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誰もが名探偵気分になれる「ナイヴズ・アウト」

ここ最近結構なペースで映画を見れてるわけですが、やっぱりしっかりと感想は残したいと思いましてちょこちょこ書いていこうかなと思います。そうはいっても前回募集させて頂いた文字起こしを手伝ってくださる方にLINE電話をして文字起こしてもらうわけですが。笑

ということで今回は『ナイヴズ・アウト』という海外のミステリー作品を観たのでご紹介します。ホームページにも載ってますが、あらすじはこんな感じです。

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NYに住む大富豪ハーランは、世界的ミステリー作家であり巨大出版社の創設者。その彼が、85歳の誕生日パーティーの翌朝に遺体で発見されるところから物語は始まる。
匿名で事件を依頼された名探偵ブノワ・ブランが調査が進めていくのだが、容疑者はパーティーの参加者全員。つまり被害者の子どもや孫、看護師から家政婦にいたるあらゆる身近な人物だった。膨大な資産をとりまく人間関係のもつれとともに、名探偵ブノワが事件の謎を解き明かしてゆく。


こんなかんじです。


---どうしてこの映画を見ようと思ったのですか?(聞き手)

海外の探偵ものって面白そうだなと思ったのと、YouTubeの1分間のトレーラー(予告編)で興味を持ったのがきっかけで観てみました。
全員怪しい、誰が犯人か分からないというのが面白そうだなと。

あらすじにもあるように、おじいさんを殺したのは一体誰なのか?というところから事件がスタートするんですが、ネタバレでもなんでもなく間違いなく自殺というのが判明します。それにも関わらず、一家のうちの誰かが事件として探偵に調査を依頼したという流れなんです。

もちろん徐々に謎が明かされていくんですが、感想としては、観た方が良い映画かと聞かれればもちろん観た方が良い映画だと言えます。ミステリーの起承転結にわりと忠実なので、ミステリーものが好きな方にはさらにおすすめと言えますね。

ただその分、ストーリーとしてそこまでひねったオチではなかったなと感じました。僕は結構サスペンスとかミステリーものを観ていて、2019年で言うとコンフィデンスマンJPとかがそれにあたるんですが、複雑怪奇なものが好きなんです。なぜこの人が犯人なんだ?というのをもう一度最初から見直して検証したいと思えるくらい複雑な展開が好きなんですよね。
なので僕としては、この映画は意外とあっさりしていたなという印象でした。


2時間映画の限界としてはこれぐらいかないうのもありましたね。というのも、被害者のおじいさんが一家の大主なので、家族が多いんです。子どもたち夫婦や孫など、登場人物を把握するだけでだいたい15分~20分かかります。誰かだれなのかを序盤で一気に把握しないといけないってなると、中盤で人間関係のもつれとかが出てきたときに、この人たちは何でもめてるんだ?ってなってしまったり(笑)


---なるほど、一家の事情がたくさんあるんですね。

そうなんです。その人間関係を2時間にたくさん詰め込んだために、トリック自体はそんなに複雑怪奇なものではなかったですね。


また亡くなったおじいさんは一代で財を成した人なんですが、ここまで大富豪だと、その子供や孫たちがおじいさんから与えられる甘い汁を吸って生きているんです。何か不正を犯してたり浮気をしていたりと。
これは裕福がゆえの不幸だなと感じましたね。
僕はそういう家庭環境ではないけれど、幸せには色々なかたちがあるというのを考えさせられました。

まちがいなく言えるのは、お金を持ってる=幸せとは必ずしも言えないし、その人の価値観の中の幸せというのがしっかり定義されていることが、いちばん大切なんじゃないかなと。
そしてお金が絡むと人間はこうやって変わってしまうんだな、お金って怖いなとも感じましたね。


---お金って怖いんですね、、


あとは、映画のセットも印象に残っています。
映画のタイトル『ナイヴズ・アウト』は、『knives out=複数のナイフが出ている状態』を表しているんですが、この文字通りのセットが登場するんです。それがこちら。

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これを見たとき、すごいかっこいいなと。コレクター要素として。


---椅子に向かってナイフが刺さっているような配置なんですね。

そんなんです。こういう風にコレクションしたり配置を考えたりするのって、家を豊かにするんじゃないかなと。使わないのに集めたくなっちゃいましたね。あと僕が共感できるなと思ったのは、主人公の探偵の話している内容でした。

この名探偵は、経験があるからこそ本能的に違和感を察知する瞬間があるんですが、彼はこんな内容を口にしています。

『形としては収まって解決しているように見えるけど、何かひっかかるものがある。ドーナツのように中身が空洞になっていて、解決しているようでしていない。この空洞を埋めるものが何なのか、気になってしかたがない。』

彼は名探偵なので、最終的にはその空洞を埋めていくことが事件解決につながるんですが、これに少し共感する部分があったんです。

僕も大なり小なり気になったことはずっと気になっているし、自分の周りで起きることで、それぞれのパーツがはまる瞬間というのがあって。
そのときはまだ点と点だったものが、いくつかつながって線になるように、あのときあの人がこう言ってたなとかが足されていくと、ある日突然に合致するときがある。そういう意味で言うと、自分の経験ゆえの本能に従うというのも、ときには大切だなと感じましたね。


そして最後に、フィクションとして面白い設定だなと思ったのは、この豪邸の家政婦さんが嘘がつけないんです。どういうことかというと、このメイドさん、嘘をつくと吐いちゃうんですよ。


---えぇ!じゃあその方に聞いていけば真実が分かるんですね。

そうなんです。ただもちろん、その人にずっと尋問していくわけにもいかないので、この家政婦さんへの質問の使いどころが重要になってきます。
このヒントのおかげもあって推理が進んでいくわけなんですが、現実に生きてる人で嘘をついたら吐く人なんてもちろんいないと思うので、フィクションならではの設定を楽しみながら観ていましたね。(↓この方ですね)

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この家政婦さんに限らず、この映画は一人ひとりのキャラクターがめちゃくちゃ濃いです。たとえるなら昔NHKでやってた「フルハウス」とかに近い感じで、自由奔放な家族。お金もあり、自分のことが大好きな彼らの協調性ゼロな振る舞いはとてもおもしろくて、この映画を観た人ならお気に入りのキャラが1人は出来るんじゃないかなと思うくらいです。


まぁまとめると、冒頭でもお伝えしたとおり、観た方がいいかと聞かれたら自信を持って観た方がいいと言える映画です。登場人物は多いですが、疲れもせずにさくさくと観られる映画なので。


個人的にはフォードVSフェラーリの感動は超えられなかったなというのはありますが、今年まだあまり映画を観ていない方とかであれば、もちろん良いものなんじゃないかなと。

またこれもあくまで個人的な感想ですが、今回の映画を序章編として人間関係を把握した上で、もし続編とかでさらにトリックを複雑怪奇にした映画が出れば、さらに面白いんじゃないかなとも思いましたね。
あとはみなさん劇場で!


(聞き手:Lapis lazuli

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