記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

はじめて気持ちよく観終われた宇宙もの『オデッセイ』

今日は映画の話です。海外行きのフライトで観た『オデッセイ』について。

もう1度観たいけど、観たくない映画

実はぼく人から映画を勧められると観たくなくなってしまうんです。

例えば『インターステラー』は去年1年がかりで観ました。しかも観たあとにどうしようもない気持ちになってしまって、日曜日の夜なのに、引きずったまま1週間が過ぎてしまったんです。あれは深過ぎました。

もう1度観たいけど、観たくない。『ジョーカー』を観たあとのどうしようもない気持ちと似ているかもしれません。

いい作品ほど爪痕を残すものだと思います。


飛行機の墜落よりも怖いのが宇宙飛行

唐突ですが、ぼくはビビリなので死が怖いです。だけど飛行機がいくら揺れようと「墜落する確率は宝くじが8回当たるのと一緒だ」「それなら、当たってから死にたい」と思っています。全然まだ余裕だなと。

それから人間や文明の力は舐めてはいけないと考えています。お陰で飛行機は飛んでいますから。でも宇宙飛行は別です。怖い。

理由は圧倒的に回数が少ないからです。もしも飛行機が墜落したとしても、ぼくは生き残っていける自信があります、根拠はないんですけど。でも宇宙飛行は有人飛行の回数が少ないうえに、宇宙空間には空気がありません。

だからこそ死を感じます。怖い。


強烈なマット・デイモン問題

『インターステラー』のマット・デイモンは悪役ですが『ゼロ・グラビティ』では違います。『オデッセイ』なんて真逆の役です。

マット・デイモンは宇宙ものに出すぎているんです。その結果、なにを観ていてどれを観ていないのかが分からなくなってしまう現象に陥っています。

もしかしたら宇宙ものに限らないかもしれないです。『オーシャンズ11』の頃はあんなに若かったマット・デイモン。『フォードvsフェラーリ』にも出ていましたよね。映画を観れば観るほど、ぼくのなかでどんどん「マット・デイモン問題」が大きくなっています(笑)。


気持ちよく観終われた理由

今回は飛行機に乗ったときに速攻で『チャーリーズ・エンジェル』と『オデッセイ』を見つけちゃいました。そこで「2本いっちゃおうかな」と。

『オデッセイ』は、たった1人で火星に取り残されてしまう話です。その設定から最後は命絶えていくストーリーを想像してしまいますが、ハッピーエンドの映画です。ぼくは観終わって非常に清々しい気持ちになりました。

どうしようもない気持ちで終わるのではなく、いい気持ちで終わる映画ってすごく大切だなと思います。少し昔の話なのでネタバレを含みますが


----------ここからはネタバレを含みます。





この映画は誰も死なないです。

それって気持ちいいじゃないですか。人が亡くなっていくストーリーには負のイメージやパワーがあります。それとは反対に、火星に取り残されたところから生き延びていく、その様子に活力をもらいました。


『Dr.STONE』 と 『オデッセイ』 の共通点

突然ですが、なぜ人が『Dr. STONE』を好きなのか考えていくと、レシピが出てくるからだと思うんです。例えば「どうやって水を作っていこうか」とか。そういうレシピが本作にも出てきます。

主人公は植物学者という絶妙な設定なんですが、宇宙船の中でじゃがいもを育てたりします。そういう過程っていいですよね。無人島に行くんだったらこういうことが起こりそうだなと思わせるような。

画像1

このシーンで「もうちょっと学校の勉強ちゃんとやっておけば良かったな」って思いました(笑)。こういうときに「ぼくは全く役に立たないな」ってやっぱり思っちゃうんですよね。


ブレないメッセージ

人間としての真理を感じるエピソードもありました。

宇宙でのミッション中、不慮の事故によって死亡したと思われていた主人公が、なんと火星で生存が確認されます。ただチームメンバーは真実を知らされないんです。ミッション成功のため動揺させることのないようにという判断から。それも最終的には知らされることになりましたが、ここからチームは究極の2択を突きつけられます。

