見出し画像

【F1】ドライバー採点&結果:2021年第5戦モナコGP

ドライバー採点

全ドライバーの週末を通しての評価を10点満点で採点(最低1、最高10)。

[メルセデスAMG]
44 L.ハミルトン 4
これほどうまくいかない週末は久しぶりだろう。マシンの持病「冷え性」と低音路面に加え、セッテイング変更も裏目に出て予選7位に沈んだことが決勝にまで影響した。抜けないモナコで厳しい戦いは予想していたが、自慢の戦略で致命的なミス。選手権リーダーの座を明け渡すことになった。

77 V.ボッタス 6
どちらかといえばこれまでタイヤの熱入れに苦労していたのは彼だったが、今回はチームメイトと対照的にうまくできたようで予選3位。決勝でもフェルスタッペンを追走して苦戦のチームメイトの援護射撃をしたかったが、ピットストップでタイヤが交換できず呆気なく終戦。とにかく運がない。

[レッドブル・ホンダ]
33 M.フェルスタッペン 9
予選でポールを獲れば10点満点だっただろう。このコースではファーストアタックからしっかりタイムを出しておかないといけないことはこれでよく学んだはずだ。結果的にはルクレールが出走できなかったことで、実質ポールからのスタートとなった。スタートを確実に成功させるとあとはゴールまでマシンを持ち帰ることだけに集中。全周リード、モナコGP史上最速ゴールタイム、初優勝初表彰台で、メルセデス勢が自滅気味のレースを確実に優勝してみせ、ドライバーズ選手権で初めて首位に立つことになった。

11 S.ペレス 7
予選9位だけがあまりにももったいなかった週末。自慢のタイヤを持たせるロングランが活きて、ピットストップでガスリー、ハミルトン、ベッテルをオーバーカットすることに成功した。予選で5位以内に入れば表彰台も十分に可能だったと思われるだけに、結果的に予選が非常に悔やまれる。

[マクラーレン]
3 D.リカルド 3

マシンとしては不利なコースと言われたモナコだが、表彰台に登ったチームメイトとは対照的な週末だった。3年前のモナコウィナーはチームメイトにも周回遅れにされてしまった。ドライバーズサーキットとあって、マシンにまだ自信が持てていないことが露呈した。

4 L.ノリス 10
早くも今季2回目の表彰台を獲得。メルセデス、レッドブルの一角が崩れた時に表彰台に登れる位置にしっかりいるからこそ得た3位。安定感が光る今季のノリスは再びドライバーズ選手権で3位に浮上しただけでなく、フェラーリからコンストラクターズ選手権3位の座を守ることにも貢献した。

[アストンマーティン]
18 L.ストロール 7

今回はチームメイトの影に隠れる形となったが、それでもきっちり8位入賞で3戦ぶりにポイントを獲得。第1スティントをハードタイヤで58周を走り、ベッテル同様前のジョビナッツィとオコンをオーバーカットする作戦を見事に完遂。2台同時入賞できる数少ないレースでチームに貢献した。

5 S.ベッテル 9
ようやく元王者の実力発揮といったところか。今季2度目の予選Q3進出を決め、決勝ではガスリーとハミルトンをピット戦略で抜いてみせた。ピットアウト直後のボー・リバージュでガスリーと並走し前に出たシーンはこのレースのハイライトシーンの一つ。5位入賞でチームも選手権5位に上昇した。

[アルピーヌ]
14 F.アロンソ 3

アロンソがここまで苦戦し、チームメイトに大きく後れを取ると誰も予想していなかっただろう。予選Q1で呆気なく敗退し、決勝も終始中団の後方に沈み続けた。モナコ2回制覇した実力を見ることなく終えたが、マシンに対する自信を早急に深めていくことが求められる。

31 E.オコン 5
開幕戦以来Q3進出はならなかったが、ルクレールとボッタスが脱落したことで11番手から順当にポジションを2つ上げ9位フィニッシュし4戦連続入賞。ソフトタイヤで第1スティントを37周まで引っ張りジョビナッツィをオーバーカットして前に出た後は猛攻を受けたが凌ぎきった。

