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未来文明史論2020 ❷感染症と人類史〈2〉

【注意】
わたしは、医療従事者でも感染症の専門家でもありません。新型コロナウィルスも治療行為など扱ったことがないので、「意見」しか執筆できません。正しい情報は下記を参考にしてください。
※医療従事者同志のツィッター炎上など「トラブル」を観ていると、辛くなります。

 中国の武漢から中国国内中、クルーズ船や春節を経て、世界中に広がっています。日本では、休校・イベント中止。韓国、イタリア、イランなどアジアや欧州各国、そしてアメリカまで流行。
 日本政府は「水際作戦」から転換、専門者会議を経て「この1~2週間が正念場」といわれています。

▼行政からの新型コロナウイルスに関する重要な情報公開ページ。

一人ひとりができる対策(首相官邸) 
多くの情報へのリンク(厚労省) 
各都道府県の帰国者・接触者相談センター
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 「過去の感染症」について調べて要点をまとめて、意見を述べたい。
 まず第一に思うのは、「栄養を十分に摂って、症状が出たら休めること」という自己免疫力を高めて治すこと、である。不衛生な貧困社会では、パンデミック状態にならざるをえない。
 第二に、感染症は「病気で入院、隔離、治療」という医療の現場問題にとどまるのではなく、社会・経済活動や国際社会へ多大な影響を与えるということ、である。①貿易船や飛行機での検疫所、➁手洗い励行・マスク着用、➂会社・学校への時間差通勤、④学校は休校の措置をとらなければならない。その場合、社会が機能しなくなってしまう。なぜならば、すべての人が自宅療養に入れば、病院も介護施設も人手がいなくなってしまう状況を産んでしまうからである。とりわけ、1~3月は「年度末」であり、入試・就活や卒業式など一生を左右する行事が沢山ある。スポーツも重要な大会が目白押しである。親も会社を自由に休んで、罹患した子どもの面倒を見られる「働き方改革」は実施されているのだろうか。
 第三に、「人命を優先すること」を再確認したい。罹患者数や死亡率などデータ重視される傾向があるけれども、一人の命や健康は重い。たとえば、生涯ずっと働いてきて、最後の想い出としてクルーズ旅行に出かけた高齢のご夫婦もいたことを想像しよう。ウィルスの罹患や隔離措置など、心身とともにダメージが大きい。
 第四に、ウィルス蔓延は、その立場によって、アプローチの仕方が違う。①ワクチンを作る方(感染症の研究者、薬会社)、➁感染源を調査したり感染拡大をおこなせない行政側(厚生労働省や保健所など)、➂殺到する患者を直に治療する医療従事者(専門病院ではなく普通の病院やクリニック)、④患者とその家族、⑤患者さんが所属する社会(会社・学校・家族・地域・病院などイベントを中止せざるをえない)、⑥感染源である中華人民共和国や入国禁止となった国々との国際関係、⑦WHOなど国際機関と政府・厚生労働省・地方自治体との関係など。それぞれの利害関係が違うために、社会的な混乱が起きているのが現状である。

参考:【ペスト(黒死病)】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%82%B9%E3%83%88

