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U13からU14へ。ドイツ少年サッカー、来シーズンに向けての練習参加のお誘いが始まる。

次シーズンへに向けてスカウトが動き回る…らしい

日本ではどうなのかわからないのですが、ここドイツでは少年サッカーはU14,つまり13歳からそれまでの9人制から11人制に変わり、フィールドの広さもフルコートになります。次男の学年も来年に向けて、リーグ戦を戦いながら時々11人制の練習試合も行うようになりました。

プロ下部組織(いわゆるユース)は通常U13までは一学年上のリーグに属していますが、U14からはユースだけのリーグに変わります。現在次男の所属しているチームはその最上段から見ると二段下の位置付けになるのですが、このシーズンでそろそろ今のリーグとチームのレベルの中で妥協しなければならない部分を感じてきていたこともあり、来季に向けてもっと切磋琢磨できる環境に移らなければいけないと話していたところでした。そんな際、どこでどう見つけてくるのか、所属しているチームに次男と時にはチームメイトを数名一緒に練習に呼びたいと連絡が入るようになってきました。今日はすこしその印象と経過について書きたいと思います。

1. 地元のブンデス2部チームFユース

次男が9歳か10歳くらいの時に一度セレクションを受けたことのあるチームで、今回改めて次男とチームメイト3名が練習に招待されました。

そのチームには次男の学校に引っ越してきた同級生で親友のアイルランド年代別代表にも呼ばれたことのある男の子が今年から入団しており、また、以前トレセンで一緒だった子もいることもあり次男としては違和感なくすんなりと溶け込めたようでした。1回目の練習後、2回目は室内練習場での練習(観覧できず)、そして3回目。練習が終わるたびに練習参加生にはコーチからのフィードバックが一人ずつあり、一人またひとりと次回の練習参加は来なくていいよ、と言われます。3回目の練習には次男とゴールキーパー君のみが呼ばれ、その日は終始人工芝での試合形式。1時間半、アップを除けばひたすらポジションを変えながらの試合形式でしたが、その練習の後で次男には以下のフィードバックをいただきました。

”テクニックは申し分ない。ただ、他にもいくつか懸案点もあるので、ここにいるコーチだけでは即答はできない。スカウトチームとも話し合った末にまた連絡をします。”

とのこと。少なくとも即不合格ではないので、それじゃあ連絡待ってます、と帰路に着きました。ちなみに後で次男が聞いたところでは、ゴールキーパー君には結構辛辣なコメントで、”君よりうまいキーパーがいるから今回はいらないよ”と言われたとのこと。12歳にして突きつけられる無惨な現実、改めて厳しい世界だなと思い知らされます。

2. Fと同じ地区にある強豪育成チームQ

ユース、しかも親友も所属しているとなると次男としてもどうしても意識をするでしょう。Fの練習参加の後、一瞬ユースに入ることがまるで既定路線のような感覚に襲われましたが、いかんいかんと我に帰ります。過去の経験からも最後の最後までどうなるかわからないのがプロ下部組織。もしものために、一つ心当たりのあるチームにコンタクトを取りました。

トレセンでも所属している子が複数おり、私たちの住む地域では名の知れた、ユースに行くならそのチームを通していく子が圧倒的に多い競合チームQです。パパ友を通して教えてもらったコーチの電話番号に直接メッセージを送り、アポを取りました。次男が去年の地区選抜まで行ったことを伝えると練習参加をすぐに認めてくれました。

このチームにも地区選抜での顔馴染みが2人ほどいましたので、次男としては気負うこともなく挑めたようで、楽しんで練習を終えて帰ってきました。練習後、コーチからこうフィードバックをいただきました。

”両足を使えて、どちらでもこれだけ強いシュートを打てるのは良いクオリティだ。うちとしてはいつでも来てもらっていい。”

ひとまずホッとしました。

3. ちょっと遠いけどブンデス3部チームIユース

写真を撮り忘れました

Fからの連絡が全く来ない中、しばらくして次男の所属チームのコーディネーターから電話があり、同じ地区のユースとして有名なチームIから次男ともう一人、DFの選手をチームから練習に招待したいと連絡があったと伝えられました。早速日程を確認の上向かうことにしました。

Iのトップチームは今でこそ3部の真ん中あたりでもがいていますが、かつては2部にいた有名チームです。ただ、次男の学年に限って言えば決してリーグの中で輝かしい結果を出しているとは言えず、今季も最下位に位置しています。このチームにも例に違わず次男とトレセンで一緒だった子が二人去年入団しており、次男からすれば顔馴染みに負けるわけにはいかないところです。

ただこのチームとはかつて少しいざこざというかすれ違いがあり、去年も一度呼ばれて参加したのですが、着いたら担当者がいない上次男の学年の練習はやっておらず一学年上の練習に参加して帰ってくるという珍事件がありました。

そんな諸事情もあり、頭の中ではFの方が優先順位の高い次男としては正直あまりモチベーションが高い様子ではありませんでしたが、その件に関しましては現地に着いてすぐ新しい担当のコーチから個別に正式に謝罪をいただきました。ちょうどスカウトが入れ替わるタイミングでの情報共有の手違いがあり、次男を見つけたスカウトが直後辞めてしまったのだそうです。次男、持ってない。

その日の練習自体は1時間、その後30分のコンディショニングで終了です。チームの印象としてはやはりFと比べるとややおっとりしているというか、プレーのスピード感なども随分違うなと感じました。

練習後コーチと別室に呼ばれて面談です。今回の評価はこのような感じでした。

”足元の素早さ、テクニックには光るものを感じる。ただ、体力面や勢いのある動きなど、改善点も見える。君を取るということはチームの誰かを外すということで、今の段階でそれは考えられないが、夏頃にもう一度呼んでどのように改善が見られたか見てみたいのでまた呼びます。”

