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ぼくの『英国王のスピーチ』

土曜日ですね、今日の映画は『英国王のスピーチ』です。

観終ったとき「ああ、いい映画だな」と思いました。これまでにスピーチをさせていただいた経験から、考えさせられることも多かったですね。

まずは、最初”The KING'S SPEECH” という英語で「かっこいい!」と思って、いつも通りのスタートをかましました(笑)。


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王と社長の仕事

この映画を観たいと思った理由は、テーマがスピーチだったからです。少し話が逸れてしまうかもしれないんですが、ぼくは『キングダム』が好きです。

特に31巻の330話

秦の国王である嬴政(えいせい)が民衆に語りかけるシーンは、自分を奮い立たせたいときに、何度も見直しています。

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このとき秦は敵国に攻め込まれてしまっているんですが、軍力が充分ではありません。その状況に民も怯えてしまっていました。

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そこへ嬴政(えいせい)が言葉を重ねていきます。

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そして、徐々に民衆の心に揺さぶりをかけていき

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一人の心を動かします。

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こうして、最後には

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キングダム 31 (ヤングジャンプコミックス)

その場にいた全員を動かす。

ここで学んだのが、王の仕事とは何かということでした。

王といっても自分だけで行動してしまえば1人力にしかなりません。でも、人々に命令することで、何万にもの人を動かすこともできます。それこそが、王の仕事です。

これは、社長の立場とも近いことだと感じています。インフルエンサーとは違った形で発信することも、ぼくの仕事だと考えているんです。その責任があると思います。

だからこそ、この映画に興味がありました。


2種類のスピーチ

スピーチについては、思い出すことも考えてきたことも沢山あります。

26歳で子会社の社長をさせていただいていたときに、代理店さん1000人を相手にスピーチをしたこと。今はできていませんが毎朝月曜日の朝会。そこで社員を前に話すのもスピーチでした。株主総会もそうですね。

こうして振り返ると人前で話をさせていただく機会が本当に多いです。

正直なところ小手先のテクニックはどうでもいいのですが、人と話をするということに関しては上手くなりたいと思っています。人の心を惹きつけられる話し方に憧れがあるんです。

というのもぼくの話し方は、どちらかといえば相手の共感を誘うものだと思います。例えば「ラーメンが好きで...」って話から急に親近感が湧いて、最後にはみんな「なるほど」って同調してくれたりするんです。

一方で、スピーチのなかには圧倒的なカリスマ性を感じさせるものもありますよね。話をすることで相手の心を動かせる力を持てるようになるんだったら、それを手にしたいと思っていたりもします。


祝辞の原稿は暗記する

今回も内容を知らなかったんですが、この映画は主人公が喋れないところからスタートします。ここで「話せない人が話せるようになる映画でしょ?」という考えに行き着いたんですが。

この予想はちょっと浅かった気がします。

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史実に基づいた映画で、第二次世界大戦の渦中にこういう国王がいたということ。こういった時代背景も踏まえて読み解いていくことが重要だったと思います。そして国王が話すときはいつも原稿がありました。

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その場で思いついて話していくのではなくて、なぜこの単語を使うかまで考え抜かれたもので話をするということにはまた別の重みがあるんだろうなと感じましたね。それがスピーチの端々から伝わってくるんです。

ぼくの場合は、いつも行き当たりばったりだったりするんですが(笑)。


ただ、プライドはあります。結婚式の祝辞では絶対に紙を読み上げることはしません。そこは暗記でいきたい。それが、ぼくが新郎新婦に対してできる礼儀の示し方だと思っています。

それと同じく、新入社員に対しての祝辞も暗記しています。

こういったものはトップがしっかりやって当たり前だと思っているので、そこに対しては妥協しません。プライドとして許せない。


でも、うまくできなかったこともありました。

あのときはメンターに近い方から、注意をいただきましたね。当時のぼくには忙しかったという言い訳もあったのですが。祝辞という門出を祝う機会をおざなりにしてしまいました。

そういったタイミングでは忙しいかどうかは関係ないですよね。あの頃は、向き合う気持ちが足りていなかったんだと思っています。どんなに忙しくても睡眠時間を削ればいいだけなので。寝なくても死なないんでね(笑)。


対等だから友達になれる

国王が先生から治療を受けるシーン。ここで、好きになったセリフがありました。

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「私の城では、私のルールで」

この言葉で、国王という立場であっても2人は対等であることを伝えていたと思います。そこから気づいたことがありました。

ぼくが好きになる映画に共通しているのは関係性が対等なことです。「フォードVSフェラーリ」や「グリーンブック」もそうでした。だから友達になれるんですね。

それからもう1つ、史実をもとにした映画のずるいところはエンドロールにあると思います。『英国王のスピーチ』でも「ライオネル(先生)とバーティ(国王)は生涯にわたって良き友であった」とありましたが、ストーリが終わったあとに軽くそこに触れるんですよね。

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いつも「その触れ方うますぎない?」「ずるすぎない?」って思います。