画像2


救出のためにもう1度戻りますか、
それとも戻りませんかと。

ぼくにもし家族がいたとして、やっと地球に帰ってこれるというところで「もう500日くらい遠のきますよ」と言われたら、同じように即断できるのかなって。正直なかなか悩みます。

それからマット・デイモンが船長に救出されるシーンではちょっと距離が足りなくて、自分の手袋を破いてジェット噴射するんですけど「そんなことしちゃえる?宇宙空間で?!」と思ってました。慣性の法則が働くのでもしかしたら、永遠に飛ばされてしまうかもしれませんよね。

あと決して船長とマット・デイモンは特別な関係という訳ではないんですよ。ここが結構重要だと思っています。「恋愛」が絡んでいない話ってなかなかだなと。最初から最後まで「友情」や「人間としての誇り」についてのシーンはたくさん出てきます。

ただ一切「恋愛」は出てこない。


人間らしさの表現

火星と地球とのやり取りも16進数から始まるんです。そこからどんどんとメッセージのやり取りができるようになっていきます。あの過程は1筋の光のようなものだと思いました。そこを辿っていく描写でマット・デイモンの気持ちが忠実に再現されていたんです。

だからこそチームに生存を伝えていないと告げられたときに、罵声を浴びせるシーンが際立っていました。でも人として分かるよねって、1人だけ取り残されてメンバーはのうのうと戻っているけどそれを知らされていないって、誰をケアしてんのって。

こういうところにしっかり人間らしさが出ていた映画でした。


地球人全員で、たった1人を救う覚悟

『度胸星』という宇宙飛行士の漫画で、冒頭にこんな話があります。

「高さを制したものが制する」

制空権の宇宙版ではないですが、それをどう取り合うかっていうのは永遠の課題だと思うんですね。これを思い出したのが救出で中国国家航天局の「太陽神」を使用することになったシーンでした。

もしも中国が手を貸さなかったとしても、また別のチャンスがあったと思います。でもそういうことではなくて、とにかくこの1人を地球人全員で救うという、あの覚悟が気持ちいい。全人類がこの1人の生還を待つという方向性が全くぶれていない。

『アルマゲドン』はどこかの国の話じゃないですか。でも『オデッセイ』でマット・デイモンを助けるのは全人類の1つの考え方としてまとまっています。このスケールで一体感になれることって、最近ないなって思っていて。

ネットが出てきたことによって、表もあれば裏もあって、100%これが正しいなんてことはなくなってきていると思います。もしかしたらこの1人を救うために、どれだけのお金をかけたんだというのも考え方としてはあるかもしれない。そうはいっても全員で救おうよって全人類で決めているのは清々しいなと思います。

僕は宇宙系の映画のなかで、はじめて気持ちよく観終われたなっていう気持ちでいっぱいです。

画像3

ほかにも面白かったのがジャガイモの調味料として鎮静剤を使っていたんです。まあそうだよね、残されたらそうなるよね。「俺でも食ってっかな鎮痛剤。」って(笑)気持ちはめっちゃよく分かりました。


止まらない宇宙への興味

『オデッセイ』を観てから宇宙への興味が増しています。なんなら天体望遠鏡でも買おうかなと。

宇宙っていろいろな見方があって、例えばドラゴンボールなら第七宇宙ですよね。他にもある漫画によってはこういう宇宙、といったようにすごく色々あるんですよ。そうなってくると何が本物か分からないのでそういう意味では、真実を見つけに行きたいんですよね。とにかく探求したい。

人間が亡くなるとちょっとだけ体が軽くなるらしいんですよね。魂が出ていくような。そういったこと、ぼくは結局知らないことが怖いんです。

なので飛行機の話もそうなんですけど、絶対に落ちないと分かっていたら絶対なんで、怖さはなくなるわけです。だからこそ、いろんな形の宇宙の話がありますけど答えに辿り着いていきたいです。


最後の答えにたどり着くってなんだ?って自分でも思いながらも、本当にこの映画はスッと入っていきました。おすすめです。それではまた明日!!

1年記念noteは明後日3月9日です!!


良いと思ったらサポートお願いします。嬉しいので。 もちろんちゃんと返信させて頂きます。