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【後編】Life Quest~釜石で○○する人たちの多様な生き方~第8歩目「海と人をつなぐ」×佐藤 奏子

本記事は、岩手県釜石市で人生を探求し生き方を自分でつくることに挑戦し、様々な活動に取り組むゲストの生き方に迫っていくイベント型オンライン番組『Life Quest』の内容をnoteに転載しています。         
今回は、2020年9月8日に実施された、第8歩目「海と人をつなぐ」に取り組む佐藤奏子さんをご紹介します。実際の放送については、こちらよりご覧ください。

わたしのLIFE QUEST

戸塚)後編では、佐藤さんの人生の中で今の活動につながるきっかけになった★の部分を中心にお話しいただきます。

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海との出会い

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佐藤)これは小笠原の写真です。大学生の時に親友と一緒に小笠原の海に行ったんですよね。その時の真っ青でイルカやクジラがいて、カメもサンゴも綺麗で島の雰囲気も良いという海に惹きこまれ、毎日素潜りするくらい魅了されました
大学では、写真学科の卒業制作として、モノクロの水中写真で海の浮遊感や不思議さを表現するためにひたすら暗室に入って現像を繰り返す「海三昧」の大学生活を送っていたという感じでしたね。

平元)モノクロの海の写真って見たことないです!素敵ですね!

戸塚)そして海の魅力に初めて出会った大学生活を経て雑誌社で働かれたとのことなんですが、そこでは海や自然に関する仕事をされていたんですか?


佐藤)そうですね。大学のころから雑誌や出版というものに興味があったので、旅とかダイビングをテーマにした雑誌社に入りました。その時はすごく忙しかったけど、たくさんの人に出会って、すごくいい経験ができました。


戸塚)その多忙ながらやりがいがあるという仕事の中で、ケガをしたときに人生を考えたことが、その後のエコプロジェクトにつながっていくのでしょうか?


佐藤)ケガをしたときに自分の人生を色々振り返って、「豊かに暮らしていくって何だろう」と感じたんですよ。そこで自然も海だけでなくいろんなものを見てみたい、たくさんのものにつなげてみてみようという気持ちになり、毎年取材に行っていたサバニレース(沖縄の伝統船のレース)に行きました。
その時に山田周生さんが廃天ぷら油での日本一周を行っているところに出会いました。

戸塚)皆さん、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、山田周生さんは釜石で自給自足を進めているので有名な方です。是非、LIFEQUESTにも来てほしいです・・・笑

エコプロジェクトへの参加

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佐藤)そこで私はそのプロジェクトに参加し、クルーとして撮影や燃料の天ぷら油を集めるなどの日本を巡るお手伝いをしていました。

これが本当に面白い旅で、当日誰と出会うか泊まる場所も決まっていない中、人と出会いにいって天ぷら油を集めないと前に進めないんですよね。旅先の方との会話の中でいつの間にか講演会を開くことになり、そのまま泊めてもらい、その時に次に会うべき人を教えてもらって、そこに行くとまた繋がっていく…なんていう本当に面白く刺激的な旅にご一緒させていただきました。

この旅の中では、個人で自給自足してる人から企業の社長さん、行政の方やアーティストの方まで、色んな人と出会うことになったんですよね。出会ったみなさんは、全員わくわくしながら地球をどうしていくかいろんなアイデアを持っていて、刺激的で可能性をたくさん感じさせてくれるような経験でした。


戸塚)日本一周はどれくらいの時間をかけてやっていたんでしょうか?


佐藤)これがまた面白いことに、山田周生さんが以前行った世界一周は一年半くらいで終わったんですが、日本一周は二年経っても終わらなくて(笑)

そして岩手に到着し、もうすぐ日本一周が終わる…というときに地震が起きたんですよ。そこで緊急支援を行ったとき、一番最初に入ったのが釜石でした。その後、山田周生さんが持続可能な地域づくりとして、菜種油を作る(社)ユナイテッドグリーンという団体を立上げる際のメンバーに入らせていただいて、釜石にずっといることに決めたという感じです。

戸塚)釜石と東京と二拠点で活動されていたんですか?

佐藤)はい、ほぼ釜石にいましたが、二拠点で復興支援を行っていました。

フリーダイビングインストラクターに

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佐藤)そうした釜石の生活の中で、震災を経験されたた女性から「海なんて本当に消えてなくなってしまえばいい」という言葉を聞くのですが、その時の私は何もできないと感じていました。しかし、翌年にその人から「スキンダイビングやシュノーケリングをやっているなら教えてほしいな」と言っててもらえてとても驚きました。

そこで趣味の延長としてやってきた素潜りをきちんとインストラクターとして行うことで、彼女のような海への恐怖心のようなものを抱えている方々に何かお伝えできるものがあるのではないかと思い、インストラクターのコースを受けました。

佐藤)国外にあるインストラクターのアカデミーでは、世界各地から来た人と一緒にひたすら習って潜って試験を受けるという日々を過ごし、そこで海を愛する人がこんなにもいるんだというとても大きな経験や仲間が得られました。

実はこのアカデミーのアジア拠点は日本にあり、これら国内外のアカデミーで出会った仲間の思いや支えがあったからこそ今の活動が続けられているということもあって、仲間の大切さを実感しています。


平元)気になったのですが、たまたま来た釜石にずっと離れずに居るのはなぜなんでしょうか?


佐藤)なぜなんでしょうね(笑)流れでいるということに近いと思います。最初は悲惨な状況を見たことで、そこで活動する以外の選択肢が自分の中で自然となかったんです。そうこうしてるうちに、むしろ私が地元の皆さんに助けられて、徐々に釜石が好きになって気が付いたら今に至るという感じです。


戸塚)「海と人をつなぐ」という活動の中で得られた意外なものとかってありますか?


佐藤)ある日、地域の高齢の方が突然家に来てくれて「とてもいい活動だったから、私も何か手伝わせてください」と来てくれるなど、若い人から年を重ねた大先輩のような方まで様々な人が共鳴してくださって、一緒にできるという体験が私にとって得られたもので、本当にうれしかったことですね。

あなたにとって釜石とは?

命の循環を感じられる町

佐藤)町から少し離れればすごくダイナミックや素晴らしい景色が感じられ、自然の生命や資源が海や山を通じて繋がっていることがわかる。こういった循環が素敵に感じる町です。

戸塚)ありがとうございます。お話や写真からそのことが伝わってきました。

あなたにとって人生の道しるべとは?

人生を変える一枚を撮れたか

佐藤)これは写真の大先輩に言われた言葉です。わたしはこれをまだ撮れていません。写真を撮るときやガイド、プロデュースの時にも自分や誰かの人生を変えるものにできたのかと、迷ったときに正してくれるようにいつも心の中に留めています。

戸塚)ありがとうございます。今回、佐藤さんの取り組みや人生についてたくさんお話して頂きました。改めまして、ありがとうございました!

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