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光と影が交差するダラス-警察官銃撃事件に思う【Dallas, TX】

テキサス州のダラスに来ています。7月7日の夜にマイカ・ジョンソン(Micah Johnson)容疑者による警察官銃撃事件により5人の警察官が射殺され、6人が負傷する事件が起きたばかりの街は緊張感に包まれていた。

7月10日日曜日のダウンタウンに人気はない。町の中心地がゲートで囲まれ、その前を警察官がガードしている。中に入ることはできなさそうだ。

ダラスで射殺されたジョン.F.ケネディの暗殺現場も立ち入り禁止になっている。「銃による死」というイメージが付きまとう。

町の中心地に立ち入れないのは、9日には「警察を殺害する」犯行声明が届いたからか。

マイカ・ジョンソンが自身の死の直前、立てこもっていた施設の壁に書いた「RB」の文字の解読がなされていないため、「まだ何か起こり得るメッセージなのではないか」ということからなのか。

実際「爆弾を市内中心部に仕掛けた」とマイカ・ジョンソンはいっていたらしい。

ルイジアナ州で7月5日、米中西部ミネソタ州ファルコンハイツで6日に、警官による黒人男性の射殺事件が起きた。それだけではない2015年はオハイオ州シンシナティーやシカゴなどでも同様の事件が起きている。

それに反抗すべく今回の事件が起きたのではなく、前々から周到に計画・準備されていた犯行だったようだ。根深い人種差別による抵抗だったという報道もされている。

マイカ・ジョンソンはすでに射殺されたので真実はもう闇の中だ。

アフガニスタンを思う

ダラスの街の中心から車で10分ほどのところに、2013年に開所したジョージ・W・ブッシュ大統領図書館・博物館がある。第43代目の大統領のジョージ・W・ブッシュの功績や記録の文章が保存されている図書館・博物館となっている。

ブッシュといえば任期は2001年1月20日から2009年1月20日。あの9.11が起きたのが2001年9月11日。10月7日にアフガニスタン侵攻につながっていく。この大統領図書館・博物館も9.11以降の展示が大きなウェイトを占めている。

マイカ・ジョンソンもアフガニスタン帰還兵だ。

「アフガニスタンから帰ってきたから彼は変わった」というインタビューもあった。

9.11の悲劇を団結で乗り越えたアメリカの姿の後ろには数多くの帰還兵がいる。

もちろんアフガニスタンに従事したから今回の事件につながったとは何の証拠もない。

ただ「とある地点を分岐点に」世界でテロの悲劇の輪がつながるような、そんな感覚がぬぐいきれない。

多くの人が献花に訪れていた。

平和に暮らしたいという思いは一緒なのに、人は、どこでボタンをかけ間違えるのだろう。


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