クリスマス。

サンタクロースに来て欲しかったけれど、ずーっとサンタクロースはわたしには微笑んでくれなかった。

いつしか、わたしより素直にサンタクロースを待ってる子のために、わたしは心の中で泣きながらサンタクロースになっていたよ。

だからクリスマスって嫌いだった。ずっと泣いていた。

父も幼少期にクリスマスに期待し、裏切られる事に疲れた人間だった。

わたしの代でそれを変えたくて、しばらくクリスマスプレゼントを贈り続けていた。いつしかそれも出来なくなってしまった。

今にも雪が降りそうな重くて低い空も、キラキラしたイルミネーションも無邪気な子のための物だ。

今では呼べばサンタクロースは現れるだろうけど、その人の事を大切に思えば思うほど素直になれない。

早く明日になればいい。

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