必ず原因がある

実は今まで「吃音症」という言葉を聞いたことがありませんでした。はじめ国王は緊張して話ができないのかと思っていたんです。病気を知ることができて勉強になりました。

ここからの話は今作がどこまで史実に基づいているのかも関係してきますが、ライオネルは「生まれながらに吃音症の人はいない」「それには必ず原因がある」といった話をしています。そして、バーディは幼い頃に乳母から虐められていた過去や父への恐怖を抱えていました。

最終的にはそのどれかが原因であると断定される描写はありませんでしたが、「吃音症」の発症にはなにかしらのトラウマが関係しているように感じました。ここでいいなと思ったのが、ライオネルが言っていた

「必ず原因がある」ということ。
これはぼくも仕事でよく使う言葉です。


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「うまくいかない仕事なんてないんだ」という話をよくします。それから「なにがうまくいっていないのかを、今すぐ可視化しろ」と言うことも。

その後ぼくは全部を数値に置き換えて考えます。

このとき相手の返答が「なんとなく」といった曖昧なものだったときは怒るようにしています。うまくいっていないことを咎めることはないですが、それを理解できていないときは指摘します。

なんだか、なんでも仕事にはめてしまいますね(笑)。


国王の価値

映画の途中までバーティは話すことが苦手です。そして、英国王になりたくて生まれてきたわけではないのだといった葛藤を感じるシーンもありました。例え人から羨まれることもある立場であったとしても、悩みは人それぞれだなと改めて思いました。

その立場が幸せなのかというのは、また別の議論なんだろうなと。


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現にバーティの兄は、人妻に惚れたことをきっかけに国王から退いています。その一方で「王室」をテーマにした作品では、兄弟での王位継承を巡る争いを扱うものもありますよね。他にも『キン肉マン』のようにみんなが王になりたがることもあります。

それなのに「あっさりと人妻を選ぶんだ」と思いましたね(笑)。

こういった経緯を持つ兄が一時的にでも国王であったことは、バーティにとってはプレッシャーだったんだろうなと感じます。


最後のスピーチ

ラストシーンはバーティのスピーチです。ぼくはここでもまた、「我が民」というセリフを聞き流すことができなかったですね。『キングダム』を思い出しました。なぜかまた、この話になってしまうんですが(笑)。

あのシーンでも「秦の子らを」というセリフがありましたよね。


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そして、秦とイギリス。国は違いますがどちらもトップは国王です。例えば、もし自分に子どもたちがいたとしたら「我が子よ」と呼びかけることはできます。

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だけど「イギリスの子たち」「我が国の」「我が民よ」なんて言えるのは、本当に一握りの人たちだけだと思います。それは特別なことですよね。


商談は提案書で決まる

この通り、ぼくにとってのスピーチは『キングダム』の330話なんですが、性格上どうしても蹴散らしたいスピーチをしてしまうんですよ。

スピーチというよりも商談ですね。提案の結果は相手先に行って決まるものではなくて、考え抜いた時点で決まると思っています。究極的には「提案書だけを渡しておいても提携できます」という状態でないと、ぼくはダメだと思っているんです。

言葉は悪いですが「くたばれ」「打ちのめしてやる」ぐらいの気概で提案書を出しています。「今俺と提携しないとアホだよ」「一生後悔するよ」ぐらいの闘志で臨んでいますね。

向こうを気持ちよくさせているかは別問題です。

── スピーチのように同調を求めないということでしょうか(聞き手:Erina)

言い方はあくまで同調していますが、提案書では「どうします?」「やんなかったら敵になりますよ?」といった感じかもしれません。

『キングダム』も話し方は同調でしたよね。
強く暖かい王のイメージを体現していたと思います。

ぼくの場合は強いかは分かりませんが、暖かくはないと思いますね。世界平和を願うのではなくUUUMのことしか考えないですから。


立場に置かれたときに人は変わる

本作はラストシーンを迎えてもですね、バーティが「吃音症」だった具体的な原因は謎のままでした。メンタル的なことが理由だったとは思うんですがそれがなぜ克服できたのか、それを考えさせるための映画だったのかなと思いましたね。

だからこそ明確な理由がわかってしまったら、つまらない映画になっていたのかもしれない、とも考えました。そして立場に置かれたときに人は変わっていくんだと。

例えばマンガで「一晩で彼は男になった」という表現があったとします。

窮地を脱したシーンとかで使われたりしますよね。バーティも最後のスピーチを終えた後は、凛々しい国王の姿に変わっていきました。「人間はどこからでも変わっていける」ということも、この映画が伝えたかったことの1つなのかなと思ったりしましたね。


この映画を観終わったあとに「本当に伝えたかったことはなんだったんだろう」といくつか考えたりしたんです。

そもそも事実に基づいているのだから、こういった歴史を人に届けたくて映画が作られたのもあるんだろうなと思います。その上で明確な事実があるとすれば「イギリスはドイツに勝った」ということ。こんなことを考えて、エンドロールを見ながら気持ちになっていました。

ただ、主人公を演じられた俳優の名前が分からないのが気になってクレジットに注目していたら、ここで『愛の不時着』の宣伝が入ったんですよ。

「Netflix そこかよ」って思って、最後は終わってしまいましたね(笑)。


(画像引用元:the Movie title stills collectionIMDbWOOLLEY & WALLIS) 

今日はこんなところで!



最後に。(やっぱり毎回言おうと思います)
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