[フェラーリ]
16 C.ルクレール 8

地元モナコでとことん運がないルクレール。チームの致命的なチェックミスも重なり決勝を走ることすらできないまま終わった。記録上は2年ぶりのポールポジションだが、優勝、最低でも表彰台を狙えたレースで失ったものはあまりに大きかった。

55 C.サインツJr. 9
木曜から絶好調で初のポールポジションの可能性も十分にあり得たが、チームメイトのクラッシュにより実現せず。決勝は走ることができなかったルクレールの分も頑張りを見せて自己ベストタイの2位でフィニッシュ。フェラーリに今季初表彰台をプレゼントした。

[アルファタウリ]
22 角田裕毅 5

木曜午後の走行序盤にプールサイド出口で右リアをウォールにヒット。走行時間を失い予選シミュレーションをできなかったことが予選Q1敗退に繋がったか。セーフティーカーが序盤で導入されることを見越したギャンブル的戦略(ハードタイヤスタート)は不発に終わり、終始前を塞がれたままの走行が続いた。ソフトタイヤ交換直後にファステストラップを出すが、ハミルトンに塗り替えられてしまった。

10 P.ガスリー 8
今季3度目の3列目スタートを手に入れ、王者ハミルトンの前に立ち塞がり続けたレースだった。抜けないモナコでアンダーカットに動いたハミルトンに呼応する形で翌周ピットインしたが、逆にベッテルとペレスにオーバーカットを許す格好に。結果的には今季ベストの6位でフィニッシュした。

[アルファロメオ]
7 K.ライコネン 4

チームメイトのジョビナッツィの速さが目立つ週末で、最年長のライコネンはその影に隠れる形となった。今週末はアルピーヌよりも速いマシンだっただけあって、オコンの前で予選を終えていたらダブル入賞の可能性は大いにあっただろう。ベテランの意地がそろそろ見たい。

99 A.ジョビナッツィ 8
フリー走行から好調さを見せ、今季初の予選Q3進出も決めた。しかし決勝はトップ10スタートのためソフトタイヤで最初のスティントを走らざるを得ず、早めのピットインを余儀なくされたことで、ストロールとオコンにオーバーカットされてしまう。終盤は明らかにオコンより速いペースだったが、ここは抜けないモナコ。それでもチームに今季初ポイントをもたらした。

[ハース]
9 N.マゼピン 6

これまで何かとお騒がせだったが、今回は大人しく堅実な走行に徹しているように見えた。チームメイトの強引なインへの飛び込みにも接触を回避した1周目にも彼の成長が見られたシーンだった。今季の新人3人の中で唯一クラッシュせずに週末を終えることができたのも高評価だろう。

47 M.シューマッハ 3
ただでさえ予算の少ないチームで、年間の予算制限もあるためクルマを壊すのは無駄な出費となる今季。木曜午後、土曜午前とともに最終盤にクラッシュを喫し、予選に出走できなかった。決勝でも1周目のヘアピンで強引にマゼピンを抜くシーンは、代表の目にどう映ったか。

[ウィリアムズ]
63 G.ラッセル 5

予選Q2に進出はもはや当たり前のようになったが、決勝では相変わらず苦しい走りが続いている状況。決勝でのレースペース不足はラッセルの腕を持ってしても他チームとの差を埋めるのは難しい。

6 N.ラティフィ 5
チームメイトとの差はなかなか埋まらない。スタートでハードタイヤスタートだった角田を抜いたことで終始アルファタウリを抑え続けるレースになった。

レース結果

1. M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2. C.サインツJr.(フェラーリ)
3. L.ノリス(マクラーレン)
4. S.ペレス(レッドブル・ホンダ)
5. S.ベッテル(アストンマーティン)
6. P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
7. L.ハミルトン(メルセデスAMG)
8. L.ストロール(アストンマーティン)
9. E.オコン(アルピーヌ)
10. A.ジョビナッツィ(アルファロメオ)
11. K.ライコネン(アルファロメオ)
12. D.リカルド(マクラーレン)
13. F.アロンソ(アルピーヌ)
14. G.ラッセル(ウィリアムズ)
15. N.ラティフィ(ウィリアムズ)
16. 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
17. N.マゼピン(ハース)
18. M.シューマッハ(ハース)
R. V.ボッタス(メルセデスAMG)
DNS. C.ルクレール(フェラーリ)

写真:XPB Images

この記事が参加している募集

F1を語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?