『サンクチュアリ』
水曜日ですね、今日のマンガは『サンクチュアリ』。定期的に読み返す熱いマンガです。原作者は別の方ですが、もう池上遼一さんの漫画はね、面白いんですよ。
Vol. さんくちゅあり
ストーリーを簡単に説明すると、1巻の表紙に[光と影]と書かれているんですが、主人公は2人います。1人は暴力団、ヤクザですね。もう1人は政治家です。
その2人が「違う道でお互い登り詰めていこうぜ」というマンガです。それから、絵は古めです。冒頭はこんなところから始まります。
六本木 北彰会会長 北条 彰
── これはトレンディですね。(聞き手:Erina)
トレンディなんですよ。
雰囲気の紹介もかねて、最初のエピソードをさくっと説明していきます。北条ある政治家にカメラマンを張り付かせていたんですね。
やつめ。50万の値を1000万に吹っかけてきた!
こうして、スキャンダラスな写真を引っ張ってきたカメラマンのところに、実際に北条が向かいます。
そこで、ボコボコに。そして、バーンと。
オレの弾は高いんだ………一発一千万だ…たしかに払ったよ…
……田代…おまえ何でヤクザになった!?
誰の力も及ばない自分だけの世界……聖域(サンクチュアリ)を持っているって……
ぜひ読んで欲しい、この熱いマンガを。ぼくら以降の世代の人は、たぶん全員知っていますね。50代くらいまでは、ドンピシャでハマっていると思います。
ストーリーに話を戻すと、北条たちは政治家の先生のところへ到着します。
そこで写真をもとに脅すんですけど、秘書にやられてしまいます。
佐倉先生の秘書 浅見だ……
実はこの2人
どんなことをしてもな!そしてオレ達の聖杯を作ってやる……
浅見と北条が仲間なんですね。
Vol.2 組織
さらに、冒頭に出てきた六本木署も絡んできます。
ここのパソコンがMacintosh(笑)。さらに、乾杯と言って
あなた夢でも見てたんじゃないの。
暴行の事実なんてこれっぽちもないのよ!
トマトジュース。ちょっと、昔ながらのマンガという感じもあります。
サンクチュアリはずっと前から知っていて、極論「ラーメン屋さんに置いてありそう」とか「床屋に置いてありそう」なマンガじゃないですか。こういう絵は大人になってから読み始めた方がいいとぼくは思うんですよね。受け入れられない年頃がある気がします。
マンガに話を戻すと、Vol.2の組織にはこっちの意味もあるんです。
政治家に手を出すのはやめておけ!
…佐倉のセンセイ、組長に泣きついたか…
ここから、なんとですね
Vol.3 少女
北条さん、もうきてくれないのかと、思っちゃった!
このあといろいろ話すんですけど、さっきの娘を誘拐していくと。そういう展開なんです。
Vol.4 反撃
── 鎌田さんにとって『サンクチュアリ』は、憧れの対象とは異なりますか?
まあ、そうですね。「静かなるドン」はマンガの世界だなって感じなんですけど『サンクチュアリ』や「白竜」になってくると、1つの物語としてどこまでが本当かは分からないけど、熱いシーンはくるものがあるなと思います。
でも、共感はしないですね。
『サンクチュアリ』は読んでいくと、どうして2人がトップを目指していくかっていう確信に迫ります。実はどっちがどっちでもよかったんですよ。
どちらが政治家で、どちらがヤクザでも。
しかも、それをジャンケンで決めているんです。
それ以来ずっとお互いに連まないでいて、そこから突然会い始めたのが1巻のはじまりなんです。そして、2人で日本を変えていこうとするなかで、うまくいくことと、うまくいかないことがあります。
ここで政治とヤクザってやっぱ密接になっているんだなというのは、この世界でも一緒なのかなと思っちゃいましたね(笑)。
さらにですね、作戦がうまくいかなかったときに北条も政治の世界に行くんですよ。ヤクザから政治家に立候補しようとするんです。
ここでなにがすごいって、ヤクザや暴力団は法人化していない、税金を払っていないものとされているんですけど、北条は相楽連合を営利団体にして株式会社にするんですよ。
それから、みかじめ料も顧問料に名前を変えていきます。
与太話としては、山口組の売り上げって8兆円なんじゃないかという話があるんですよ。ネットで調べたら出てくると思うんですけど、これってトヨタと同じ規模なんですね。
「まじデカくね、その組織」と思いました。
ぼくは警察に捕まりたいとはまったく思わないんですけど、世が世でそういうビジネスモデルがあるんだったら、規模が大きいのは事実じゃないですか。なんか考えちゃいますよね。
大変な仕事ですし、生きる死ぬの世界ではあるんですけど、「八兆円か、売り上げ」「俺が人生でどう頑張っても八兆円っていくのかな」と。いかないとも言えないんですけど、必ずいくとも言える数字ではないんだよなと。
── 淡々と見つめていらっしゃるんですね。
数字は嘘をつかないので。年間一千万円の売り上げと、年間一億の売り上げ、どっちがすごいですかと言ったら誰もが分かるわけじゃないですか。
