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フィルムカメラプロジェクトに思うこと

某社のフィルムカメラプロジェクトに対し、SNS上では否定的な意見を見ることがあります。
メーカーに対しアンチな方ばかりではなく、キシアンと呼ばれる本来支持層である人たちからも、「それよりデジタル注力せよ」「レンズのロードマップを」との意見が出ています。
また、企画者の個人の趣味、私物化とかの言い方をされているケースも見受けられます。

言いたい気持ちが判らなくは無いのですが、個人の思いつき憶測でそういった意見を出すのはどうかなぁと思います。

先ず、仮にも一部上場企業(無借金経営のオーナー企業では無い、の意味)で、商品企画が通るということがどれだけ大変なことか。
(これはイベントの際にTKOさんも仰ってました)
社長の前に、経理部門のOKを貰うのが、どれほど大変か。
銀行に借金しにいった事がある方なら判ると思いますが、どのくらいの投資に対しどのくらいの売り上げで、会社として如何に儲かるか、また最悪の場合でも損をしないかを示して納得してもらう必要があります。
しかも今の社長さんは銀行出身とのこと。そのシビアさは相当のものでしょう。
企画が通った、社長も後押ししている、ということは、会社として勝算があり、経営のプロとして今やるべきとの判断をされた、ということです。

デジタルやレンズにリソースを、というのも判らなくは無いですが、実際開発を行う人は必ずしもデジタルへの影響は無いかと思います。
経験上、メカトロニクス製品はメカニカルな機構設計する人と電子部品を実装する人、電子デバイスを動作させる制御設計する人は、だいたい別です。
そしてデジタルカメラ開発で、一番リソース喰ってるのは恐らく制御設計で、デバイス動作だけで無く画像処理に相当なリソースを喰っていると思います。

一方、フィルムカメラとなると、どこまで自動化を取り入れるか次第ではあるでしょうが、電子デバイス関連やソフトウェア系の開発リソースは殆ど要らない筈で、数名のベテランと技術伝承を目的とした若手数名レベルで設計出来てしまうのでは無いかと個人的には考えてます。
フィルムカメラやるからデジタルの新型開発に大きく影響があるとは思えないので、「そんなことやってる場合じゃ無い、マジメにデジタル開発せよ」というSNS上の意見には違和感を覚えます。
厳密には若干のリソースは取られるのかも知れませんが、本筋の開発に対して影響なく、損はしない上に話題作りになるのであれば、やればいい話だと思います。
(フィルムカメラをやらなかったからといって、デジタル新型機の開発が進むものでも無いと思います)

私自身、フィルム新型出て買うのか、というと微妙なところだと思っています。
新品ボディに魅力が無いわけでは無いのですが、資金を用意できるか…

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