・ザ・ノクチル!

花火大会当日。楽屋も設備も全然整っていない会場。

デビューでは緊張ばかりだった小糸からは、覚悟を感じました。
"みんな"で始める物語。

いざステージへ。
でも、ちょうど花火とかぶってしまって誰もノクチルを見ていません。

花火大会に来ているんだから、花火打ち上がってたらそっちを見るのは至極当然で。

でも、そんな中でもノクチルはパフォーマンスを続けます。
デビューでは否応なく不特定多数の好奇の目に晒された彼女たちは、今誰の目にも留まらず、輝いている。

パフォーマンスの最中、メンバーたちは思い思いの感情に浸ります。
円香も。アイドルとしてステージに立つということの快を得たのではないかと。
メンバーもPも、みんなが分かち合うことができた瞬間でした。

その後、透の提案で海に向かう面々。
ステージ衣装の4人が海に入って行くのをP以外に誰も見ていません。

やっぱり、船頭は浅倉透なんですね。
なんとも美しい。

そして、浅倉透の理由が語られます。
抽象的な部分(言葉足らずとも言う)もありますが、本質的には小糸や雛菜と同じようなものだったと思います。

Pはその姿を見て、その美しさを噛み締めます。
刹那的で儚い花火。青春もまた永遠ではないけれど、その瞬間の煌めきは他の何にも変え難いもの。

How soon is now?

海にたどり着くまでの時間。
そして、ここからは次の地点に辿り着くまでの時間に変わる。

天塵は、船出の物語なのだと。そう感じました。


読み終えて

前日にシャニアニを見たことで触発された今回。記憶に映像があったからか、すごくスラスラと頭に入ってきたように思います。

アニメではおおよそ視界2の途中あたりまで描かれていたのですが、それ以降の話をやってしまうと、他ユニットよりも先にノクチルがどうあるかを描いてしまうことになり(1stで描かれたのと大きな差異はないにしても、2ndではストレイライトも含めてそこまで描かれてはいない)、余白を残すという判断に納得ができました。

天塵のコミュには大きく山場が2つあり、話の中心になるデビュー配信と、出航の花火大会。限られた枠組みの中でこれを描けたのはすごいと思うし、花火大会を経て読後感は爽やかさに変わったように思います。

ちなみにサポートSSRの円香のコミュも読みましたが、補完的と言うよりは後日談だったりって感じでした。


天塵の流れや有名なセリフは知っていたので、これまでのライブなどでも感動することができたんですが、
例えばMusic dawn。ノクチルが配信でライブをする構図や、無観客(誰も彼女たちを直接見ていない)、円香のいないいつだって僕らはなど、想像がより膨らんだことでしょう。
また、6th横浜のラストで歌われたいつだって僕らはでは、花火の演出があったものの、みんなノクチルを見ていると言う構図のエモーショナルはひとしおだったかもしれません。

やはりコミュを知っていると言うことは、ノクチルの活躍の背景を知ることになって、楽しみを増幅させてくれる要素だと思いました。

そして、天塵単体では匂わせられていた要素も、いくつかあり、それらは他のコミュと繋がっていっていることを今の私は知っています。なので、おいおい見て行けたらいいなと思っています。

が、今回は別のお話を見て行く予定を立てていたのでこの辺で。
ここまでお付き合い頂き、誠にありがとうございました!

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