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洋菓子店が辿り着いた「和」のモンブラン

鎌倉に店を構えて40年の洋菓子店レ・ザンジュには、創業当時から大切にしているメニューや、いまの気分にぴったりの新商品など、こだわりが詰まったお菓子が揃います。しかしながら、それら一つ一つの開発エピソードなどが表立って語られることは、多くはありませんでした。

そこで鎌倉ノオトでは、レ・ザンジュの人気商品を掘り下げて解説する連載「 #あの商品ができるまで  」を企画。一度食べたことがあるお客様もそうでない方も、読んでいて口の中に味が広がるようなエピソードをたっぷりと紹介していきます。

連載第1回を飾るのは、2017年の新聞掲載以降レ・ザンジュの不動の人気No.1となった和風モンブランです。


レ・ザンジュのモンブランが「和風」の理由

まず、洋菓子店であるレ・ザンジュのモンブランがどうして「和風」なのか。それは「和」というテーマありきで開発したのではなく、栗の魅力を最大限に活かしたモンブランを追求した結果でした。

モンブランの象徴である栗色のマロンペーストは栗を甘く煮て作るのが基本ですが、フランスやイタリアの栗は、実は焼き栗向き。より豊かな風味や色が出せるのは、和栗なのです。栗の風味と淡い栗色を美しく出すことを考え抜き、レ・ザンジュでは愛媛と熊本の2箇所で作られる国産の和栗に辿り着きました。

「洋菓子店が作る和風モンブラン」へのこだわり

ここ数年「しぼりたて和栗モンブラン」が人気を集めていますが、それらの多くは和栗を裏ごししたものをそのまま使い、栗そのものの味を存分に楽しめるのが魅力。一方、レ・ザンジュのモンブランは、栗の魅力を引き出すことと同じくらい洋菓子店が作ったモンブランであることにこだわっています。

栗を蒸して丁寧に裏ごしするという和菓子の工程で作られたペーストに合わせるのは、きび砂糖とカスタード。そこに最高級ラム酒であるディロンを加えることで、ほっこりとした栗の香りを活かしながら、洋菓子として完成度の高い上品なマロンペーストが完成します。

また、レ・ザンジュ 鎌倉本店とレ・ザンジュ・ベイ 山下公園店では、よりフレッシュなマロンペーストとメレンゲの土台を使った「しぼりたてモンブラン」も。マロンペーストは乾燥しやすくメレンゲも湿度に弱いため、カフェだけで楽しめる繊細なメニューです。

人気を支えるタルト生地

和風モンブランの土台となるタルト生地は、レ・ザンジュの人気を影で支える存在。お客様からご好評をいただいており、スタッフにも「タルト推し」は少なくありません。タルトだけ販売してほしいなんてお声をいただくのも、嘘のような本当の話。

アーモンドを使ったパートシュクレと呼ばれるタルト生地に、小麦粉を使わないクレームダマンド(アーモンドクリーム)を流して焼き上げます。香り付けにディロンをここでも使い、その上に生クリームを絞ったら、マロンペーストをデコレーションして和風モンブランの完成です。

今後のレ・ザンジュはタルトに注目を

モンブランのほかにもこの秋、鎌倉本店、西鎌倉店、レ・ザンジュ ベイ 山下公園店の3店舗でタルトを豊富にご用意してまいります。それらはレ・ザンジュの代表商品である和風モンブランの人気があってこそ。

ショーケースを彩る季節のタルトのなかから、ぜひお気に入りの一品を見つけてくださいね。スタッフ一同、ご来店をお待ちしております。


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