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八方美人な自分には、中間管理職は胃がちぎれるほど辛い

八方美人【はっぽうびじん】 
ー だれからも悪く思われないように、要領よく人とつきあってゆく人。

Googleで「八方美人 意味」で検索すると上の意味が出てきます。「ご都合主義」と似たような、ネガティブな意味合いで使われることが多い言葉でしょう。

私は学生・社会人と、スタンスを取らずにその場その場で当たり障りのないように調整するマンで、無意識型「八方美人」タイプです。

「道徳」の授業でも、「少年ジャンプ」でも「分け隔てなく人にやさしく」と学んだし、そんなあり方を人生で疑いもしませんでした。

そんな私ですが、最近東京の、いわゆるIT企業で中間管理職に就任。

就任後3ヶ月、毎朝胃がちぎれるほど、出社が辛かった。

この記事では、自分なりの「八方美人が中間管理職をどう乗り切ろうとしているか」を共有したいと思います。

ある日訪れたチャンス

私は事業会社の非広告領域のWebマーケティング(主にコンテンツマーケティング)のお仕事をしてます。横断的なマーケティング組織に所属し、社内コンサル的な立ち位置の部署です。

メンバーはアルバイト含め20名程度で、元々は上司が目標設定・社内調整・役割分担を行っていました。一方自分は周りより少し長くいたこともあり、先輩風吹かせてる風の中堅社員でした。

そんな中、上司の退職が、退職日の一ヶ月前に告知。

社内にその分野における詳しい人間が他にいなかったので、自然と自分がポジションへの就任を打診されました。

以前からマネジメントしてみたいという欲求はあり(漠然とした出世的なイメージから)、手をあげていましたが、まさかこんな早くチャンスが来るとは。

しかし、これもなかなか巡ってこない機会だと思い、二つ返事で承諾し、意気揚々とポジションにつくことに。

まずは全メンバーにヒアリングを実施


以前上司に勧められた『U理論(漫画版)』や、自己啓発本代表のような『人を動かす』を読んでいた私は、まずメンバーの希望・Will(やりたいこと)をひたすら聞きました。

これまで同僚だった人間がいきなり指示出ししても上手く行かないだろうと考え、積極的にサシでのランチやミーティング、飲みに行ったりと、「この人は話を聞いてくれる」感を作りに行ったのです。

加えて、これまで同僚だった人間だったこともあり、一つ一つの指摘がモチベーションダウンに振れないよう、オブラートに包んでフィードバックをすることを心がけました。

例えば記事が出来上がった段階で「ここは〜いう流れだと離脱するので、落としどころをこうして下さい」ではなく、「もっと〜な態度変容促した方がいいかもですね」みたいな。

陰口に影響されて、グラグラする中間管理職に

トップダウンの傾向が強かった前上司に比べ、個人の意見を汲み取ったことから、メンバーからは「実はこんなことがやりたかった」などが聞け、「結構うまいこと言ってるのでは?」と手応えを感じていました。

しかしこれは完全に自分の思い上がりでした。

時間が経って出てくる他事業部や、メンバーからの「あの人こんなこと言ってたよ」の発言が出るわ出るわ。

・目標・戦略がない
・前上司とポジションは同じでも、ナメられてる
・フィードバックが薄く自身の成長を感じない
…etc

かなり心が折れかけました。

そこから1,2週間は、メンバーに対して、疑心暗鬼でした。また自分自身の能力にも不安を感じ、仕事も手につかず、パフォーマンスも顕著に落ちました。

覚悟を決めて行ったのは『基準の明確化』

そんな折、リクルートのWill・Can(その人ができること)・Must(会社が求める、すべきこと)の話をたまたま聞き、「あ、自分は後ろ2つをメンバーに提示できていなかったんだ」と、はたと気づきました。

自分の組織はどの方向に向かって、だからその人のミッション・役割が何で、なんでその人なのか、を明確に定義出来ていなかったなと。

そこからは、組織としてのミッションを作り、メンバーのCan、Mustを設定することで、役割・基準を明確にしました。

さらに、それはWillと重なるものであることを説明し(実際に重なるプロジェクトに入ってもらう)、なるべくその選択肢をメンバー自ら選んでもらうよう、決定の流れ・プロセスの明確化を重視しました。

そして、八方美人にとってはお腹痛くなるんですが
・役割にそぐわない仕事は排除・優先度下げ
・基準に達していないアウトプットには具体的な注意
を徹底しました。

★こういう時、お腹痛くなる度合いを下げるべく、「一度お互いで決めたことなんだから」を自他ともに言い聞かせることが、自分なりのポイントです

ちなみに、これは今でも辛いです。指摘しなきゃいけない日があると、毎朝お腹痛くなります。

『思い上がり』を最小化することの習慣化

マネジメントしていると、どうしても周りが考えていることと、自分が考えていることがずれ、いわゆる『思い上がり』が生じます(自分は舞い上がってしまうタイプなので、この傾向が強い…)。

例えば「みんなメンバーは目標に向かってイキイキしてる」とか、「自分の方が偉くて優秀だから、いいアドバイスを自分はできている」のような自己都合強めなやつです。

これはおそらく、差こそあれ、誰しもが必ずなる現象なのではないでしょうか。
この閾値を超えると、メンバーの退職だったり、大事なことをメンバーが報告してくれなくなる『組織の壁』が生じるのではないかと。

なので個人的に、自己と他者の関係値の定期メンテナンス、が必要だと思っています。

定期メンテナンスの方法は色々あるでしょうが、自分は世の中にある様々なフレームワークを頭の中に叩き入れて
・自意識過剰になっていないか?
・メンバーから見たら、ここが自己認識とズレているんじゃいか
を毎週考えるようにし、習慣化するよう心がけました。

具体的には、『グロービス学び放題』等意識高い系サービスの利用、自己啓発・理論系の本を週末隙間時間で読み、主観をなるべく切り離せるよう、日々インプットしました。

「あーこの視点抜けてたな…」「自分はPM理論で言う、pM型だな」などが枠組みを照らし合わせると見えてくるので、個人的にはひたすらインプットすることは良かったと思っています。

嫌われることに慣れろ、とまでは思わない。が、決定したことへは脱八方美人であるべき

ここまでを総括すると、
・マネジメントは組織のあるべきを決める必要がある
・それに紐づくメンバーのWill・Can・Mustを考えてすり合わせる
・基準に照らし合わせた信賞必罰(お腹痛い)
・自身の自己認識ズレの定期メンテナンス

をやることで、お腹痛いながらも、何とかマネジメントできてるんじゃないかと思っています。

※ざっくりまとめましたが、また細かくテーマを分けて書こうと思っています。

正直マネジメントになんてならなきゃよかった、と毎朝思いました。いや、思っています。

でも、「あるべき」と紐づく基準を決めることができない限り、自分の仕事が上流工程に行くことはない、とも思います。

この記事を読んでいただいた八方美人なマネジメント(未来も含む)の方にはぜひ、決めるべきところにはコミットし、部分的脱八方美人になれることをおすすめします。

こんなこと書いてますが、未だにお腹痛いです。できる事なら全人類皆に愛されたい…。

同じような悩みを持つ人がリアクション返してくれると嬉しいです。

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