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鎌倉風致保存会さんへ寄付をお届けしました!

鎌倉ボンズくん2022カレンダーは、おかげさまで大好評でたくさんの方にご購入いただき無事販売を終了いたしました。そしてカレンダー前面のカエルくんシールと裏面に記載していました “売上の一部(1冊1192円のうち92円)を鎌倉風致保存会さんへ寄付する” という仕組みにもとづいて3月末に取りまとめ、寄付をお渡ししてきました。皆様のおかげで鎌倉の緑や史跡を守るアクションに繋げることができました。どうもありがとうございました!

カエルくんの価格&寄付マークシールを貼っていました。

『鎌倉風致保存会』は今から約60年前に設立され、日本初のナショナルトラスト団体と言われます。具体的にはどのような活動をしていてるところで、寄付は何に使われるの?という質問に、事務局の小笠原千秋さんがお話をしてくださいました。

鎌倉風致保存会 事務局次長の小笠原千秋さん
事務局がある扇ガ谷の坂井家住宅の和館にて

小笠原「1964年に、鶴岡八幡宮の裏山にあたる緑地が住宅地として開発されそうになりまして、そのとき近隣住民の方が反対運動を立ち上げられました。

鶴岡八幡宮は江戸時代まで『八幡宮寺』とも呼ばれていて、裏山の緑地は『二十五坊』と言ってお坊さんたちがお住まいだった聖なる森、史跡地でもあるのです。この大切な場所を守ろうと、鎌倉に当時在住されていた作家の大佛次郎さんや川端康成さん、仏教学者の鈴木大拙さんやお坊さんの井上禅定さん、画家の小倉遊亀さんなどもお名前を連ねて、マスコミにいろいろ書いたり訴えることによって全国的な運動になりました。

これは『御谷(おやつ)騒動』と呼ばれているのですが、全国から署名や多額の寄付金が集まりまして、そのお金で開発されそうになった御谷の土地を買うことによって守ろうということになりました。これがナショナルトラストという手法なのですが、寄付金の受け皿ととして設立されたのが当時の財団法人鎌倉風致保存会(=現、公益財団法人鎌倉風致保存会)です。今もあの1.5ヘクタールの鶴岡八幡宮の背後の部分を緑地として守っています。

鎌倉風致保存会だより』より写真転載

その後、鎌倉文学館の東側の笹目緑地と呼んでいる緑地と、十二所果樹園という元農事組合がを生産していた土地、それから事務所の周囲の緑地、坂井家住宅緑地と呼んでいますがその4ヶ所の緑地と、今いるこの坂井家住宅の和館と洋館は国指定の有形文化財の建物で、これらを所有して、保全しているというのが会の概要です。

保全するためは、例えば緑地ですとみどりのボランティアと呼んでいるのですが、コロナ前は一般公募して、鎌倉風致保存会の会員さんや市民の方々、さらに東京から、企業などからも来ていただいて、草刈り枝払いをしたりして維持に努めております。

事務局の前の道は、サワガニくんの道でもありました。

こういった保有する緑地だけでなく、鎌倉市と協働で鎌倉市の持っている史跡地、例えば宝戒寺の奥の東勝寺跡、今はちょっと立ち入れないのですが泣塔(なきとう)という深沢の昔JRの工場だったところにある史跡や、建長寺の塔頭である回春院や、光則寺さんとか浄光明寺さんの緑地などを草刈りしてヤグラなど史跡を守る活動をしています。設立当時から非常に関わりの深い大佛次郎さんが住んでいらした建物は大佛(次郎)茶亭と呼ばれていますが、そちらの保存にも維持管理費の一部を助成してご協力させていただいています。

鎌倉風致保存会の事業は、緑地保全建造物保全、それから普及啓発が三本柱になっていまして、一般向けの講座を開いたり、歴史ウォーク歴史探訪といった歴史のあるところを訪ねて専門家の先生にお話をしていただいたり、それからクリスマスリース教室、今年からは自然観察会といろいろやっております。2年前から残念ながらコロナで一般の方に参加していただけるみどりのボランティアやイベントは見合わせてているのですが、コロナが収束すれば復活していきたいと思っています。平成10年から会員制になりまして、会費を払って会員になっていただいている方むけには可能な限り現在もやっております。会員さんは今約350人くらいいらっしゃいます。公益財団法人の会費は寄付と同じ扱いになります。会員になっていただいて興味を持っていただけるとありがたいですね。

お話を伺った日は春のはじめ。つくしにも出会いました。

また、十二所果樹園は、令和元年に台風で大きな被害を受けて東西を結んでいる通路を通行止めにしました。今、復旧に向けて取組んでいます。以前は毎年9月の上旬に家族で栗拾いというイベントをやっていたので、コロナの状況にもよりますが、今年またできるといいなあと思っております。コロナ前には毎年11月23日に小学生以下のお子さん向けに鎌倉里山フェスタというイベントをやっていて、昔の遊びをしたり草むしり競争をしたりしておりました。

鎌倉のように山があってその下に住宅地が接している緑というのは、いわゆる里山と言われていますけど昔は薪を取ったり適度に伐採や下草刈りをして、村の人たちが手を入れつつ利用していたんですよね。薪を使わなくなって森に入らなくなると、木が大きくなりすぎて根っこが岩壁を崩したり、崖崩れが起きたり、大きな枝が風で飛んでいて屋根や窓を壊してしまったり災害の元にもなってしまいます。やっぱり定期的に手を入れてきちんと管理していかないとだめなんですね。それはもう早目早目に対応しなければなりません。急斜面等の危険な場所の枝払いなどは業者さんにお願いしますので、そこにはどうしてもお金との折り合いもありますね。ボランティアさんには安全な平場で、今草刈りを中心にやっていただいています。

事務局の柱時計の横にカレンダーを掛けてくださっています。

この事務局になっている坂井家住宅の維持もカビとの戦いでなかなか大変ですが、お天気だとウグイスの声なんかも聞こえて。前の木は枝垂れ梅でこっちがカエデですね。12月の初めくらいに真っ赤になって、本数が多いので赤く紅葉して綺麗ですね」

小笠原さん、貴重なお話をどうもありがとうございました!

*こちらも併せてお読みください「鎌倉風致保存会とは」

線路沿いの小道は、初めて来たのに懐かしさを感じます。


小笠原さんからお話を伺った後、常務理事の石山由夫さんからも鎌倉風致保存会さんの活動を『鎌倉市のふるさと寄付金』を通じてサポートする方法を教えていただきました。「寄附金の使い道の中に『風致保存基金』がありますので、鎌倉の風致景観を愛する方々にはぜひともこのふるさと寄付金に寄付をいただけるとありがたいです。十二所果樹園の東西を結ぶ通路の災害復旧工事などを実施するための原資になるのでぜひお願いいたします」とのことです。
2019年5月から市内の方には返礼品がなくなってしまったのですが、市外の方には寄付されると返礼品が選べます。鎌倉の優れた歴史的遺産と貴重な自然環境を次の世代へつなげていくために、イベントへの参加や寄付といったことが特別なものではなく日常の中にリンクしていけるといいなと、私たちも思います。

小高いところに建つ坂井家住宅和館に春の光が注いでいました。

*記事に関連するボンズくんオススメの関連サイト
坂井家住宅和館(について文化庁)
坂井家住宅洋館(について文化庁)
東勝寺跡(について文化庁)
泣塔(について鎌倉風致保存会)
建長寺塔頭 回春院(について鎌倉風致保存会)
光則寺(について鎌倉市観光協会)
浄光明寺(公式Facebook)
鎌倉市ふるさと寄付金



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