アフロとモデルと悪口とオカマ
絶賛メンタル崩壊中の腐女子ちゃん(部下)が「助けてほしいです…」と私に頼ってきてくれました。すれたオカマで本当によかった。こんな時に頼ってもらえるなら、いわゆるテンプレオカマも悪くないですね。
頼られたからには全力でこの子を助けます。人生、そして男と女の酸いも甘いも知る私に任せたまえ。
なんて言えたらどんなに楽でしょう。実際何がこの子を救うのかさっぱりわかりません。
何も出来ないなりに話を聞いていると、どうやら小さいころから親にも友達にも先生にも、誰に対しても気を遣って嫌われないように、相手を不快にさせないように生きてきたそうです。
その話自体は過去にも何度か聞いたことがあったのですが、今回初めて「もうそんなの嫌だ」と言ってくれました。専門家でもなんでもないですが「これは嫌だ」と、自分の素直な気持ちを口に出せるというのは大きな一歩のように思います。
大人になると「嫌なものは嫌」なんて口に出していえなくなっちゃいますよね。きっと多くの人は「嫌なものは嫌」「やりたいことだけやる」を子どもの頃に済ませるのでしょう。腐女子ちゃんはそれが出来なかったんだなぁと。そりゃあんたしんどかったねと。
「もう好き放題言っちゃいなさいよ。酒飲んだ時は好き放題言ってるしめちゃくちゃよあんた。でも私はそんなあなたも好きよ」
とアドバイスしたところ、
「酒飲んだら出せるんすよ。でもしらふでどう出したらいいかわかんないしそんな自分も嫌だし消えてしまいたいっす」
と返されて、パッとひらめきました。変身してごらんと。
なんでもいいのです。休日だけでもいい。髪型変えたり服を変えたり、男装とかコスプレでもいい。
自分じゃない何かになってごらんと。
変身している間だけでも、嫌な自分は消えてくれるし、新しい自分にどんなキャラ付けするかもあなたの自由よ。
そんなアドバイスをしたらちょっと腐女子ちゃんの目がきらっとして、こう言いました。
「私!白髪になりたい!!!」
????????????????
なんで??????
なんで??????
「アホなん?」と言いたい気持ちを抑え「いいじゃん!」と答える私。さすがオカマの演技力でございます。
「青くしたい!」「赤くしたい!」とコロコロ変わり、最終的には大坂なおみちゃんの写真を見て「これがいい!!」とアフロに決定しました。
ちなみに私、高校3年生のときアフロでした。
そのころには心はバッチリ乙女だったので、髪を伸ばしたかったのです。しかし悲しいかな、普通に髪を伸ばしたら全盛期の金八先生にしかならんのです。妥協を重ねた結果のアフロ。金八から貧乏ラッパーに昇格しました。厳しいはずの生活指導の先生も爆笑で見逃してくれたのはきっと優しさですね。
アフロ話も落ち着いたころ「ぎゃあああああむかつくー!!!!死ね!」と腐女子が急に荒れ始めました。こともあろうかインスタを開いてしまったのです。今あんたが一番開いたらあかんキラキラSNS。なぜ開く。
細くて美人で脚の長い25歳のモデルさんが
「ダイエットは自分の為にやってるの☆だってぷよぷよの身体で嫌じゃない?」
「炭水化物は朝と昼だけ!あっ、パンや麺類はNGだよ☆プロテインでタンパク質補給☆」
「最近酵素風呂にハマってま~す☆身体に必要なことやってるだけっ☆」
うぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!〇すぞ!!!ぎゃああああ!!!
お前は!いいよな!美人で顔もかわいくて脚も長がくてよ!そりゃダイエット楽しかろうよ!
うぎゃあああああああああああ!!!!!!
ってな感じで二人で荒れました、職場で。今書いてて気づいたんですが腐女子は「死ね」。私は「〇すぞ」なんですよね。こんなところにも受け身か攻めかが出るんですね。今日の学び。かしこくなった。
その後は腐女子ちゃん恒例の過去の男の愚痴。まあ愚痴を言われても仕方ない男どもの話。
「普通を求めてるだけなのに、なんで私には変態か犯罪者しか寄ってこないんすか?」
偶然が重なっただけでしょ。紹介してあげるから安心しなさい。と言ってる途中で腐女子ちゃんが「これ!これ見てください!ひどいー!」とスマホを見せてきました。
「いい人と出会いがない、と悩んでいる人が見落としていること。それは、あなたと同レベルの人しか寄ってこないということ」
お前はもうスマホを見るな。
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