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台湾のマスク生産量が世界二位になったのは、奇跡ではない

台湾の疾病管制局は12月31日で中国武漢の新型コロナウイルスに気づいてから、警戒し始めた。そして1月21日に台湾初の武漢から戻ってきた人で、台湾初のPCR陽性が出た。

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中国のマスクの製造量は世界の六割も占めている、もし輸出の制限をかけられたら、台湾の製造量では必ず不足する。よって、1月23日で台湾政府はマスクの輸出制限の要請を出した。その翌日で帰国感染者が3名まで増え、警戒し始めた台湾人達は17年ぶりにマスクの買い占めが始まった。

その時はちょうど台湾の旧正月で、マスクの工場も休みだった。出回っているマスクが足りなくならないように、政府は28日から3日連続、緊急時用のマスク600万枚を各コンビやドラックストアに配布した、1日で8割が売り切れてしまう、平常時の40倍だった。

生産が上がったのは奇跡ではない

一月の時点で、マスクの輸出禁止について、親中のメディアたちは台湾が中国を見捨てるのは、人道的ではないと批判をした。

でも実は、台湾のマスクの大半は中国からの輸入に頼っていた。

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台湾の中国への輸出量は193万枚、中国のマスク生産力は台湾の10倍以上もあるので、政府は先に自分の身を守ろうと決めた。

1月の中旬で台湾の行政副院長(副首相)の陳其邁が危機を察知し、経済部の沈栄津部長(大臣)に「海外からマスクを購入してください」と命令をした。でも海外のマスクは12月の下旬ですでに中国に買い占められたので、行政副院長の陳其邁は第二の命令を下した。

「マスクを作る機械を60台買ってください。マスクを買えないなら、台湾で作ろう!」

行政副院長の陳其邁は旧正月前で、経済部の沈栄津部長に頼んで、連休中でもマスクを生産してくれる工場を探したが、台湾はその時まだコロナに危機感を持っていなかったため、誰もを応じてくれなかった。

なので、1月23日で輸出の制限を発表した。

増産するまでの壁

1月25日で、行政院が経済院に全力でマスクの製造量を増すように要請した、「最初に言われたのは、400万や500万だけじゃ足りない、1000万枚だ。」と経済部の役人が言った。

旧正月の前から経済部の役人達は、色んなマスクの工場に連絡して、頭を下げて、早めの製造再開を頼んでいた。「こんなに深刻?旧正月なのに君らの電話対応で、休めなかったよ!」と工場の人に冷ややかされた。

もちろん、感染の拡大に危機感を持っている工場もあっさりと協力してくれて、26日で製造を再開してくれた。でも、色んな問題があった。

台湾で2019年の1日あたりの製造量は188万枚だった、国内でもともとあった機械と人手では1日多くて244万枚しか製造できないと予測された。工場が増産しようとしても、普段動かしていない機械が壊れているの気付き、すぐには増産ができなさそうだった。

でも、国が動き始めて、工場もみんなが全力サポートし始めたおかげでマスク生産量は増えた!

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でも、目標の1000万枚まではまだほど遠い。

台湾代表 マスク隊の結成

1月31日で1.8億元(1台湾ドル=3・5円)の「60本のマスク生産ライン」予算案がスピード許可された。経済部はマスクの増産に応じた15社のメーカーに条件付きで生産機械を寄贈した。

でも台湾でのマスク機械製造メーカーは工場と人手をほとんど中国に移していた、国内では中小企業の二社で合わせて20人しかいない、一気にきた60台、プラス後から追加30台で、組み立て終わるのは早くて半年がかかると予測された。

機械部品工具組合の理事長は自ら「マスクの機械が足りないから、手伝わないと!」とライングループで同業を呼びかけ、合わせて30社、合計130人のエリートエンジニアが、マスク生産ラインを組み立てる二社に全力サポートした。

予想では半年間がかかる組み立てが、2月10日から3月5日まで、わずか25日で60本の生産ラインを整えた。

マスクの機材の組み立て以外に、原材料の確保も必要となる。医療用マスクのパーツは、大きく7個に分かれる。

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それらの原材料も国内で生産しているので、20社ぐらいが協力してくれた、「台湾人は台湾人を助ける」と原材料メーカーがいい、利益を度外視、経済部に協力して、マスクのコストを抑えた。

政府と民間企業の計80何社で結成した「台湾代表マスク隊」が始動した。

医療用マスクの徴収

「最初経済部は私たちの工場を徴収すると聞いた時、詐欺かと思った!」とマスク工場で働く人が言った、1月31日から政府が工場の徴収をし始めた。工場の損失を小さくするため、国は卸値より高めで買い取った。

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生産ラインの増加に協力してくれた方には、

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普段の卸値で 500万枚✗1.5元=750万元
政府の徴収で 380万枚✗2.5元=950万元

協力してくれたメーカーにとっても、メリットしかない。今でも24時間ノンストップでマスクを製造している。

毎日生産量1000万枚の目標達成

3月14日台湾のマスクの毎日生産量1000万枚の目標達成。

第二弾追加された30台のマスク機械も4月から始動し始めた。今のとことは平均毎日1500万枚の製造、現在では毎日2000万枚までの製造が可能な原料は確保をして、新たな目標を立てた!

終わりに

マスク隊だけではなく、色んな蒸溜所も手を組んで、利益が高いお酒の生産をやめ、国内の消毒用アルコールの生産に協力した。台湾人が団結して、新型コロナウイルスと戦っている。

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政府と職人たちが、旧正月から休まず生産ラインを整えて、国民達もマスクを医療現場の人達に優先して回してほしいという気持ちがあるからこそ、医療現場の不足を防げた。

17年前のSARSで学んだ教訓が、今の防疫の実績につながった。

今の成果は奇跡ではない、みんな一人一人の思いやりで達成した偉業だ。

コロナと戦っている、政府、医療従事者と防疫アイテムを増産してくださった人達へ、本当にありがとうございます。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。

またいつか台湾国内事情を紹介したいと思います。

参考源
https://www.gvm.com.tw/article/71736
https://health.udn.com/health/story/120950/4488610


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