せかいというのはいがいとせまい。
中学一年生の男の子が自殺した。生まれて13年くらいで死んでしまった。
いじめられていたらしい。いつも乗る市営地下鉄に身を投げた。
・・・わかるよ。
自分も死んでしまいたいって思って学校に行っていたから。
学校は社会の縮図。
月曜日の訪れはギロチン台への歩みと変わらない。
それがいじめに遭う中学生のせかい。せかいのすべて。
言えなかった。先生にも親にも。
昨日まで友達面してたやつらが全員『敵』になって。わたしは『的』になった。
元々はいじめられるような立ち位置じゃなかったから。
余計に恥ずかしかった。苦しかった。情けなかった。
もう学校に行きたくなかった。
すごく恥ずかしくって苦しくって情けなかったけど。
わたしは親に「もう学校に行きたくない」と一言告げた。
どれくらいだろう。しばらく学校には行かなかったな。家は自営業だったから親も辛かっただろうな。実際に親も辛い思いをしてた。父親の涙を初めて見たのもあの時だ。
その後、学校側もそれなりに動き、すべてが元に戻るような事は無かったけれど。ごまかしごまかし学校に行けるくらいにはなった。
きっと今の時代はSNSや携帯電話の普及率から、より陰湿な環境が簡単に作り出せるようになっているでしょう?簡単に想像がつくよ。
わたしと、死んでしまった中学一年生。
違いなんて大してなかったんだと思う。
死ななくてよかった。わたしもあなたも。
死にたいくらい学校に行きたくないなら学校なんて行かなくていいんだよ。
若い子がいじめを苦にして自殺したというニュースを見る度にそう思う。
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