継続しているかというのも別の判断軸にあるとは思うんですけど、数字は嘘をつかないものだと思っているので、素直に受け入れられるっていうのはあります。
数字は事実を教えてくれますからね。この前も話しましたが、真実は人それぞれかもしれまんせんけど事実は一つですからね(笑)。
話を戻すと、最後どうなったの?ということについては、ちょっとこのマンガについては言いたくないですね。
2人して天下を取りにいくんですけど、No.1のヤクザを目指すのか、総理大臣を目指すのかっていうそれなりの方向性があるんですけど、結果は言葉にするとチープすぎてしまうので、ぜひ読んでいただきたいですね。
読むと熱くなります。物事ってうまくいくこともあれば、いかないこともあるなって。
このマンガのいいところって、こういう世界があるのかないのか分からないけど、限りなく現実的なところだと思うんですね。うまくいっていたとしても、途中で落とし穴があったりするし。古き良き日本ってこうだったんだろうなと思います。
ストーリーが進んでいくと、この世界にもプライドがあって、それは命よりも大切何ですよって話があったり、ここから先は、登場人物もどんどん増えるので、説明していってもキリがないんですけど
北条と浅見の2人が世の中を変えていこうとしていくのは、間違いないです。
例えば、さっきの佐倉代議士
娘を誘拐され、引退するかというと
…財界のバカ息子に嫁にやるのと大した変わりはない!!
ということもあるわけです。
Vol. 5 虎を噛む
あと、これ絶対忘れちゃいけないのが、ヤクザと政治家の間には銀行があるんです。
小切手 大東信用金庫 六本木支店
── 凄みを増していきますね。鎌田さんはどのようなときに『サンクチュアリ』をおすすめされますか?
うーん。『サンクチュアリ』を読んだからといって、明日から仕事を頑張ろうとなるとは思えないんですよね、ぼくは。それよりは、このマンガを読んで、こういう世界もあるんだなと思って、自分の仕事に打ち込むものじゃないかなと思います。
起爆剤っていうよりは、隣の芝生は青く見えるじゃないですけど、いや、青くもないんですけど(笑)。
こういう世界もあるんだなっていうのを1回みたあとに、自分がやっている仕事をみると、なんだかこの仕事で良かったんじゃないかという気持ちになるんじゃないかと。
マンガの歴史を振り返ると、「DRAGON BALL」ぐらいのジャンプ全盛期は終わり方が綺麗だったりしますよね。例えば『幽遊白書』の最後みたいな、ちょっといい感じになって終わるとか。それ以降の作品は終わり方が複雑化していったりする感覚があるんですけど、『サンクチュアリ』はそれ以前のマンガなんですね。なので、どちらかというと「こういうマンガってあるよね」みたいにドキュメンタリーを見ていくように読むマンガなんだと思います。
最後はハッピーエンドなんですか?といわれると、これもネタバレになっちゃうから言えないんですけど決して、ハッピーではないんじゃないかなと。ただ、こういう道を選んだ男たちがいたよねというマンガです。
本当に渋いんですよ。
どういうときに読みたくなるのかというと、ぼくは定期的に「もうちょっとしたら2年くらい経つから読もうかな」みたいなきっかけです。
── 読まれた方はお互いに「あっ」となりそうな気がします。
そうなるんですけど、「どんなシーンが好き?」って言われると結構困ると思うんですよね。
── そこで盛り上がるのはちょっと違うといった感じでしょうか。
そう。「この全体を通して『サンクチュアリ』なんだよね」みたいな。
── 読み通した方には同じものが見えていらっしゃるんですね。
そうっす。お互いに「『サンクチュアリ』知ってる?」「あれ、いいよね」って言えるようになって、一人前みたいな感じです。
男で『サンクチュアリ』を読んでいないのは、『ドラゴンボール』を読んでいないのと、ある種一緒だとぼくは思いますね。こんだけ生きてきたなかで、「マクドナルド食べたことないの?」ぐらいの感覚です。
まあ、当然だよねみたいな。「『ドラゴンボール』読んだことあるよね?」と一緒ですよ。
ちなみにぼくの感想をもうちょっと補足すると、なかなかこのサンクチュアリという漫画をnoteで紹介するのは難しいなって思ったのが正直なところでもあり、ひたすら濃厚です。
チープな言葉になってしまいますが、ぜひ一度読んで頂きたいです。
今日はこんなところで!
最後に。(やっぱり毎回言おうと思います)
読んで頂きありがとうございます!そして読んだということで「ハート」をポチってください。人間リアクションは大切です。
あと(追加!)、人生相談というnoteを書きました。ちゃんと回答していきたいと思うのでぜひあれば書き込んでみてください。
またnote内にサークルがあります。こちらもよければ。
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