▼概要:
 ペスト(ドイツ語: Pest, 英語: plague)とは、ペスト菌の感染によって起きる感染症(伝染病)。漢字一文字では「癙」(疒部に鼠)と書いておいて「ペスト」と読むこともある。別名、黒死病(英語: Black Death, ドイツ語: Schwarzer Tod)。
 ペスト菌(Yersinia pestis 腸内細菌科 通性嫌気性/グラム陰性/無芽胞桿菌)が感染することで起きる感染症(伝染病)である。死亡率(致命率)が高く、60~90%である。
 世界の歴史をふりかえると、数回の全地球規模の流行(パンデミック)が記録されており、特に14世紀に起きたペストの大流行では、世界で1億人ほどの人々が死に、当時の世界人口を4億5000万人から3億5000万人にまで減少させた。ヨーロッパでは1348年~1420年に大流行し、ヨーロッパの全人口の30%~60%が死亡した。イギリスやイタリアの街や村の中には人口の80%が死亡したところもある。社会構造を変えてしまい、現代にまで至る痕跡を残すほどの打撃を与えた。14世紀にヨーロッパで猛威をふるったペストは、そのまま放置すると肺炎などにより ほぼ100%の人が死亡し、たとえ(懸命の、決死の)治療行為を試みたとしても死亡率が30%~60%に及び、皮膚が黒くなり死んでいった人も多かったので 「Black Death(黒死病)」と呼ばれるようになった。この大量死の恐怖はヨーロッパの人々(社会)にとって ぬぐいさることの出来ない記憶、歴史的な記憶、として深く刻み込まれており、現代に至るまで非常に恐れられている。 近年でも、ペストの感染は、(14世紀ほどではないとしても)発生しつづけており、1990年代、2000年代でも感染者や死亡者が出続けている。
 現代の日本では感染症法により一類感染症に指定されている。

▼発生源と感染経路:
 ネズミ、イヌ、ネコなどを宿主とし、ノミが媒介しヒトに伝染する。ペストというのは元々齧歯類(特にクマネズミ)に流行した病気であるので、まずネズミなどの間に流行が見られた後に、イヌ、ネコ、ノミなどを介して、ヒトに伝染して人社会で感染が拡大する、という経緯をたどることが特に多い、と考えられている。
 「腺ペスト」の場合、患者の身体から 菌に汚染された体液が浸み出し、衣服にもつく。別の人(未感染者)が患者の身体や患者の衣服に触れると菌がうつり感染する。
 「肺ペスト」の場合は、患者が肺炎にかかり、咳をし、菌が大量に入った痰(血痰)やツバの飛沫が飛び散り、感染者の身体の表面、衣服、周囲のモノなどにつく。他のヒト(未感染者)が、感染者の身体、衣服、周囲のモノなどに触れると菌が粘膜から入り感染する。感染者の血痰やツバの飛沫を直接浴びた場合も当然 感染する。

▼治療方法:
感染症指定医療機関に隔離され、株ごとに異なる感受性のある  #抗生物質  投与が行われる(テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ストレプトマイシン、ドキシサイクリン、シプロフロキサシン等)。抗生物質のある21世紀の日本では死亡例はない。

▼予防策:
(1)感染の予防策としてはペスト菌を保有するノミや、ノミの宿主となるネズミの駆除
(2)腺ペスト患者の体液に触れない
(3)患者部屋への立ち入りを制限
(4)患者の 2メートル以内に接近する場合。マスク、眼用保護具、ガウン、手袋の着用
(5)テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ST合剤の予防内服
が挙げられる。
なお、有効なワクチンは存在しない。
※以上、ウキペディア情報より。

【北里柴三郎とペスト】
北里 柴三郎(きたさと しばさぶろう、1853年1月29日(嘉永5年12月20日) - 1931年(昭和6年)6月13日)は、日本の医学者・細菌学者・教育者・実業家。「日本の細菌学の父」として知られ、ペスト菌を発見し、また破傷風の治療法を開発するなど感染症医学の発展に貢献した。


▼考察と提案:
  人類は、大量絶滅の一因となる「ペスト菌」流行を何度も経験した。多くの犠牲者を出しつつも、長年の研究によって #抗生物質  で対抗した。
 新型コロナウィルスは、いまだかつて経験したことがないウィルスであり、現在のところ、特効薬もなく、病院でも治療の施しようがない。抗生物質が効かないのである。
 このペスト菌は、撲滅することができない。むしろ、地球という環境のなかにいる以上、ペスト菌・媒介する動物・人間とのバランスを保つ中で、「つきあう」という方法しかないようである。
 細菌・ウィルスによる感染症は、人類にとって、つねに配慮しなければならない問題の一つとして、あり続けるだろう。

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