2時間の映画で伝えるのは難しいこと|映画『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』
土曜日ですね、今日の映画は『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』です。
感想の前に少しだけ余談を。この映画を観に行った日に、EXILE NAOTOくんが主演の「フード・ラック!食運」も公開していたんですよ。でもこっちを観たので、本人につっこまれましたね(笑)。おいおいって。
こちらも観に行きたいところです。
今回の映画に話を戻すと、予告編も含めて番宣を目にする機会が多かったんですよね。そこで北川景子さんが出演されていることを知ったり、主題歌の[Alexandros]「Beast」がすごくかっこよかったので、公開されるを楽しみにしていました。
あらすじ
そのドクターは、
救世主か、猟奇犯か。
「苦しむことなく殺してさしあげます。」ある闇サイトで依頼を受け、人を安楽死させる連続殺人犯ドクター・デス。その人物の存在が明らかになったのは、「お父さんが殺された。」という少年からの通報がきっかけだった。警視庁捜査一課のNo.1コンビ犬養(綾野剛)と高千穂(北川景子)は、さっそく捜査を開始。すると似たような事件が次々と浮上する。捜査チームのリーダー麻生(石黒賢)、新米刑事の沢田(岡田健史)、室岡(前野朋哉)、青木(青山美郷)と共に事件の解明を急ぐが、被害者遺族たちの証言は、どれも犯人を擁護するものばかりだった。ドクター・デスは本当に猟奇殺人犯なのか?それとも救いの神なのか?そして、驚愕の事実と更なる悲劇が犬養と高千穂に降りかかる。
130人を安楽死させた実在の医師をモデルにした
禁断のクライム・サスペンス
(映画『ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―』公式サイトより引用)
なんですが結果としては60点でした。
今回はわたし、厳しめにいかせていただきます。
というのも、映画としてやりたいことはなんとなく伝わってきたんです。
例えば、綾野剛さん演じる破天荒な直感型の刑事 犬養隼人には、子煩悩な父親という一面がありました。娘とのシーンでも表現されていた設定だと思うんですが、そこが伝わりづらいなと。
他にも、犬養はすぐに机を叩いたり、ちょっと暴力的振る舞いをすることが多いです。これには「やんちゃなイメージを演出する」という意図があったのかもしれないですが、ちょっと分かりにくいなとぼくは思いました。
予告編の最後にもありますが、犬養は北川景子さん演じる高千穂明日香のお腹をパンチするシーンがあるんですよね。このための布石だとしても分かりづらかったので、ぼくにとっては全体的に消化不良の映画だったんです。
というところから、作品の映画化について考えてみました。
・・・
まず思い出したのが、この映画と同じように警視庁のコンビが出てくるドラマ「MIU404」のことでした。登場人物のキャラ設定のなかで、物事が進んでいくから分かりやすかったなと。
というのも、前に「ナイブズ・アウト」を酷評したnoteにも書いてあるんですが、映画という限られた時間のなかで、登場人物の設定を作り上げて、物事を進めていくということが難しいじゃないかと思うんですよね。
それだったら、テレビドラマから入っていって、映画にする方がいいじゃないかなとぼくは思いました。例えば「コンフィデンスマンJP」もそうですよね。これはマンガで作品の設定を知ってから、映画を観る体験と近いかもしれません。
『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』には原作がありますが、小説を読むのにかける2時間と、映画を観るのにかかる2時間では、違うんじゃないかなと思ってしまったんです。それぐらい映画ではじめて作品を理解してもらおうとするのは、難しいことなんじゃないかなと。
ぼくは作品に触れる時間や方法によって、ストーリーへの解像度が変わってくると思うんですよね。
・・・
話を戻すと、この映画はドクター・デスと名乗る犯人が誰なのかに迫るクライム・サスペンスになっていて、公式サイトではキャストの名前が塗りつぶされていました。
そこが昨日から公表されたんですよね。
でも、こうなる前から"さすがにわかるよ"と思うような、やさしい内容だったと思います。それか、ぼくのレベルが上がったのかもしれないです(笑)。
あとは、エンドロールで流れてきた主題歌がやっぱりかっこよかったので、Apple Musicからダウンロードしちゃいましたね。
一番気になったこと
ドクター・デスには考えさせられました。
ぼくには経験がないんですが、生かされていることを苦しいと思っている人に対して、方法は別として、安楽死の選択肢があったとしたら、
それは"絶対ダメだよ"と言えるのかどうかと。
しかも、ドクター・デスの闇サイトは言葉選びがすごく上手いんですよ。死を選ぶというのは、自分の生き方を選ぶことと同義語だと主張しています。
「人には生きる権利と、死ぬ権利が平等にあるのです」
そして、これが1番考えさせられたシーンなんですが、
犬養の娘は腎臓が悪くて、適合するドナーが現れるのを入院しながら待っていました。このことに対してドクター・デスは「あなたはドナーを待っている、ということは誰かの死を望んでいる」と言うんですよ。
"なんなんだろう"と。
たしかにそういう考え方もできるなと、、誰かの不幸を望むわけではないですが、結果としてそうなっていることは、結構あるかもしれないなと思いましたね。本人はそうじゃないと思っていても。
例えば、かなり状況は違いますが、ぼくらもゴルフをしているときに冗談で、人のミスを喜んだりするんですよ。
これはいろんなことにいえますが、ただ対峙するだけじゃなくて、協力すればというか、もっといいやり方はあるんだろうなと思います。
いつもnoteを書いているときは、"この1つの作品から得ることは何があるかな"と考えているんですが、今回はそこがすごく印象的でしたね。
最後にまた少し話がそれますが、一昨日は狂ったSFみたいなnoteを書きました。ここで書いたように考えていくと、"倫理も結局は誰かが決めたものではあるんだよな"と思ったりもしています。
とはいえ、映画に対しての評価はブレないんですけどね(笑)。
それではまた明日。
最後に。
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