次男本人が口にしていたように、ここは受かっても行くかわからないな、という気持ちでトレーニングに参加していましたので当然といえば当然の評価かと思いました。その日は次男の膝が痛むという不測の事態もあり、決して彼の本来のパフォーマンスとは言い難かったですがそれでも、また呼びたいと言っていただけたのは素直に嬉しいです。

コーチ陣も時間をとって丁寧に説明をしてくれ、次男のプレーを評価される時に頻繁に言われる『勢いのあるプレー』というものをより具体的にイメージすることができたのは我々としては結構大きな収穫でした。ドイツでは小学生世代に求める大事な要素の一つに必ず加えられる要素であり、また、正直次男のプレースタイルからはあまり感じられない部分でもあります。小学生のくせに妙なベテラン感を出してるというか。ドイツのコーチはそういうのあまり好きではないので、もっと元気ハツラツ!感を演出する必要があるようです。

4. Iと同じくらい遠いブンデス3部チームBユース

一番直近にお誘いをいただいたのは、うちから車で1時間かかる街にあるBです。正直に申し上げて、チームからお誘いの連絡をいただくまであまり聞いたことがなくて、電話をいただいてから調べてようやくトップチームが3部に所属し、U13もユースリーグには入っていませんがその下のリーグではトップの成績を誇るチームということを知りました。

たまたまアポイントの日に次男のパーソナルトレーニングを時々頼んでいる元女子プロの友達が遊びに来ていましたので、一緒に着いてきてもらいました。

まずポジティブな驚きだったのは、このチームのコーチである青年が我々を駐車場まで直接迎えに来てくれて、次男をロッカールームまで連れて行ってくれたことです。彼は選抜の練習会を見に行って次男を見つけ、友達と話す様子やプレースタイルを見て興味を持ったと我々に説明をしてくれました。

チームに関して言えば、次男がいつも選抜でポジションを競っている仲良くもライバルな友達がそのチームに所属しており、さらには地区選抜に選ばれる前の80人集められた大会でプレーをした顔馴染みが10人ほど居たそうで、暖かく迎え入れてくれたのだそうです。

女子プロの友人もじっくりと練習を見ていたのですが、まず選ばれている選手のスタイルが次男のスタイルに合うかも、そしてコーチの好みが自分と似ているかも、と言う感想を伝えてくれました。だからこそ次男のプレーを評価してくれたのでは、と。もしそうなると、選手としてはやりやすい環境になると言うことで彼女の評価はまずまずと言うところでした。

練習の途中、若いコーチは事情で抜けなければならないとわざわざ私のところまで挨拶に来てくれましたが、その際改めて次男のプレーに対して評価をいただきました。

”テクニックは素晴らしい、攻撃と守備のバランスも良い。是非是非来季うちに来て欲しいと思っています!”

もしかしたら今までで一番熱いラブコールをもらったかも知れない、と思いながら、練習後にメインコーチとお話をすることができました。ベテランのメインコーチは来季から別の年代を見るので、来季のU14チームは次男を誘ってくれた若いコーチが見ることになるのだそうです。そして出来るだけ細やかな指導をするために20人ほどのチームに3人のコーチをつけていること、次男のプレーは評価いただいた上でもう少し体力面や11人制になった際の動きなど、足りない部分を補っていきながら伸ばして行けたらと思っていることなどご説明いただきました。

次男自身も楽しく練習できたようで、友達からは
”XX(次男名前)が入ってくれたらめっちゃ強くなるから、入ってよ!”
と言われたとまんざらでもない様子。女子プロ友人からは距離が問題なければここにしたと思う、という言葉までいただきました。ただ1時間か・・。でも次男と選抜の中でも頭ひとつ抜けて上手い友達くんが同じチームでプレーするところ(もしも次男がポジションをゲットできればですが)は見てみたい・・。と思ったりしました。まず妻にどう話そう・・。

とりあえず、もう一度練習参加をさせてもらうアポイントを取ることにしました。

その後の話

コーディネーターの方からはまだ次男に興味を持つチームから連絡があるかも知れない、あればすぐ知らせる、と言っていただいており、今現在その気配はありませんがこうして現チームが来季の移籍先まで面倒を見てくれるのは本当にありがたいです。チームによっては、出したくない選手を移籍させないためにわざと連絡を回さないなどの対応をするところもあるそうなので。

幸い、いろいろなチームからお声がけいただいてとても貴重な体験をさせていただいています。ユースに移るとなるとまた未知の世界。トレセンや地区選抜からは離れなければなりません。10歳から今までみっちり育ててもらったこれらの環境を離れるのはまだ少し名残惜しい気もします。その点QやBに移籍すればそれらも同時に進めることができ、最近は次男のようにいわゆる身体的成長が早くないと言われるタイプにはこの道の方が合っているような気がしてきました。

ユースに行けばあのバイエルンミュンヘンとも同地区ですので、強豪と戦えますしもっとより多くの目に見られることになるでしょう。ですが同時にいつ切られるかわからないプレッシャーとの戦いでもあります。まだ急ぐ必要は全くない、とドイツのコーチ達からもよく言われますし私もそう思います。私の中では、結果がどう転ぼうと最後の決定は次男に任せることは決まっています。私は妻の説得に回るだけですが、父親としてはFがダメならBに行って欲しいかも・・・。と、思い始めています。

このような豪華なシチュエーションに置かれていることに感謝しながら、また支えていこうと思います。

読んでいただきありがとうございました。






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